スマホ1つで掘り出しモノを楽しく売買! メルカリ

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

今の社会動向や投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。1月号ではフリマアプリでお馴染みの「メルカリ」が新規に選定されました! 早速、メルカリの投資ポイントをチェックしてみましょう。

“かくれ資産”を有効活用! フリマアプリを展開する「メルカリ」

年末の大掃除で不要品がいくつも出てきたという人もいるのではないでしょうか。

今回仲間入りした「 メルカリ 」によると、1年以上使うことなく、理由なく家庭に眠らせている“かくれ資産”の額は、国民一人あたりで平均でなんと約34万5000円。

捨てるにはもったいないし、リサイクルショップに持って行くのは面倒だし――とこれまで押し入れに戻していた人も多いことでしょう。

そんな私たちへ、スマートフォンひとつで簡単に売買できるフリマアプリを提供しているのがメルカリです。

同社は家計の活性化はもちろん、限りある資源の有効活用によって豊かな社会づくりを目指して活躍している企業です。

「お客さま目線」で国内フリマアプリのトップランナーに

2013年7月のサービス提供開始から約8年半で累計出品数は25億品を突破(2021年12月4日時点)したメルカリ。

2022年6月期第1四半期(7−9月)には、アクティブユーザー数が1984万人(前年同期比13.0%増)、流通総額は2034億円(同19.2%増)と、国内のフリマアプリのなかで最大の流通総額を誇っています

その秘訣は、徹底的にユーザー側に立つ同社独自のアイデアと、テクノロジーの力を駆使したサービスを提供していることです。

たとえば、出品したいモノをスマートフォンで撮影すれば、AI(人工知能)が商品名やカテゴリー、価格などを自動入力してくれるので、約3分で出品することができます。

こうした利便性の良さから多くの人が出品し、出品数の多さから買い手も集まるといったプラスの循環を生んでいます。

また、2019年からはスマホ決済サービス「メルペイ」を提供し、出品・購入・メルペイ決済といったシナジー効果でユーザー確保に繋げています。

世界のオンライン・リユース市場での活躍に期待

同社は、2014年から米国でもフリマアプリのサービスを提供しています。

しかし、国土の広い米国では日本ほど配送網が充実していないことなどから、実は業績の伸び悩みも経験しています。

このようななか、広告増による認知度の向上や、大手運送会社UPS社と提携し、梱包代行などのサービス充実に努めてきました。

こうしたことから、2021年6月期第4四半期(4−6月)に、四半期ベースとして初めて米国事業で営業黒字の計上に成功しました。

もともと米国はガレージセールが一般的に行われるなど、リユースが盛んです。同社によると、2020年の米国オンライン・リユース市場は約560億ドル、2030年には1960億ドル程度へと、10年間で約3.5倍に拡大するとみられています。

オンライン・リユース市場のなかでも、同社が強みを持つアパレルや家電などのカテゴリーが今後成長していく分野に含まれています。

米国での認知度が高まった今、米国事業での通期黒字化への道は近いと考えられます。

世界中で環境意識が高まっています。そんななか、「限りある資源を循環させる」同社のサービスへのニーズ拡大が期待できます。

今後は米国以外への進出も視野に入れている同社。日米市場で蓄積してきたノウハウを活かし、日本発のIT企業として世界のオンライン・リユース市場での活躍も期待できそうです。

2022年6月期は連続増益の見通し

フリマアプリのサービス開始後、順調に売上高を伸ばしてきた同社ですが、2018年の上場以来、初めて黒字化を実現したのは2021年6月期。

それまでは規模拡大を目的とした広告宣伝費投資が利益圧迫していましたが、コロナ禍によるユーザー数の急拡大という追い風もあり、2021年6月期には営業利益が51.8億円となりました。

ここで注目したいのが、コロナ禍という一過性の増益に留めることなく、事業運営自体で業績拡大している点です。

2022年6月期第1四半期(7−9月)には、ユーザーに対するクロスユース施策(出品・購入・メルペイ決済を促す施策)や、事業主がオンライン上でショップを開設できる「メルカリショップス」のプレオープン(2021年10月本格オープン)などさまざまな施策によって、営業利益は8.5億円(前年同期比133.4%増)を実現。

リユース市場拡大の波に乗り、継続的に利益成長可能なフェーズに入ったと考えられます。

市場では、2022年6月期通期で営業利益が91.9億円(前期比77.3%増)、2023年6月期には178.5億円(94.2%増)と増益が続くと予想されています。

これから本領を発揮しますます活躍する同社から目が離せません。

モノに新たな価値を生み出す「メルカリ」でグローバルでの活躍も

スマートフォン1つで簡単・手軽にモノの売買ができるフリマアプリを提供しているメルカリ。他社と一線を画す利便性で国内フリマアプリの中心的存在となっています。

米国事業も軌道に乗り、継続的な利益成長を期待できます。世界中で限りある資源循環が求められるなか、世界のオンライン・リユース市場でメインプレイヤーとして活躍していく同社を応援していきたいですね。