東証再編で「プライムじゃない銘柄」に着目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

東京証券取引所が1月11日に、企業が上場する際の新たな市場区分を公表しました。今回は、この市場の再編を投資の手掛かりに注目される企業をご紹介します。

新たな3つの市場区分が発表

新たな市場区分では、4月4日(月)から、これまでの4つの市場(市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQ)から3つの市場(プライム、スタンダード、グロース)に再編されます。

TOPIXの構成銘柄の基準も見直し

市場の再編に伴い、TOPIXの組み入れ基準も変更となります。

現在のTOPIXは、東証一部の全上場銘柄から構成される指数ですが、市場再編後は所属市場とTOPIX構成銘柄とは一致しなくなります。

具体的には、2022年4月1日(金)時点のTOPIX構成銘柄は、上場している市場がプライムでなくとも全て継続採用となります。ただし、流通している株式時価総額が100億円に満たない企業は段階的に組み入れが減らされ、2025年1月最終営業日に完全に除外されることとなります。

カエル先生の一言

TOPIX(東証株価指数)とは、東京証券取引所第一部上場全銘柄を対象として、各銘柄の時価総額(浮動株数ベース)を合計して計算・公表されている株価指数です。国内株式で運用される投資信託のベンチマークとして使われる代表的な指数です。

一方、現在TOPIXの構成銘柄でない、つまり東証一部市場に上場していない企業のうち、プライム市場に上場した企業は新たにTOPIXに組み入れられることとなります。

プライム上場でTOPIXに新規追加される銘柄には買い需要が期待!

今回の公表では、東証一部市場に上場していない企業で、プライム市場へ上場する企業はありませんでした。今後、プライム市場への上場が認められた企業は、上場翌月の最終営業日に新規にTOPIXに組み入れられることとなります。

TOPIXに連動するインデックスファンドは組み入れの前営業日の引けでリバランス(銘柄の入れ替え)を行う必要があるため、その際には一定の買い需要が見込まれます。

一方、現時点で東証一部市場以外に上場している企業のうち、プライム市場への「上場審査基準」を満たしていると考えられていた企業であっても、企業側がプライム以外の市場を選択したケースも散見されました。

ひとまず上場審査を経ずとも移行できる市場を選択し、上場へ向けた準備が整い次第、改めてプライムへの上場審査を受けようとしている可能性が考えられます。

こうした銘柄は今後もプライム上場の可能性が意識され、TOPIX追加への期待が継続することもありそうです。東証の再編を手掛かりに注目される銘柄を探してみてはいかがでしょうか。

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