億り人が選ぶ「2022年の注目銘柄」~成長株編

リアル投資家列伝・ 億り人アンケート「2022年の注目銘柄」/ 愛鷹すぽDAIBOUCHOUwww9945とりでみなみはっしゃん響煇 嚆矢白根ゆたんぽ

株式投資の醍醐味は成長する有望株を先取りして買うこと。億り人は、2022年はどんな株に注目するのか、アンケートで伺いました。後編では成長性に着目した回答を紹介していきましょう。今のうちに買っておけば将来、5倍、10倍と大きく値上がりしてくれるかも……!?
「億り人が選ぶ『2022年の注目銘柄』~ポストコロナ編」を読む

2022年は「緩やかな上昇の1年に」

「年末からの下落を底にして、今年は比較的明るい年になるのではと見ています」

そう分析するのは、成長株の発掘に定評があるすぽさんです。その心は?

「コロナショックから2021年の年末までは、新たな個人投資家が増えていく流れが続いたように思います。『すぐ上がる株を買いたい!』という人が増えると株価はだんだん不安定になる。年末からの下落でマザーズ市場が一番厳しかったのはそのせいだと見ています。ただ、この下落を通じて『株はもうこりごり』と退場する人も出るため、一段落ついたあとは緩やかな上昇の流れに変わっていくのではないかと思っています」(すぽさん)

オミクロン株の出現で株式市場が崩れる場面もあった2021年末。「すぐ儲けたい!」と考えるせっかちな投資家が狼狽して撤退することで、穏やかな上昇が続きそうとの見方です。では今年、買うべきはどんな銘柄でしょうか?

「市場が崩れたことで優秀な企業の株にも割安感が出てきました。個人的には『これまで目をつけていた優秀な企業を買う』を基本戦略にしたいと思います」(すぽさん)

と言って、すぽさんが注目銘柄として挙げてくれたのは「 BuySellテクノロジーズ 」。テレビCMでもおなじみの出張訪問買取を中心とするリユースビジネス企業です。

優秀な経営者のもと買取効率の向上やM&Aなどで売上成長と利益率向上の両面から成長しています」(すぽさん)

売上高が毎年増えているだけでなく、営業利益率も2020年12月期の6.6%から21年12月期は8.8%へと高まり、営業利益も最高益を更新する見通しとなっています。

高い技術力でコンビニ惣菜を支える水産加工会社

「また、セブンイレブンなどへ水産惣菜を提供する「 STIフードHD 」も面白い。独自の工夫で消費期限を大幅に延長し、コンビニ内での商品ラインナップを順調に広げています。PERも14倍程度まで落ちてきており、割安感が強まっています」(すぽさん)

例えば、コンビニ向けのおにぎり用イクラ。従来、菌管理の問題もあり、おにぎりの具材としての使用は不可能と考えられていました。これを可能にしたのが高い技術力を持つ同社。食生活を影で支えてくれる会社です。

「割安感では「 じげん 」にも注目しています。求人や賃貸住宅、旅行など様々な分野の一括検索サイトを展開する会社ですが、毎年のようにM&Aを行いながら成長しています。今期予想がEBITDA(利払い・税引き・償却前損益)ベースで発表されるため、そのまま予想PERを算出できないのですが、上期の実績から単純に算出しても15倍以下。成長を期待されていない水準まで下がってきています」(すぽさん)

成長株を見続けてきたすぽさんが割安感を感じる銘柄、お買い得かもしれません。また、成長性では10倍以上に値上がりする銘柄をこれまで59社発掘してきた「テンバガーハンター」の愛鷹さんが教えてくれた「 日本M&A 」も見逃せません。

「過去の売上計上時期に疑義のある事象があり調査する、とのことで売られましたが、業績自体は好調そのもの」(愛鷹さん)

日本M&Aは2021年3月期まで11期連続で増収増益を達成。愛鷹さんもテンバガーを達成した銘柄ですが、2022年3月期も最高益を更新すると予想されています(会社予想)。今後も期待したくなりますね!

3月に本格化する5G。そのインフラを支えるのは?

将来的な成長分野として5G(第5世代移動通信システム)に期待するのは、7年で資産5億円を達成した響煇嚆矢さんです。

5Gが本格的な普及期に入るのは今年3月から。高速モバイル通信や自動運転などを支えるサービスであるだけでなく、『ローカル5G』(通信会社ではなく企業や自治体が構築する5Gネットワーク)も生まれ、新たなサービスが生まれることは間違いありません。関連する半導体やハイテク、サービスとともに大注目です」(響煇さん)

響煇さんが5G関連で注目するのは、どんな会社でしょうか?

「私が圧倒的に注目するのは「 JTOWER 」。日本でのインフラシェアリング(編集部註:携帯電話基地局などの通信ネットワークを複数の事業者で共同使用すること)の先駆者です。5Gは大量の基地局を必要とし、各通信会社が自前ですべての基地局を建設することは非現実的。JTOWERは通信基地局の共用化設備を展開しており、日本の通信インフラを支える企業となる可能性があります」(響煇さん)

5G本格化とともに、収益の拡大も期待できそうです。

「5Gや電気自動車では大量のアルミ電解コンデンサが必要となります。コンデンサに必要な絶縁紙で世界シェア6割を超える会社が「 ニッポン高度紙工業 」。デジタル社会を支える企業として注目しています」(響煇さん)

知られざるグローバルニッチトップ企業と言えそうなニッポン高度紙工業。しかし、なんと本企画で、唯一複数票が入った銘柄でした! 響煇さんのほかこの銘柄を挙げたのは、愛鷹さん。スゴ腕投資家さん2名から名前が挙がるなんて期待できそうです。

同社は「EVなどに使われる絶縁紙が引き続き追い風」(愛鷹さん)となり、2022年3月期は最高益を更新する見通しです。

IT関連では、超分散投資を行なうDAIBOUCHOUさんから「 デジタルハーツHD 」の名前も挙がりました。

ゲームソフトのデバッグ検査(編集部註/デバッグ:プログラム上の欠陥などを修正する作業のこと)が主力でしたが、企業向けのシステムテストやセキュリティ監視などへと人材を大きくシフトし、業績にも反映されています。同業で先行している「 SHIFT 」との差をどれだけ縮められるか、注目しています」(DAIBOUCHOUさん)

ITや5Gで欠かせないのが半導体。グローバルな視野で投資先を選定するとりでみなみさんが選んだ銘柄のひとつが、半導体の材料となるシリコンウェハーで世界トップの会社「 信越化学工業 」でした。

「シリコンウェハー自体の原材料はケイ石という石。どこにでもある石なので資源価格が高騰しようが影響はありません。需要は旺盛でシリコンウェハーの供給が追いつかず、価格高騰の恩恵を受けるのではと期待しています」(とりでみなみさん)

半導体関連では愛鷹さんも1社、注目している会社があるそうです。

「半導体関連の牽引銘柄といえるのが「 レーザーテック 」。すべての下落が押し目買いのポイントとなる、きれいな右肩上がりのチャートを描いています」(愛鷹さん)

レーザーテックは半導体向けのマスクブランクス検査装置で世界シェア100%! 利益率も37%と高い有望企業です。

メタバースでビジネスチャンスを広げる会社も

フェイスブックの社名変更をきっかけに話題となったキーワード「メタバース」に着目しているのは、はっしゃんさんです。

「少しずつ新サービスが登場してきて既存のサービスと競合したり、場合によっては新たなブームになるケースも出てきそう。アバターでのWEB会議参加など新しいビジネスチャンスが生まれることも期待したいですね」(はっしゃんさん)

メタバース関連の銘柄として挙げてくれたのは「 グリー 」です。

VTuberやアバター事業に先行投資しており、メタバース系サービスとの連携など新しいビジネスチャンスに広がる可能性がありそう」(はっしゃんさん)

メタバースに加え、はっしゃんさんならではの着眼といえるのが「和食の輸出」です。

「「 味の素 」や「 キッコーマン 」といった食品カテゴリの会社が海外進出を加速させているのに加え、スシローの「 FOOD & LIFE COMPANIES 」や丸亀製麺の「 トリドールHD 」のように積極的に海外に進出する外食チェーンが出てきている。日本発でグローバル規模のフード・外食カンパニーが増加する契機になりそうです」(はっしゃんさん)

同じく日本の食の輸出へ着目するのが、とりでみなみさんです。

「昨年、日本の農林水産物・食品の海外輸出額が初めて年1兆円を超えました。政府は2030年までに輸出額を5兆円にする野心的な目標を掲げています。実現すれば年20%近い成長をすることになります」(とりでみなみさん)

そこで注目する会社が2つ。無印良品の「 良品計画 」と、ドン・キホーテを展開する「 パン・パシフィック・インターナショナルHD 」です。

「メイド・イン・ジャパンの高品質な農林水産物・食品を海外展開する拠点はどこになるだろう――? そう考えたときに浮かんだのが、この2社でした。2社とも海外展開に積極的ですし、それに合わせるかのように業態の変革を図っています。これが軌道に乗ったとき、農林水産物・食品5兆円輸出の恩恵を受けることになるのでは、と期待しています」(とりでみなみさん)

他に注目されているテーマとして挙がったのが少子高齢化です。少子高齢化は息の長いテーマですが、DAIBOUCHOUさんが着目するのは、ホスピス住宅や訪問介護などを展開する「 日本ホスピスHD 」です。

「長らくホスピス新設のための先行投資期が続き、同業の「 アンビスHD 」に収益性や株価で差をつけられてしまいました。ただ、予定では既存ホスピスの利益貢献が進み、2022年12月期の経常利益は7億円を超える見通し。本当に達成できるか不安はありつつ、注目しています」(DAIBOUCHOUさん)

ベテラン投資家2人の見方が一致したセクター

そんなDAIBOUCHOUさんですが、最近のポートフォリオにはある傾向が。

「割安成長株を追い求めたら、結果的に建設関連株の保有株が10社以上とずいぶん増えました。とくに選好したわけではありませんが、保有株リスト見たら妙に多いなと。東京五輪が終了し、コロナ禍も落ち着けば高度経済成長期につくられた老朽化した建築物、橋などの建て替えが進むと思います」(DAIBOUCHOUさん)

そんな建て替え需要を見越した銘柄を選ぶ億り人もいました。

「自民党政権であるかぎり、国土強靭化関連の予算は削られないでしょう。ショーボンドHD 」は受注残高がたまっており、中期経営計画では2024年には一層の受注残高の積み上げを目指すとしています。2022年6月期第1四半期も受注残高は前年同期比6.7%増と順調です。営業利益率が20%と高いのも魅力」(www9945さん)

ベテラン投資家2人の見方が一致する建て替え需要。ポートフォリオに加えておくのもよさそうです。響煇さんやはっしゃんさんの見通しでは、今年の株式市場は銘柄の選別がより重要な1年になりそうです。

「グローバル経済が形を変えつつあり、世界各国で自国優先政策が進められています。他国では実現できず、その会社でなければ実現しないサービス・商品が投資対象になってくるのでは」(響煇さん)

金融緩和が縮小し、株式市場では期待よりも実力が問われることになりそう」(はっしゃんさん)

実力ある会社の見極め、その会社でなければ実現できないサービスや商品の分析は初心者には難しいかもしれません。このアンケート企画を参考にしていただけるとうれしいです!

アンケート実施期間:2021年12月18日~27日
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