第6回 ふるさと納税のおトクさを、改めて検証したい

38歳から作る、老後資産3000万円/ 日興フロッギー編集部五月女ケイ子

こんにちは! フロッギー編集部のウミヤマです。老後に葉山の老人ホームで暮らすため、60歳までに資産運用で3000万円をつくることにチャレンジ中の、アラフォー編集部員です。

気付けば、今年もあと1ヵ月半で終わろうとしています。早い。早すぎる。やばいですね……。
年末が近づいてくるにつれて確認したいことの一つが、ふるさと納税です。今年は結構申し込んだんですが、おトクに申し込める上限を超えていないか気になります。

でも、この連載を始めて節税に詳しくなり、ふるさと納税って本当におトクなのかな? と気になってきました。今までは「みんながやってるから、きっとおトクなんだろう」という、ざっくりした理解でやってきたけど、それって本当なのでしょうか……? そんな訳で、今回は「ふるさと納税が本当におトクなのか」を改めて検証していきます。

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そもそも、ふるさと納税って何だっけ?

そもそもふるさと納税って、どういう制度なんでしたっけ……? 今さらながら気になったので、フロッギーで「ふるさと納税」で検索したところ、いまさら人に聞けない!「ふるさと納税」のいろはという記事を発見しました。

この記事によると、ふるさと納税とは、「生まれ故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度」で、寄付をしたお礼として、「返礼品」を受け取れます

食いしん坊な私は、食べたいものを送ってくれる自治体に寄付しています。例えば、2年連続で申し込んだのは、北海道のお菓子メーカー「六花亭」のお菓子詰め合わせです。色々なお菓子が少しずつ入っているので、飽きることなく最後まで楽しめます。最近では、楽天ふるさと納税で「博多若杉」のもつ鍋セットを申し込み、とても美味しかったです。

博多若杉のもつ鍋は美味しい

ふるさと納税しても、税金は安くならない?

さきほどのいまさら人に聞けない!「ふるさと納税」のいろはによると、「控除上限額内で寄付を行った場合、合計寄付額の2000円を超える部分については所得税の還付、住民税の控除の対象になる」と書いてあります。こうやって書いてあると税金が安くなるようなイメージなんですが、ふるさと納税に申し込む時って、自分でお金を出してますよね? だから、なんだか違和感があるんですよね……。

もっと分かりやすく教えてくれる記事ってないのかな? と思い、フロッギーのふるさと納税の記事を探してみたら、年収500万以上の会社員向け! 節税ベスト5という記事を発見。この記事を読むと、ふるさと納税しても納税する金額は変わらないけれど、「もらった返礼品の総額-自己負担2000円」の分だけトクするということが分かりました!

どういうこと? と思う方もいると思うので、もう少し分かりやすくお伝えします。

図表で解説! ふるさと納税の仕組み

年収500万以上の会社員向け! 節税ベスト5によると、ふるさと納税とは住民税の一部を別の市区町村に納税する制度です。例えば、住民税を年間40万円支払っている人が、10万円を別の市区町村にふるさと納税したと仮定します。

市区町村もしくは税務署は、その人の住んでいる自治体に、「ここへ10万円納めましたよ」という連絡をします。すると、「そちらで10万円払っているなら、来年住民税を10万円減らせます」と、翌年、普段住んでいる自治体の住民税が40万円から30万円に減らされます。

一方で、ふるさと納税を受けた自治体は、本来入ってくるはずのないお金が入ったお礼として、返礼品を贈ります。その結果、納める税金の額は40万円(住民税30万円+ふるさと納税10万円)で変わらないので、「もらった返礼品の総額ー自己負担2000円」の分だけトクするということになります。総務省のふるさと納税ポータルサイトによると、返礼品は3割以下という指定があるので、10万円寄付したとしたら、10万円の3割で最大3万円が返礼品分と計算できます。つまり、3万円相当の返礼品をもらった人は3万円ー2000円=2万8000円分トクする、ということになりますね。

返礼品を沢山もらうほどおトクなので、できるだけ活用した方がいいですね! この記事を読んで、ようやく理解できました。

税金が控除されているか、検証スタート

せっかくなので、実際に税金が引かれているのか、確認してみようと思います。

昨年行ったふるさと納税は、下記の2つ、合計2万2000円です。昨年は忙しかったので、あまり利用できていませんでした(今思えば、もったいなかった……!)。

・六花亭のお菓子詰め合わせ 1万2000円
・鉄板焼きハンバーグ(20個入り) 1万円

通常、寄付する自治体が5つ以下なら、寄付した自治体へ書類を送る「ワンストップ特例制度」を利用すれば、確定申告が不要です。私の場合は副収入があったために確定申告が必要となり、昨年分は確定申告をしていました。税務署からその後特に連絡が来なかったので、ちゃんと手続きできていると思っていましたが、改めて確認してみようと思います。

確定申告でうっかりミス! 私の失敗談

総務省のふるさと納税ポータルサイトによると、ワンストップ特例制度で申請した人は所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年度の住民税の減額という形で控除されます。一方、確定申告をした人は、ふるさと納税を行った年の所得税から控除(還付)され、それに加えて翌年度分の住民税から減額される形で控除されます。

カエル先生の一言

ふるさと納税ワンストップ特例制度の対象ではない方(6つ以上の自治体に寄付した方、新たに住宅ローン控除を受ける方や医療費控除を受ける方、年間2000万円以上の給与収入がある方など)、ワンストップ特例を申請しない方は、控除を受けるために確定申告を行う必要があります。

ということは、私の場合は、昨年の所得税から控除され、ふるさと納税を行った翌年度分(今年)の住民税が減額されているはずです。まずは住民税の控除がされているか確認してみます。

住民税の減額については、勤務先の会社でもらった「住民税決定通知書(給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定通知書)」で確認できるのでは? と思い、住民税決定通知書を見たところ、(摘要)欄に「寄付金税額控除」が書いてありました!

勤務先の会社から配布された住民税決定通知書

総務省のふるさと納税ポータルサイトをもとに計算してみると、住民税で引かれるのは1万6000円程度になるはずです。しかし、寄付金税額控除に書いてある金額を足してみても、1700円弱足りません。誤差にしては大きいな……と思って市役所に確認したところ、確定申告の時に2万2000円と書くべきところを2万円と書いてしまっていたことが判明しました……! 2000円少なく書いてしまうという残念なミスです。市役所の人が申請し直すための書類を送ってくれましたが、面倒なので、確定申告する人は注意してくださいね。

今回の記事を書くために確認しなかったらミスにも気付けなかったので、住民税決定通知書で控除額を確認することも大事だなあと思ったのでした。

ワンストップ特例制度を利用した場合の、住民税控除の確認方法

確定申告をせず、ワンストップ特例制度を利用する人は、どこで確認すればよいのでしょうか。
住民税決定通知書だけで良さそうな気がするな、と思ってフロッギーで「住民税通知書」と検索したところ、ドンピシャな記事を発見しました。

「住民税決定通知書」の見方という記事によると、ワンストップ特例制度を利用した場合、住民税決定通知書で市民税・県民税の合計金額が「寄付金額ー2000円」になっていれば、正しく処理されているようです!

※寄付金額の上限額以下の場合

ちなみに住民税決定通知書が届くタイミングは、5月から6月とのことです。

確認できなかった所得税の控除

続いて「所得税の控除(還付)」について確認してみます。先ほどの総務省のふるさと納税ポータルサイトによると、確定申告をすると、ふるさと納税を行った年の所得税から控除または還付されるはずです。でも、私は還付された記憶もないし、税務署から連絡も来てないんですよね……。

そこで、税務署のHPを見て電話で問い合わせてみました。すると、私の場合は副収入の確定申告をしたので、所得税を追加で支払う必要がありました。ふるさと納税による所得税の控除分は、追加で支払った所得税から引かれているだろう、ということでした。残念ながら、厳密にいくら控除されたか確認できませんでしたが、正しく申告できていれば、今回の場合は4000円程度が所得税から控除されるはずです。

カエル先生の一言

ふるさと納税における所得税の控除/還付額は、(ふるさと納税の寄付金額ー2000円)×「所得税の税率」です。今回の場合は、2万(2万2000円ー2000円)×所得税の税率20%(ウミヤマの場合)=4000円程度になります。
※令和19年までは、復興特別所得税をあわせて所得税率×1.021されたものが実際の所得税率です。

確定申告して所得税が還付されるケース

ちなみに、私のように副業をしていなくて収入源が給与所得のみの会社員の場合は、所得税については年末調整で完結し、追加で納める税金はないはずです。その場合は、ふるさと納税で確定申告をすると、控除されるのではなく、還付されるのが一般的なのかなと思います。ふるさと納税の各種サイトを調べてみると、所得税が還付される場合は、確定申告後のおよそ1~2ヵ月後となる4~5月に還付されるようですね。

ふるさと納税でポイントを貯めよう

話は変わりますが、せっかくふるさと納税をするなら、ポイントをたくさん貯めたほうが良いですよね。私は楽天ユーザーなので、ふるさと納税も楽天で行っています。楽天お買い物マラソンなどでまとめ買いをする人は、その際にふるさと納税もまとめて申し込むと、ポイント還元率が良くなりますね!

また、フロッギーといえばdポイント! dポイント決済できるところで申し込むのも良さそうです。第1手 カニと和牛で、200ptの記事によると、ふるさとチョイスは、毎週金・土曜日に決済すると最大4.5%もらえる「d曜日」(要エントリー)というキャンペーンの対象加盟店になっているようです。

dポイント決済でふるさと納税に申し込みしつつ、効率的にポイントも貯められたら、とってもいいですね! ポイ活を頑張ってやるのは性格的に合わないけれど、無理のない範囲で活用していきたいなと思います。ポイ活の達人レベルになると、さらに貯めたポイントで投資をして、株主優待までゲットしている人もいるそうです……! おトクの世界は奥深いです。

まとめ
・ふるさと納税しても、納税額が減るわけではない
・トクするのは「返礼品の総額ー自己負担2000円」の分だけ
・税金が控除されているか確認するまでがふるさと納税
・ふるさと納税でゲットできる「博多若杉」のもつ鍋は美味しい
・ふるさと納税しつつ、効率よくポイントも貯めよう
次回は12/16(金)配信予定です。