3月以降、大きく乱高下している株式市場。調整局面を経て再び上昇し始めるのか、それともしばらく低迷してしまうのか。証券社員200人に対するアンケートを見ると、今の日本株に対して強気な見方がある一方、まだまだ考えておかなければならないリスクが潜んでいることがわかりました。日経平均の見通しやリスク要因について、詳しく見ていきましょう。
第1回「証券社員が考える“今”買いたい銘柄はコレだ!」を読む
株価は反転!? 日経平均は再び2万4000円到達か
最近は米国のトランプ大統領の貿易関税の発言などにより、日経平均株価は一進一退の展開となっています。そんな中、2018年末の株価を予想する設問で最も多かった回答は「2万4000円」でした。しかし、「3万円」と予想する人が10人もいて、平均値は「2万4225円」となりました。これは1月23日につけた今年の高値2万4124円を上回る予想となっており、株価は再び上昇し始めると考えている人も多いようです。
「これから株価は上昇する」と予想する声の中には、
など、好調な企業業績と比べて、日本株が売られすぎていることを指摘する意見が多く挙げられていました。また、下記のように日本銀行によるETFの買い入れ等が続く限りは、株価は上がり続けると考えている人もいました。
44%の人が「国内政治」にリスクを感じている
一方、2018年の懸念材料を挙げてもらったところ、1位は「国内政治の不透明さ」でした。国会で取り上げられている「森友問題」などが連日ワイドショーをにぎわしていることもあり、そのほかの経済政策への影響などを懸念している人が目立ちました。
また、多くの人が米国に関するリスクを挙げていることもわかります。特に最近マーケットの足を引っ張っているトランプ大統領の保護主義的な政策に関しては、グローバルで活躍する企業に大きな影響を与える可能性があるため、さらに株価の下押し要因になるのではないかと懸念している人が多いようです。
アンケート結果は相場を映す「鏡」!?
2018年末の日経平均を「3万円」と予想する人がいる一方で、日米の政治に絡むリスクを意識している人も多いことが判明した今回のアンケート結果。まさに上がったり下がったりしている今の日経平均の値動きそのものを表しているかのような内容と言えるのではないでしょうか。
第3回では、「2020年の日経平均株価」や「これから業績が伸びそうな注目の業種」などから、具体的な銘柄についても掘り下げていきたいと思います。
●2018年末の日経平均株価の予想値でもっとも多かったのが「2万4000円」
●2018年の懸念材料1位は、「森友問題」などをきっかけとした「国内政治の不透明さ」
●多くの人が米国やトランプ大統領の保護主義などを今後のリスクとして意識