著名投資家の「買いのルール」とその候補銘柄を紹介する本連載。前回はウィリアム・オニールのルールをご紹介しました。相場が大きく動いている時こそ、成功している投資家の手法を学んで、その「買いのルール」に沿った銘柄をチェックしてみましょう!
買いのマイルール ウィリアム・オニール編を読む
プロフェッショナル③ ピーター・リンチ
今回ご紹介するのは、0.2億ドルの規模しかなかった弱小「マゼラン・ファンド」を13年間で約100億ドルと世界最大規模のファンドに育てたピーター・リンチです。ダンキンドーナツやウォルマート、マクドナルドなど身近な企業に投資をして、日常生活の中からテンバガーをいくつも発掘してきました。
リンチ投資、4つの買いのルール
ピーター・リンチの投資手法は、「アマチュアの強み」を活かして、成長余地のある小型株に投資をするというものです。リンチの言う「アマチュアの強み」とは、
・マイペースで投資できる
・日常生活の情報や感覚を活かせる
の3点です。また、リンチはこうした強みを活用しながら、業績が上向いていて、PERなどから考えて割安な銘柄に投資をしていました。今の日本株に当てはめると、以下の4点にまとめることができます。
② 6期連続増収・営業増益予想(業績は拡大傾向)
③ 予想PERは30倍以下
④ 身近な業種・サービス(BtoC企業)
リンチ’s 「買いのルール」銘柄リスト
そこで今回はこのリンチの4つのルールで上場企業をスクリーニングしました。すると以下の9社が該当しました。
お客様の「困った」をサポートする会社
インターネットのサービス内容や、携帯電話の使い方など、自分では対処できない困ったことが発生したときに頼りになるのがコールセンター。企業がすべて自前のコールセンターを設置しているケースもありますが、派遣社員を雇ったり、外部にアウトソーシングしている会社もあります。そんなコールセンター業務の人材派遣やアウトソーシングをサポートしているのが「 ウィルグループ 」です。販売業務やコールセンター業務などに特化した人材紹介を得意とする同社は、実は私たちが身近に利用しているサービスの担い手でもあるのです。
空港で必ず見かけるお店「BLUE SKY」を運営する会社
全国の主要空港を中心に店舗を構える「BLUE SKY」や、日本航空の免税店「JAL DUTYFREE」を運営しているのが「 JALUX 」です。同社は、日本航空の商事子会社として1962年に設立されました。空港の店舗のほか、飛行機の座席に座るとついつい読んでしまう機内誌『JAL SHOP』なども制作。近年は、インバウンド旅行客の増加もあり、免税店の売上が大きく伸びています。インバウンドの勢いが続く限り、今後も業績拡大が続くのではないでしょうか。
マイペースで投資をしよう!
ピーター・リンチの投資手法で重要なのは「アマチュアの強み」を活かすこと。上述した4つの条件や銘柄リストなどを参考にしつつ、ぜひ”マイペース”で銘柄を探してみましょう。相場が大きく動いているからと言って、焦ることはありません。自分が理解できる企業を、自分のペースで見つけていくことが、リンチ流「買いのルール」なのです。