ソニー×ホンダ、EVで提携

ニュースの裏事情/ 日本証券新聞

テレビや新聞で取り上げられたニュースの裏側を解説する本連載「ニュースの裏事情」。今回は、EV(電気自動車)市場における新たな提携の裏側についてご紹介します。

2025年に初期モデル販売へ

EV(電気自動車)市場に新たなプレーヤーが誕生し、注目を集めています。

ソニーグループ 」と「 ホンダ 」が3月4日、モビリティ分野の戦略提携に合意したと発表しました。EV車両の企画・設計・開発・販売などを行う合弁会社(新会社)を2022年中に設立し、初期モデルを2025年に販売する予定です。

EV市場は、今後10年で800兆円規模に拡大すると言われ、近年、米アップルや中国アリババなど異業種の参入が相次いでいます。ソニーも「VISION-S」プロジェクトとして2020年1月にモビリティ分野に進出、同年に試作車をお披露目しました。さらに今年1月初旬に米ラスベガスで開催された世界最大級のハイテク技術見本市(CES 2022)では、SUV型の最新EVの試作車「VISION-S 02」を公開し話題となりました。

両社の戦略は新たなステージ入り

ソニーのEV戦略は、自社からセンサー技術や音楽と映像のエンタメ機能などを提供し、車台はEMS(電子機器の受託製造)企業に任せるファブレス体制を取っています。今回の初期モデルについても製造はホンダの車両製造工場が担い、ソニーはモビリティ向けサービスプラットフォームを開発する見込みです。

ホンダのEV戦略もこれで大きく動き出すことになりそうです。昨年は既存自動車メーカーのEV戦略が相次いだ1年でしたが、この中でいち早く“脱エンジン”を表明したのはホンダでした。同社は2040年までに新車販売のすべてをEVかFCV(燃料電池車)とする目標を掲げています。具体的には、北米と中国の2大市場で2030年までに新車販売の40%をEVかFCVとし、2035年にはその比率を80%まで引き上げるとのこと。

まずはEV本格展開に向け、中国初のHondaブランドEVとして「e:N」シリーズを今春に投入します。中国では今後5年間で10車種を発売し、輸出も視野に展開する予定。EV工場を建設し、2024年の稼働開始を目指すとしています。

これから両社が開発する新型車に注目が集まりそうですね。

(出典:日本証券新聞)