全世界株式型のインデックスファンドを1本買うだけ! ロングセラー「ほったらかし投資の本」が全面改訂版で帰ってきました。年代問わず「誰でも同じ方法でOK」というシンプルさは、初心者にも忙しい人にも。
ほったらかし投資でFIREは可能? インデックス投資の肝がここに
著者いわく、投資と上手く付き合えない人の3パターンは、①始めることが億劫な人②投資を続ける胆力がない人③複雑にしすぎる人、動きすぎる人――なのだそうです。本書には「億劫さをどう解消するか?」のアドバイスまであります。また、すぐに売り買いしてしまう傾向のある人へ送られる「投資は資金の活用であって勝ち・負けではない」「マーケットに居続ける以外、上昇を手にする方法はない」などのフレーズは身につまされるものがあります。
何しろスルーされがちな疑問も取り上げていく本書。「低成長株に投資してもリターンは期待できるか?」「ほったらかし投資でFIREできるか?」etc(※参考までに、これらの答えはほぼYESです)。投資初心者にとって難しいのは「許容できる損失の範囲をどう決めるか?」ですが、老後の生活費に置き換えて解説するのもわかりやすい。損失なんて許容できないよと言いたい読者にも寄り添いつつ、一年後のリスク&リターンの具体的な数字を挙げるなど、投資をスタートした後が想像しやすい構成になっています。
このほか、「これぞ!」というおすすめファンド(世界株やS&P500、先進国株などの点数表も)や実行マニュアル、さらにインデックスファンドを日本に広めた運用会社であるバンガード社の元マネージャーとの鼎談もあり。新書3冊分くらいある読みごたえで、入門から中級レベルの知識を会得できそうです。
なお、著者のひとりである水瀬ケンイチ氏は「ほったらかし投資」を20年続け(その間、損することも儲かることもあったそうですが)1億もの資産を築いています。投資に慣れた人にとってインデックス投資は「常識的でつまらない」ものですが、「つまらないゆえ、安定している」もこれまた至言でしょう。