【ワンキャリア/解説編】進化する採用DX!

御社の決算、教えてください!/ 妄想する決算

音声プラットフォームVoicyの決算10分解説で人気の「妄想する決算」さん。毎日決算書を読んできた鋭い視点で気になる企業と対談します。今回の訪問は、採用マーケット最大級のクチコミサイト「ONE CAREER」を運営する等、IT×人事採用領域で複数サービスを展開しているワンキャリアです。決算がまるっとわかる動画をチェックしましょう!

まずはワンキャリアの決算をチェック!

私は妄想する決算という名前で普段はnoteや音声配信のVoicyなどで決算についての情報を発信しています。今回は株式会社ワンキャリアさんについて取締役副社長の長澤有紘(ありひろ)さんにお聞きします。

ワンキャリアさんは、就活サイトの「ONE CAREER(ワンキャリア)」を運営しています。ワンキャリアは新卒の就職だけではなく、転職等のキャリア全体のデータを活用し、就職・採用の意思決定をサポートするサービスを展開しています。

「ONE CAREER」の特徴は、就活者が面接で聞かれた質問内容や選考方法を投稿したクチコミ情報などを基にして算出された各企業のレーティング(評価、格付け、見積もり等を意味する)を掲載している点です。これまでの就活サイトは、企業から発信される情報の掲載が中心でした。しかし、それでは企業側の伝えたいメッセージばかりになってしまうため、就活者と企業のミスマッチが多く発生していました。

最近では、転職することも一般的になってきましたが、人生において重要な最初の就職が運任せの要素が高いものになってしまっていたことは、大きな問題でした。ワンキャリアはクチコミデータを含めた採用情報をまとめることによって、就活者と企業のミスマッチが少ない就職を支えるサービスになっています。

ワンキャリア決算資料より

就活者からのクチコミ情報などが多いことから、企業の情報収集、選考対策ツールとして利用されています。2021年卒業以降の就活生が1年を通じて最も利用した就職サイトとしては、マイナビに次ぐ2位となっています。

ワンキャリア決算資料より

2022年12月時点の求職者会員数は30.8%増の127万人と順調に増加しています。

ワンキャリア決算資料より

2023年度入社予定者の63.4%がサービスを利用しています。2018年入社では利用率が6.7%でしたから、ここ数年間で大きく利用者が増えているサービスであることが確認できます。

ワンキャリア決算資料より

「ONE CAREER」を多くの求職者が利用していることから、「ONE CAREER」のデータを活かした採用支援ツール「ONE CAREER CLOUD」というサービスも展開しています。ONE CAREER CLOUDの特徴は、掲載企業と競合企業、さらに学生の情報をワンストップで分析できるようになっている点です。同サービスはこれまで難しかった採用領域での3C分析を可能にしました。

3C分析:「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの要素から分析を行い、自社の優位性を構築するために必要な市場環境を把握する際に役立つフレームワーク

また掲載企業にとっては、採用業務のDX化を推進できるサービスであることが、ワンキャリアの大きな強みになっています。

ワンキャリアの収益構造は案件やクラウドの利用によって企業側から収益を得るビジネスモデルです。また、その他にもアライアンスパートナー(提携相手、提携先)への求職者の送客によって収益を得るBtoB型(企業間の取引型)のビジネスモデルがあります。

ワンキャリア決算短信より

次に、業績について確認したいと思います。2022年12月の通期の売上高は45.5%増の28.4億円、営業利益は46.6%増の6.2億円、経常利益は58.1%増の6.2億円、純利益は66%増の4.4億円と大きな成長が続いています(動画では、決算短信の数値を切り上げてコメントしています)。

ワンキャリア決算資料より

2018年から2022年で平均売上高成長率が45.2%となっていて、毎期高い成長を達成しています。

ワンキャリア決算資料より

利益の推移を見ると、2022年の10月から12月の3ヵ月間は減益となっています。同社はこの要因について、広告費を増やしたことによるものと説明しています。これまでは求職者側を増やす目的の広告が中心でしたが、タクシー広告や展示会の広告などを通じて、新規利用企業の獲得を進めています。

また、広告費と共に増加しているのが人件費です。2023年は前年同月比で60%増える見通しとなっています。また、膨大なキャリアデータを扱う中で、利用企業側にもデータ分析できる人材が必要となります。そのため、サービス利用企業が増える中で、カスタマーサポートの拡充も必要で、2023年は人件費を前年比で60%増加させることを計画しています。こうしたことから、利用企業の獲得のための積極投資(広告費・人件費)と収益性についてもお伺いしたいなと思っています。

妄想する決算 ここが気になるワンキャリア!
・進化する採用DX ワンキャリア
①就職サイト「ONE CAREER」は就活者が面接の質問内容、選考に関するクチコミ情報等が投稿可能
②2023年度入社予定者の63.4%がサービスを利用。1年間でもっとも利用した就職サイトではマイナビに次ぐ2位
③「ONE CAREER CLOUD」の特徴は、競合と掲載企業と学生の情報をワンストップで分析することで、採用業務のDX化を推進できるサービスであること
・2018年から2022年で平均売上高成長率が45.2%と高成長を継続
①2022年12月の通期の売上高は45.5%増の28.4億円と高い成長率を達成
②来期(2023年)は広告費や人件費を大幅に増加させ、掲載企業の獲得のために積極投資を図る
・対談で聞きたいこと
①新卒・転職市場における足元の変化と今後の見通しについて
②「ONE CAREER」の掲載企業数を増やすための施策

この後、妄想する決算氏がワンキャリアの長澤副社長へ突撃インタビュー!

就職活動の新常識! クチコミで仕事選択を変えるワンキャリア。新卒・転職市場の変化と進化する採用DXについて徹底取材!

~続きは動画(6:08-)をご覧ください~

長澤有紘さんプロフィール
取締役副社長
京都大学大学院農学研究科卒業。2011年にIT系ベンチャー企業に入社。WEBマーケティング業務、セールス業務に従事した後、2014年に株式会社トライフに入社。2015年よりワンキャリアの取締役COOとして、マーケティング、開発、営業の各部門の事業責任者を歴任した後に、2019年に管理部門管掌取締役に就任。2020年に取締役副社長に就任。
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次回は4/17(月)配信予定です。