ロボット・工作機械 中国堅調で回復

ニュースの裏事情/ 日本証券新聞

テレビや新聞で取り上げられたニュースの裏側を解説する本連載「ニュースの裏事情」。今回は、「工作機械受注」に関するニュースの裏側について、ご紹介します。

海外をけん引役に工作機械受注が回復基調

6月25日、5月の工作機械受注が発表されました(日本工作機械工業会、確報値)。

受注合計は1,245億円と前月比3.0%増、前年同月比4.2%増と回復基調です。

地域別では日本は348億円(前月比4.2%減、前年同月比7.9%減)でしたが、海外が897億円(同6.1%増、同9.8%増)とけん引。北米が好調、欧州も底堅く推移したほか、中国が280億円(同5.4%増、同19.0%増)と前月比で4ヵ月連続、前年同月比で2ヵ月連続のプラスとなりました。

景気対策、政策支援で中国の製造業が堅調

中国経済は不動産不況に決定的な打開策が見えないものの、政府の景気対策もあり製造業が堅調に推移、輸出も伸びています。工作機械の更新に補助金が支給されるなどの政策支援もあり、一般機械向けと電気精密機械向けが増加しているようです。

中国で活躍する日本のロボット・工作機械関連企業

工作機械関連企業としては、中国のEV(電気自動車)メーカー向けにボディプレス用金型を加工する放電加工機などを手掛ける「 オークマ 」、モーターコア成形用金型の加工に用いられる放電加工機の「 ソディック 」などが挙げられます。

また、世界的に進む省人化、加工の高度化などの流れを踏まえると、5軸加工機の「 DMG森精機 」、オークマなども挙げられます。このほか、CNC(コンピューター数値制御)工作機械で世界トップの「 ファナック 」、AI技術を導入した産業用ロボットの生産に力を入れる「 安川電機 」などの動向も目を離せません。

株式市場でも、工作機械を含め、ロボットなど設備投資関連に出番が回ってきそうです。

(出典:日本証券新聞)