株主優待の疑問、桐谷さんがお答えします!

桐谷さんの株主優待相談所/ 桐谷 広人きんゆう女子。

桐谷さんから株主優待を学んだ「きんゆう女子。」ですが、「もっと知りたい!」と桐谷さんを質問攻めに。「いちばんお気に入りの銘柄は?」「優待株を安く買うコツは?」「優待ノートには何を書くの?」などなど、株主優待にまつわる質問が次から次へと。予定時間を延長して行われた桐谷さんとの質疑応答の様子をお届けします。
第3回「タイプ別おすすめ優待銘柄! その2」を読む

コロワイド系列だけで年8.6万円の優待!

エレガントちゃん:
桐谷さんがいちばんお気に入りの銘柄はどれですか?

桐谷:
いろいろあって難しいですが、重宝しているという意味では コロワイド(7616) ですね。先ほどエレガントちゃんにご紹介した飲食店で使える優待がもらえる銘柄です。ここは今よりも株価が安いときからずっと持っていて、以前はけっこう大きい版型で電車の回数券のような形の優待券だったので、持ち歩くのに不便でした。それがポイント制のカードとなり、非常に使い勝手がよくなったんです。
私はコロワイド500株で4万円、グループ企業の アトム(7412) が1000株で4万円、同じくグループ企業で「かっぱ寿司」を展開する カッパ・クリエイト(7421) も少し持っているので6000円。合計すると年8万6000円分、コロワイド系列のお店で飲み食いできるんです。

エレガントちゃん:
すごい……! 使い切るのが大変そうです。

桐谷:
気をつけないといけないのが有効期限ですね。コロワイドは1年間です。先日、アクセサリーブランドの 4℃ホールディングス(8008) の株主優待券を使うために原宿へ行きました。「そういえば近所にかっぱ寿司があったな」と、ついでに有効期限が迫ったコロワイドの優待を使おうと思ったのですがお店がなくなっていたので、渋谷のかっぱ寿司に向かったらそこもなくなっていました。仕方なく新宿まで足を伸ばして、伊勢丹の隣にある「ラ・パウザ」で夕食にパスタを食べました。

エレガントちゃん:
それで使い切れたのですね?

桐谷さん:
それでも2000ポイントくらい残ってしまったんです。優待が使える系列店はラストオーダーが夜10時というお店が多く大変困りましたが、亀戸に深夜までやっているお店がありましたので、新宿から亀戸まで足を伸ばし、期限直前にすべて使い切ることができました。

優待銘柄はバーゲンを狙って買う

新婚ちゃん:
優待株を安く買うコツはありますか?

桐谷:
スポーツ用品の「スポーツデポ」などを展開する アルペン(3028) という会社があって、100株で半年に1回2000円相当の優待券がもらえます。私はアルペンの優待を使うときには川口のお店へ行くんですが、そこにはアウトレットコーナーがあって、定価1000円のサンダルが100円だったり、定価1999円の下着が199円で買えたりします。今日身につけている下着もアルペンで買ったものです。そういう具合に優待券をアウトレットで使うと価値が何倍にもなります。

新婚ちゃん:
なるほど!

桐谷:
私は閉店間際のスーパーの半額惣菜も大好きで、こればかりは現金で買ってしまうんですが、株も同じで年に1、2回は株価が暴落して安く買えるタイミングがあるんです。2016年でいえばイギリスがEU離脱を選択した日。日経平均は1286円も下げました。あの日、私は26銘柄買っているんですね。

新婚ちゃん:
えぇ~~!

桐谷:
普段から私は「今よりも安い株価になったら買いたい」と安いところに指値の注文をたくさん入れているんですが、暴落した日にはたくさんの銘柄がバーゲンセールのような株価で買えるんです。
トランプ候補が大統領選挙に勝利した日もそうでしたね。私はだいたい朝8時くらいに寝てお昼過ぎに起きるんですが、起きたら20銘柄ほどの指値が成立していました。そういう具合に暴落した日に買うのが私のスタイルのひとつですね。

優待投資を始めたらノートを用意する

お菓子ちゃん:
そういった細かい銘柄の情報を記録するために、桐谷さんは株主優待用のノートをつけているとうかがいました。ノートはどんな風にまとめていますか?

桐谷:
日々の売買の記録と、株主優待の新設や廃止などの情報を書いています。あとは株価と優待の内容を見比べて「この銘柄はよさそうだから、チャンスがあったら買おう」と会社名をメモしておき、あとで参考にすることがあります。書くことで記憶もはっきりするので、ノートは大事ですね。
きんゆう女子。の皆さんも株式投資用のノートを作って、思ったこと、買いたい銘柄、日々の売買を書いておくといいと思います。

ミーハーちゃん:
今日もいろんな株主優待を教えてもらいましたが、「こんな優待があったら買いたいな」という物ってありますか?

桐谷:
最近は会社も知恵を絞っているので、だいたい出尽くしているのではないでしょうか。以前、あるテレビ番組の取材でこんなことを言いました。「銀座のクラブが上場し、タダで飲める優待をつけてくれたら、高くても買いますよ」と。10年以上も前、私が株で大儲けして調子に乗っていたころです。そんなバカなことをいったら直後のリーマンショックで大損しましたね(笑)。

日本でいちばん株主優待銘柄を持っている!?

旅好きちゃん:
QUOカード優待を勧めてくださいましたが、QUOカードがもらえる優待株は何銘柄くらい持っているんですか?

桐谷:
数えたことはないですが、おそらく数百社はあるんじゃないでしょうか。QUOカードが毎年、大量に来ますから。ちなみに株主優待を実施している銘柄はすべてで1400社ほどになると思います。そのうち私が持っているのは800社。講演会などでは「日本でいちばん株主優待銘柄を持っている桐谷さんです」と紹介されることが多いので、売りづらくなってしまいましたね。

旅好きちゃん:
それだけあると管理するのも大変そうですが、どうやって管理しているんですか?

桐谷:
管理はしていませんね。6月下旬に優待品が大量に届くのですが、いつも管理しきれません。今も部屋には50箱ほど未開封のダンボールが積み上げられたままです。
ただ、原稿を書いたり、こうやって皆さんに株主優待のことを話すには自分で使ってみないとわかりませんから、早く開けないといけないですね。たとえば、ある会社の優待でもらった育毛剤があるんですが、いくら私の頭に振っても効果がなかったとかね(笑)。

優待投資は農業

アクティブちゃん:
いろいろな投資の方法があると思うのですが、株主優待はどんな投資ですか?

桐谷:
私が株を始めてから30年以上経ちました。その結果として、優待銘柄への分散投資がいちばんいいと実感しています。人類が農業を始めたのは1万年前と言われていて、それまでは狩りをして暮らしていました。ところが狩りは失敗することも多いので暮らしが安定しなかったわけです。そんな人類が農業を覚え、食料を安定して確保できるようになって、文明が発達していったんですね。株を始めた当初は値上がりばかりを狙う、狩りのような投資をしていまして、それで一時は1億円ほど儲かりました。

アクティブちゃん:
すごいですね!

桐谷:
バブル経済の時代でしたからね。しかし、バブルがはじけると1億円くらい損をして元の木阿弥。眠れない日々が続きました。
優待投資を人類の歴史に例えれば、農業です。安定した収益を狙うには、ぜひ優待銘柄への分散投資という種をまいてみましょう。大儲けはできないかもしれないですが、安定的に収穫が得られます。きっと優待で人生が楽しくなりますから。

今回のテーマで取り上げた上場企業

コロワイド
アトム
カッパ・クリエイト
4℃ホールディングス
アルペン

~株主優待を受け取るには?~
各企業が定めている「権利確定日」に株主として株主名簿に記載されている必要があります。そのためには、権利確定日から数えて4営業日前までに株式を購入しなければなりません。権利確定日は企業によって月や回数が異なりますが、3月末や9月末日の年1回(または年2回)の企業が大半です。多くの企業は月末ですが、3月20日、9月20日など、月中の場合もあります。
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