水ビジネスは100兆円規模へ 活躍が期待される日本企業

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

世界の水に対する需要は増加し、水ビジネスの市場規模は拡大が見込まれます。日本には“水ビジネス”で世界に誇る技術を持つ企業が多数存在します。そこで今回は水ビジネスで成長が期待される企業をご紹介します。

拡大を続ける水ビジネス市場

世界的な人口増加や長期的な経済発展を背景に、世界の水需要は2050年には2000年比で約55%増えると見込まれています(OECD(経済協力開発機構)調べ)。

一方、異常気象などにより降雨量が変化し、利用できる水の量に影響が出ているとも言われています。国連は、対策を打たなければ、2030年には水資源量は必要量に対して40%程度不足すると見ています。

また、国連が掲げている「SDGs」(持続可能でよりよい世界を目指す開発目標)では、“安全な水を世界中に”を目標の一つとして掲げています。

水不足への対策は世界的に大きな課題です。調査会社の推計によると、世界の水ビジネスの市場規模は、2019年の71.9兆円から、2025年に84.4兆円、2030年には117.3兆円へと拡大することが予想されています。

株式市場でも、水ビジネスへの投資家の関心は高いようです。水ビジネスを営む世界の50社から構成された株価指数「S&P Global Water Index」は右肩上がり基調で推移しています。

日本企業は水ビジネスで高い技術力

水ビジネスは、上水、下水、産業用水・その他、海水淡水化に大きく分けられます。日本には各分野で世界トップレベルの技術を持つ企業が数多くあります。

例えば、海水の淡水化に使用される逆浸透膜は「 東レ 」「 日東電工 」が強みを持っており、ポンプは「 クボタ 」や「 荏原製作所 」などが高い評価を得ています。また、産業用水では、半導体生産に欠かせない不純物を含まない超純水を供給する装置を製造する「 野村マイクロ・サイエンス 」や「 オルガノ 」「 栗田工業 」などが挙げられます。

水ビジネスにおいて、日本企業の活躍が今後も期待されます。水ビジネス関連銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。