無理なく貯めて賢く増やす パックン式 お金の育て方

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

タレントによるマネー本とあなどるなかれ。節約から保険の話、お金の稼ぎ方からインデックス投資まであって、類書の1.5倍くらいの大ボリューム。ある意味、「お金まわり全部盛り」のような一冊です。

パックン自身が実践! お金に困らない人生の育て方

パックンは無駄遣いしそうになると、すかさず「老後計算機」にかけるのだそうです。今使おうとしている数百円が、複利や金利で「50年後には32倍の金額になっている!」なんてこともある。将来にタイムスリップしてお金の価値を考える、日々の家計を一変させそうな習慣です。「細かいのはムリ!」と思った向きには、著者が「家計簿はつけない派」であることも付け加えましょう。ズボラ者としては親近感がわきますね。

幼いころ生活保護に頼ることがありながらもハーバード大に入学を果たした経験の持ち主であるパックン。マネーライフは10代からひと波乱あった模様です。投資歴25年というパックンの「自分の体験、学んできたお金の全てを伝えたい!」という想いが、本書の行間からもビシビシ伝わってきます。扱う分野が広い分、深堀り向きの本ではありませんが、「なるほどトピック」が目白押しなのでマネー初心者にはむしろ嬉しいかも。

たとえば、「住宅ローンは金利が低く良い借金。繰り上げ返済するなら、年利の高い投資にあてた方がいい」とか。「ハイリスクな債券に投資するなら株式投資した方がまだ安全」とか。「積立投資はすばらしい。でも、まとまった資金があるなら一括投資した方が金利や複利のチャンスを逃さない」とか。柔らかいモノ言いでズバッと核心をついてくれます。

読んでいて気持ちがいいのは、書かれていることすべてが実践から来るものだからでしょうか。お金持ちになるためというより「お金のことを考えないですむ人生を送りたい」という人に特におすすめです。人柄にほっこりするという読後感のオマケもあり。