マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回は、10月以降本格化する第2四半期決算で上方修正が期待される銘柄について解説します!
9月の日本株は、世界的に金融引き締めが加速し景気後退に繋がるリスクが一段と意識されたことで、中旬以降は軟調な展開(下落傾向)が続きました。10月も調整色が強く、短期的に株価が上下する展開が予想されるなか、業績面で安心感のある銘柄に注目が集まりそうです。
大幅利上げの継続で日経平均も反落
9月30日の日経平均株価は2万5937円となり、前月末比2154円安でした。
13日に発表された米国の8月分CPI(消費者物価指数)は事前予想を上回り、高いインフレ率が継続していることが確認されました。これを受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)による大幅な金融引き締め策が必要であるとの見方が広がりました。
一方、日本は金融緩和策が継続されていることから、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが進み、14日にはドル円が144円台に突入、同日の日経平均も796円安の大幅下落となりました。9月前半にかけて株式市場ではやや楽観的な見方が台頭していた分、CPIの結果は大きなショックとなったようです。
24年ぶりの円買い介入は不発?
そして、21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では0.75%の利上げが決定され、再び円売り・ドル買いが加速しました。22日には24年ぶりに政府・日銀がドル売り・円買い介入を実施し、一時140円台をつけたものの、その後は144円台に持ち直すなど、影響は限定的なものとなりました。
そもそも、ドル売り介入の原資となる外貨準備は米国債などが大半で、すぐに介入に使える預金はわずかとなっています。米国債の売却は協調介入(相場の急激な変動を抑えるため、足並みをそろえて為替介入を行うこと)の観点からハードルが高く、また預金は有事の備えとして残しておく必要があります。単独の為替介入でドル高円安のトレンドを変えることは、難しい状況と言えそうです。
第2四半期決算での上方修正に期待
円安トレンドが続く環境下ですが、企業の想定為替レートは足元でも125円/ドル程度に留まっています。例年、中間決算発表では通期会社計画の修正が相次ぎます。今年は特に想定為替の見直しによる利益の上ブレなどから、輸出企業を中心に多くの企業で上方修正が期待できそうです。
また、米国の金融引き締め政策などによる景気減速懸念が続く局面では、とりわけ業績面で安心感のある銘柄が注目されそうです。
そこで今回は、第1四半期決算発表時点での進捗率などから、業績上方修正に期待がもてそうな銘柄をいくつかご紹介します。着実に業績を積み上げている企業に注目してみても良いかもしれませんね。