あなたは今の自分に満足していますか? 自分を変えたいなら、「投資」をしてみると良いかもしれません――。この連載では、スゴ腕投資家さんにインタビューして、「投資をして人生がどう変わったか」を教えていただきます。
今回登場してくれるのは、優待投資家・桐谷広人さんです。元気に自転車を漕ぐ姿が印象的ですが、なんと「投資を始めていなかったら、『貧乏であるほど幸せだ』と思いながら、毎日カップラーメン生活をして、すでに早死にしていたかもしれない」のだそう……!
桐谷さんの人生は、投資と出合いどのように変わったのでしょうか? 毎日をもっと楽しく元気に生きたいと感じている人は必見です。
「人は貧乏であるほど幸せだ」
私の父親は変わった人でしたね。「人は貧乏であるほど幸せだ」なんて言うんですよ。
春になると毎朝、父は山へ登るんです。旬を迎えるわらびを収穫するためです。1日10キロも採ってきますから、うちだけではとても食べきれません。近所の人に配るだけでなく、県外の友人にも宅配便で送りつけていました。わらびを売ればお金になるのでしょうが、父はお金儲けを考えない人でしたね。
紙箱の製造をやめたときもそうでした。箱を作る機械が不要になりますから取引先へ譲ったんですね。先方は代金を支払うと言っていたそうですが、父は「タダでええけん!」と無償で譲ったそうです。
周囲に親切にすれば回り回って自分に返ってくると思っていたのでしょう。私も自分で使い切れない優待券などは無償で身内や友人に送ってしまいます。そんなところは父親譲りなのかもしれませんね。
そんな父の倹約家な気質は、最期まで変わりませんでした。父が亡くなる直前のこと、ティッシュで鼻をかむと、そのティッシュをポケットに入れるんです。乾いたらもう一度使おうというつもりなんですね。それも一度ではなく二度ですよ。最期まで変わった父親でした。