1年で億り人になる

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

現物投資ならたった1年で億り人になれるーー! ここまで包み隠さないFIRE体験がかつてあったかどうか。実践すべきかどうかはさておき、真のお金持ちマインドに触れられる一冊です。

資産構築はダラダラやるな!? ケタ外れのお金持ちルール

よくある投資本かな? と油断していたら、その展開に衝撃を隠せない読後感。著者は、婚活で富裕層ならではのノウハウを知り、資産構築に成功します。「まず稼ぐという貧者の発想を捨てるべし」で始まる第1章から膝を正したい気分になります。

いわく、どんな投資も現物投資にはかなわないそうです。理想的な現物投資とは「築古不動産の一棟買い」であったり「粗大ゴミの輸出」であったり「億単位の高級腕時計」のこと。敷居の高さを感じるものの、FXや仮想通貨のように「暴落して0円」になるような元本割れリスクはむしろ低い。「安く買って高く売る」というシンプルな事業構造こそが一番稼ぎやすい、とのこと。逆に言えば、複雑すぎて人に説明できないような投資話は詐欺であると語ります。

各々の方法論は具体的です。不動産は業者から案内されるものではなく自分の足で探すこと。狙うのは築古。価値がないんじゃ? と思いきや「法定耐用年数を超えた築古物件は数年で原価償却できる」と常識の裏をかく。一棟買いも鉄則です。部屋数が多いほど空室率の割合は低くなる、要はリスクヘッジになるからです。

「元本がないよ」と言いたくなる読者に向けて「会社員でも資産ゼロでもまず法人を作る。借入はあなたが思うほど難しくない」とも。「大きくきく借りて一気に稼ぐ、資産構築はダラダラやるものではない」のフレーズは刺さるものがありました。億り人にとって「借金=悪」ではなく、バランスシート的に見れば「負債が増えれば資産も増える」という感覚なのです。

これだけの覚悟があれば、その爆発力は絶大でしょう。一般人でも「1年で億り人」に到達できそうです。本書で語られるのは「なんちゃってお金持ち」ではなく「真の意味でのお金持ち」です。万人に真似はできまい、けれど、マインドブロックを外し新たな投資の扉を開けてくれるーーそんな可能性に満ちた本です。