アウトドアグッズが好調 「スポーツ用品」関連株が上昇

直近の値動きから見るテーマ株/ QUICK

株式市場で「スポーツ用品」関連株が買われています。QUICKが選定する関連銘柄の平均上昇率は4.5%と、利益確定の売りなどで下落した東証株価指数(TOPIX、0.5%安)に対して逆行高となりました(11月18日までの5営業日の騰落)。株価が上昇した5銘柄とその背景について解説します!

アシックスが業績予想を上方修正

スポーツ用品関連株が買われるきっかけになったのは、企業の業績見通しの上方修正でした。アシックスが11月11日に発表した2022年12月期の連結業績見通しは、売上高は前期比19%増の4800億円、営業利益は55%増の340億円と従来予想からそれぞれ200億円、70億円引き上げられました。 

新型コロナ感染拡大防止のための行動規制は、一部を除き世界的にほぼ解消されています。そのなか、「密」を避けるアクティビティとして、ランニングやキャンプなどアウトドアスポーツの人気が高まっています。行動規制の緩和による外出機会の増加が、スポーツ用品関連銘柄の業績を押し上げ。また、サッカーの第22回ワールドカップ(W杯)カタール大会が20日に開幕したこともあり、スポーツ用品関連銘柄への関心が高まっています。

ランニングブームでシューズ好調【アシックス】

上昇率首位の「 アシックス 」は、世界的なランニングブームの広がりで、主力のランニングシューズが東南・南アジア、中華圏やオセアニアで伸びています。また、年間230万人のランニングレース登録者を獲得しているアールビーズをグループ会社化。加えて、オンラインのメンバーシッププログラムであるOneASICSの会員数を、9月末時点の670万人から1000万人まで増加させることを計画するなどデジタル・サービスも積極化しています。 

ノース・フェイス人気広がる【ゴールドウイン】

上昇率2位の「 ゴールドウイン 」は、行動規制の緩和によってキャンプや旅行などの外出需要が増えたことを背景に、登山・ランニング用の主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」が伸びています。ノースフェイスの人気を武器に、年末年始に向けインバウンド(訪日外国人客)需要の取り込みを進める方針です。好調な需要を背景に、2022年4〜9月期の連結売上高は4〜9月期として過去最高を更新しています。

年末年始もスポーツイベントが目白押し

そのほか、「デサント」「アリーナ」などのアスレッチクブランドや、「ランバン スポール」などのゴルフブランドが好調な「 デサント 」、話題性の高いキャンプ用品やゴルフウエア、ランニングシューズなど新カテゴリーの商品開発を進めている「 ワークマン 」、スポーツ用品店「ヒマラヤスポーツ」やECサイトを運営している「 ヒマラヤ 」も買われています。 

サッカーW杯の後も、全国高校ラグビー大会、全国高校サッカー選手権大会、箱根駅伝など、年末年始にかけて、スポーツイベントが目白押しです。新型コロナの感染が再び拡大し第8波に入ったとの見方も広がり、密を避けられるアウトドアスポーツの需要拡大は今後も続きそうです。一方、好調な業績を受けて株価が大きく上昇した銘柄もあり、利益確定の売りが出やすいことも念頭に置く必要はありそうです。