第5話「リスクを恐れないA子とバランス重視のB美。未来をつかめるのはどっち?」を読む
どうも!!! 今日も元気、A子(独身)です。
え? なに? もうお前の超初歩的なお金の話、飽き飽きしてるって?
安心してください。今日で終わりにするから。
まあそんなことはいいとして、
我らがB美。なんと、
ここ1ヵ月、結婚式の準備だといって、いろんなところに連れまわされた。
テーブルのお花の種類くらいまではいいとして、ナプキンの色に悩みだしたB美には、さすがにほんの少し苛立った。
と、心が叫びたがっているところを必死に抑え、震える声で「……ら、ら、ラベンダー色きれいじゃない?」とお伝え申し上げた。
(このキメ顔もこれで見納めよ)
そんな私の努力と、協力へのお礼としてB美がランチをご馳走してくれると言うじゃないの。てなわけで、夜だとお高くて行けないような、おしゃれな和食レストランをチョイス。
「あぁ~疲れました。センパイ、結婚ってやっぱり大変ですね」
「うん、結婚したことないから分からないけど、B美ちゃんを見てると大変そうだね。お金もどーんと飛んでいくんでしょう??」
ちょっと疲れ気味だったB美だが、テーマがお金になると生気を取り戻したように生き生きと語りだした。
どんだけ金好きなんだよ。
……ってことは置いておいて、B美と彼はこんなことを話し合ったらしい。
・式は挙げる? 披露宴は? 2次会は? 場所はどうする??
・誰を招待する? お互い何人くらい?
・どんな結婚式にする? ハデ婚? それともアットホーム?
これらを踏まえて、予算と相談しながら決めたみたい。
独身女性へのアンケートによると、「いつか結婚式を挙げたい」人が30%、「挙げたくない」人は22.5%、「どちらでも良い」と回答した人は47%。憧れはあるけれど、実際にはパートナーと相談して決めたいという現実的な考えが多いよう。
一方で既婚女性へのアンケートでは、66.7%が「結婚式を挙げた」と回答。「この人と一生一緒にいようと改めて思えたし、家族に感謝を伝える良い機会になった」「けじめがついた」「憧れのドレスを着られて思い出になった」など、かかった費用以上に、式を挙げるメリットを感じられた人も少なくない。
(2017年8月マイナビウーマン調べ│26歳~35歳未婚女性対象│有効回答数129件)
(2017年8月マイナビウーマン調べ│26歳~35歳既婚女性対象│有効回答数69件)
でも、「ほんっと大変ですよぉぉぉ」と言いながらも微笑むB美は、やっぱり幸せそう。
そりゃそうだよね。
日本人なら必ず聞いたことがある、あの企業の人事部にいる、あの彼と結婚。たしかに目を見張るようなイケメンってわけじゃないんだけど、やさしそうで堅実そう。絶対いいパパになるだろうなって思うし、年を重ねたら絶妙にいい感じのおじさんになりそうな人。
赤レンジャーじゃなくて青か黄色あたり。
と、いうのが先日紹介された私の印象。
でもそこに狙いを定めて刈り取るあたり、さすがB美。
あっぱれ。ブラボー。
だって赤レンジャーみたいな男って、映像でしか見たことないし。
現実世界で結婚相手として選ぶのに一番良い男が、B美の彼のような男だ。きっと。
“結婚相手を選ぶときに重視したいポイントは?”というアンケートによると、53.5%が「2人の相性」と回答。ついで51%が「性格」、40%が「経済力(収入)」という結果に。「ある程度経済力がないと、生活が不安」というのが彼女たちのリアルな声。一緒に暮らしていく上で相性はもちろんだが、やっぱりお金も大事。
(2017年8月マイナビウーマン調べ│26歳~35歳未婚女性対象│複数回答可│有効回答数129件)
きっと安定した収入のあるあの青レン……じゃなかった、B美の旦那様。
はて。
結婚したら2人のお金の管理はどうなるの? という(この連載っぽい)疑問が浮かんできたのでぶつけてみることにした。
お金大好き、いや、マネー意識高め女子B美は、またもや水を得た魚のように、答えてくれた。
★一緒にするメリット……たしかにお金は貯まりやすい。ただ、管理していない方は、お金に対しての意識が低くなりがち。財布を一緒にしたとしても、互いに意識を持つことが大事。
★別々のメリット……共働きの場合はとくに、決められた範囲である程度それぞれ自由が確保され互いに自立できる。しかしサイフは別々でも、月々の収支を夫婦で共有すること。ブラックボックスにならないように。
B美はちなみに一緒にするとのこと。彼はそういうところあまり得意でないらしく、B美に頼っているみたい。ま、彼女はそういうのが好きだし得意だから、全然、苦じゃないんだろうな。
でも、結婚後はB美がやさしいスパルタ(?)で指導していくって。
はいはい、そうですか。
「センパイ、結婚ってお互いを補い合っていくものかなって思うんですぅ」
けど、まあ、幸せそうで私もうれしいわよ。B美!
既婚女性へのアンケートによると、53.7%が「夫婦で財布は別管理している」と回答。干渉し合わず、でも貯蓄を計画的にしたいなら、お互い毎月一定額を貯金してその他は自由に管理する、というのがベター。一方で、お金の管理が得意な方がまとめて行うのもまた良し。夫婦のカタチはそれぞれ。
ただし、結婚はゴールではなくあくまで新しいスタート。結婚後の金銭感覚のズレには要注意。
(2017年8月マイナビウーマン調べ│26歳~35歳既婚女性対象│有効回答数69件)
そして、結婚式当日。
実はここ、なんと彼との結婚が決まる前からこっそり目をつけていたという式場。
さすが抜け目ないB美。
華美ではないけど、アットホームでとてもいい感じ。
いつも見た目がハデなB美にしては意外だけど、しっかり者ってことを思い出せば彼女らしい。
披露宴のテーブルにつくと、ネームプレートの裏にメッセージがあった。
よくあるやつ。
そこには、「センパイには特別です。ナプキンの下を見てくださいね」の文字が。
指示されるまま見てみると、そこには封筒が。手紙かな?
なによ、なによ! うれしいじゃないの!!
(B美からのメッセージ)
センパイ、今日は私たちの結婚式に来てくださりありがとうございます。
この数ヵ月、多くの時間を一緒にすごしてきて、思ったんです。
大人になっても友達ってできるんですね。
私、誤解されやすい見た目なので同性の友達ってそんなに多くないんです。
後輩の私が言うのもなんですけど、本当に大切なお友達だと、勝手に思っていてもいいですか?
センパイは本当に素敵な女性です。お金のことや将来のこと、真剣に考えて勉強したり。それから、婚活もスタートしたり! その行動力に、私は何度も勇気付けられました。
あとね、結婚が決まった私にセンパイ、「B美ちゃん、きれいになったね」って言ってくれましたよね? その言葉、そのままセンパイにお返しします。
ここ数ヵ月のセンパイ、キラキラして魅力にあふれていますよ。
本当にきれいです!
こんな私ですが、これからもよろしくお願いします♡
B美
そう。
我ながら、私はこの数ヵ月で本当に変わった。
こうして結婚式に来ている間にも式場で出されているビールの銘柄・式場の運営会社など、いろいろなことを無意識にチェックしている。
この前B美と出かけたときに見に行ったブライダルフェスタでは、テーブルコーデを見て影響されて、一人暮らしの家でも少し気を使った器に料理(ま、買った惣菜に変わりはないけど)を盛り付けたり。
私は30歳を目前にしてやっと、社会に、人に、いろいろなことに、興味を持つようになった。
それは、まぎれもなくB美、彼女のおかげだって思ってる。
そうして披露宴も終わり、2次会へ移動するとき、見送りのB美に会った。
今日のB美はお世辞でなく、世界で一番きれいだ。
この“今”は紛れもなく彼女が自分の努力でつかんだ“今”だな、と胸があつくなった。
披露宴会場の出口付近。
感動に浸っていた私はちょっとした段差に気付かず、履きなれないピンヒールとシャンパンのせいでダイナミックにバランスを崩した……と、そのとき、誰かが私の腕を力強くつかんだ。
「大丈夫ですか??」
赤レンジャーが目の前に!!!!!!!
投資を興味を持ち、式場のビールの銘柄や式場の運営会社までチェックするようになったA子。「アラサーOL A子の日常」を読んで、株式投資がちょっと気になった人は、ひふみ投信のファンドマネージャー・藤野さんの「だれでもできる株式投資入門」を読んでみるといいかも。28歳のユリコが、ファンドマネージャーの叔父から株式投資について学ぶ物語形式のシリーズだからサクッと読めそう。