みなさんは、大切な人とまじめにお金の話をしていますか?
「今日のデート代、払ってくれるかな?」
「え、割り勘?」
「うわー、7:3で多めに出すことで体裁保ってきたよ……」
「おいおい、おごられ待ちかよ。財布くらい出せよ」
「またブランドのカバン買わされるわー」
このような感情を、だいたいの男女が味わっているはず。
男と女は、ロマンチックなことだけではありません。
しかし! だからと言って、お金の話は決して男女のタブー話ではないのです。
大切な人と、もっとまじめにお金の話してみませんか?
実はお金ってけっこうロマンチックなのかも!?
前回記事の奥さん編!
今日のゲスト
北野佳子さん(45歳/仮名)
大手メーカーで全国のショウルームのWEB運用や予約管理を担当。産休・育休を経て、現在もバリバリ働くワーキングマザー。結婚生活21年目に突入。
“財布なし”で始まった2人の初デート!?
チーフ
奥さん、ステキな旦那さんゲットしましたねぇ。出会いはどちらで?
佳子さん
そうですか(笑)?
出会いは22歳のとき、友人が開いてくれたバーベキューで紹介されたのが彼だったんです。
チーフ
佳子さん
あはは! それで、付き合ってちょうど2年くらいのときに籍を入れました。97年でしたかね。
チーフ
ってことは、ロンバケ世代だ。
付き合ってた頃、金銭感覚で違和感とかはありました?
佳子さん
いいえ。がっつり昭和生まれのカップルだから、時代的にも「男性が多めに出す」みたいな風潮は今より当たり前だった気がしますよ。
チーフ
へ~。じゃあ、初デートも旦那さんが出してくれたんですね?
佳子さん
それが、初デートでいきなり、財布なくしてやってきて。
「ごめんね、奢りたいんだけど奢れないんだ」って(笑)。
チーフ
え、そんなことあります?
佳子さん
そうなの(笑)。前日に公衆電話で電話して、そのまま電話ボックスの中に忘れたらしいですよ。
チーフ
公衆電話っていうのが時代を感じてなんか素敵。
佳子さん
そうそう、今みたいにスマホなんてない時代でしたから。テレホンカードの度数がどんどん減っていくって、当時は嘆いてましたね(笑)。
自動的にお金が貯まる? 賢い仕組み作り
チーフ
つい最近までは佳子さんが家計を管理してたそうですね。その時に気をつけてたことってあります?
佳子さん
うーん、あんまりキチキチしすぎないことかな。家計簿とかもつけたことないですね。
チーフ
あら、奥さん。私と気が合う!
佳子さん
家計簿をつけてると絶対、「足りない」っていう思考になっちゃうと思って。なんだか自分がケチになっていく感じがして嫌なんですよね。
たとえ、ちょっと使いすぎたかなーって思う月でも、見返して「うん、全部必要だったよね」で終わりたい。
チーフ
じゃあ、貯金はあまり得意では……ない……?
佳子さん
私はそういう適当なところがあるから、預かった夫の給料を先取り貯金して、その残りでやりくりする派。それが、エネルギーを使いすぎなくて一番良いんです。
先生
先取り貯金はとても賢い方法ですね。支出のやりくりをして残った分を貯蓄とすると、やはり労力が必要です。自動的に貯まる仕組みさえ作ってしまえば、上手に手抜きをしながら貯蓄できるのでおすすめですよ。
チーフ
手抜きって大好き。
先生
他にも貯まる仕組み作りとして、保険料や電気・ガス代、携帯電話の通信費など大きな固定費の見直しは重要です。また、固定費の支払いをカード払いにしてポイントを貯めるのも、賢い仕組み作りの1つですね。
チーフ
ビバ、手抜き!!!
「ちゃんと貯めてるよ」アピール? 奥さんの男気エピソードとは
チーフ
奥さんはずっといまの会社で働いているんですよね。お子さん育てながら。仕事を辞めるっていう選択肢はなかったですか?
佳子さん
全然なかったですね! 結婚してから7年間は夫と2人暮らしだったので、お互い働いているのが当たり前の関係だったし。彼にもたれかかろうと思ったことはないです。
チーフ
かっこいー。
でも息子さん育てながらだと、やっぱり色々大変だったでしょう?
佳子さん
うーん、まあバタバタしたりしてたけど、今となっては全部いい思い出ですよ。
息子と最近、保育園のころの話をしていて。送り迎えで、自転車の後ろに乗っている息子との会話が2人ともすごく楽しかったよねって。
チーフ
なにそれ、めちゃいい話。ウチの小3の息子も、そんな風に言うときがくるのかねぇ。
ところで、今のお住まいは賃貸ですか? それとも持ち家?
佳子さん
15年前に新築のマンションを買ったんですよー。
チーフ
この人気エリアに? めっちゃ高そう!!
佳子さん
それがね!!!
私たちが買った時は、今の相場の半分以下だったんじゃないかな。このエリアまでメトロが開通する前で、とてもいいタイミングだったと思いますね。
チーフ
おおー!! 今となっては、おしゃれなお店ができたりして、人気スポットですもんね。交通の便もいいし。こんな素敵な街に住んでて、あんな素敵な旦那さんと、そして素直で良い子な息子さん。幸せ家族だなぁー。旦那さんとケンカとかします? しないでしょ、どうせ。しないよこの2人は。あぁー帰りたいわー。
先生
佳子さん
いやいや、そりゃたくさんケンカしましたよ~21年間。もうね、ここまでくると揉めることにも疲れちゃう(笑)。
チーフ
オッケ、オッケ。そういうの欲しかったです。揉めるって、例えばどういうことで?
佳子さん
さまざまですよ。共働きあるあるだと思いますけど、例えば家事の分担とかね。でももう諦めて、「家事を邪魔されないことは良いことだ」って方向転換。その分、息子とのコミュニケーションや教育なんかにすごくきちんと向き合ってくれてますから。
チーフ
佳子さん、心が広いわぁ。
他には? 「小遣い少ないよ!」とかそういう揉め事はありました?
佳子さん
うーん、そこらへんは特になかったかも。夫は足りない分をカードで使ってましたし(笑)。カード明細がきてチェックすると「これもパパ。え、これもパパ!!」って。パパのPマークをつけていくんです(笑)。
チーフ
佳子さん
でもね、やっぱり月4万円のお小遣いで我慢してもらってるなって思うこともあったので。その分、大きなものを欲しいと言われたら、いいよって即答すると決めてたんですよ。
チーフ
ほう。例えば?
佳子さん
ちょっと散歩くらいの気持ちで中古車屋さんに行ったときなんですけど。気に入った車があって、夫が「これ欲しいな」ってポツンとつぶやいたので、「いいよ買おう」って。その場で即決しました。
佳子さん
先生
佳子さんは、本当に真似したいバランス感覚をお持ちですね。お金を貯めることだけに意識を向けてしまうと、我慢をしすぎて、未来への投資にあたるような支出すら抑えてしまうことがあります。苦ではないところで財布の紐を締めたり自動で貯まったりする仕組みを作り、必要だと思う支払いにはある程度寛容になる。すごく大切なことです。
リスクに敏感な奥さんと、冒険したい旦那さん。資産運用はどうしていく?
チーフ
そんなしっかりしてる奥さんだけど、3ヵ月前から旦那さんに家計を託したんですよね? 心配とかはなかったですか?
佳子さん
老後に備えたいとのことだったので、そこは信頼してるから心配はなかったですよ。
私はもともと貯金一択派だったんです。昔は銀行の利率も良かったし、資産運用する頭もなかったし。でも今は、「これ銀行に預ける意味ないな。タンス貯金でもよくない?」くらい利率低いですよねぇ。
ユイ
チーフ
じゃあ、独身時代もけっこう貯めてたんですね?
佳子さん
24歳で結婚したんですけど、その時点で200万円は貯まってましたよ。いつでも嫁にいく準備はできてるぞ! って感じで(笑)。夫はフタを開けたら貯金ゼロでした……。
チーフ
PAPAー!!!!
なんか、旦那さんのイメージがどんどん変わってきました。じゃあ、いまも貯金派は変わらず?
佳子さん
今はもうWインカムなので私の収入の中で少し運用してます。会社の確定拠出年金ですね。
先生
個人型のものは検討してますか?
佳子さん
確定拠出年金は会社のものがあるので検討してないんです。でもつみたてNISAが気になってます! 私は元本割れするのが絶対に嫌なタイプなんですよ。
先生
投資である限り元本が保証されるわけではありませんが、つみたてNISAは、買うタイミングや単価を分散・平均化できるので、投資初心者にとってはメリットが多いと言われています。
チーフ
旦那さんは、運用は少し冒険したいって。
佳子さん
そうそう! やるのはいいけど、絶対決算報告してよって言ってます。
先生
それは絶対やったほうがいいです。収支報告は必ず。
佳子さん
でも、おそらくうまくやると思いますよ。勉強家だし、そのへんは信用してます。
チーフ
なかよしかよ。
先生
旦那さまにご夫妻のお金を託したと思うのですが、万が一旦那さまに何かあって口座凍結などになった場合のことはお考えでしょうか? 万が一口座凍結されてしまうと、旦那さまの法定相続人全員の捺印が必要だったり……と、お金をおろせない期間が出てきてしまいます。今のご家族構成だと佳子さんと息子さんの印が揃えば、基本的には手続きができそうですが、いずれにしても少し手間や時間はかかりますね。
チーフ
佳子さん
あ、それでいうと私、会社でやっている財形貯蓄もコツコツ貯まっていて。年金財形と一般財形があるので、合わせて500万円以上はあるんです。万が一のときでも、それで当面はなんとかなるかなと思ってます。
先生
財形貯蓄も、先取り貯金の方法のひとつですね。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、合わせて550万円の元本まで、その利子が非課税になります。
チーフ
もうさ、美人で品があってネイルも綺麗にしてて。お仕事も子育ても家事もやって。どこにそんなパワーがあるんですか?
佳子さん
いや、なんとかなるのよ。日々バタバタしてるけど、乗り切っちゃえばいい思い出! それから、始めるのに早すぎるってことはないから、コツコツでもお金のことは考えたほうがいい。
チーフ
聞いた? 読者の皆さんよ。
佳子さん
入社してからずっとやってきた財形貯蓄は、本当にやっていてよかったと思ってます。あと年金対策も早いうちからやっておけば絶対、若いころの自分に感謝する日がくると思う! つみたてNISAも最近から始まったし、若い人たちは投資環境に恵まれてるんじゃないかな?
チーフ
さっすがデキる奥さんは違うわーーー!!! 旦那さんは、奥さんのこんなところに惚れたんじゃない?
ねぇ博行さん。ずばり、結婚を意識したきっかけってなんだったんですか?
博行さん
え~恥ずかしいなぁ(笑)。
付き合って半年くらいの一番楽しい時期ってときに、私が福岡に転勤になってしまって。毎日、公衆電話から電話してたんですけど、そのとき自然と「あぁ、恋しいな~、結婚したいな~」って思うようになりましたかね。
佳子さん
そんな時期もあったね!
チーフ
いい話かよ。
それで、また財布を電話ボックスに置き忘れるんでしょう?
博行さん
1 「先取り貯金」で自動的に貯まる仕組み作りをしよう。
2 勤務先で制度を導入している場合は、財形貯蓄を検討してみよう。財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、合わせて550万円の元本まで、その利子が非課税に。
3 保険料や電気・ガス代、携帯電話の通信費など大きな固定費の見直しをしてみよう。