国内トップ規模の太陽光発電で世界へ羽ばたく! オリックスが追加に 2月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

今の社会動向や投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。2月号の新規採用銘柄は、株主優待や利回りの高さで人気の「オリックス」です! オリックスの投資ポイントをチェックして、これからの銘柄選びの参考にしてはいかがでしょうか。

リース会社に欠かせない先見力で事業を展開「オリックス」

今回仲間入りした「 オリックス 」は、果敢に新領域を開拓し、多岐にわたる事業を展開している総合リース企業です。

リースとは、お金ではなくモノを貸す金融手法です。顧客(借り手)のニーズや仕様にあわせた設備等の動産・不動産をリース会社(貸し手)が購入し、リース料と引き換えに貸与します。

対象となる物件は、IT機器、ソフトウェア、厨房機器、建設・運搬機械、産業機械、自動車、医療・計測機器など様々です。リースは、設備資金調達の代替手段として幅広い業界で利用されています。

同社が創業したのは1964年。当時、まだ日本で普及していなかった「リース」の将来性に着目し、この新しい金融手法を米国から持ち込んだのが始まりです。

この高い先見力こそ、実はリース会社にとって必要不可欠なもの。顧客の支払能力を審査し、投資に関する助言なども行うため、成長を見極める力や社会環境への変化に対応する力が求められます。同社はこれらのノウハウを、自らの成長にも上手くつなげています。

環境エネルギーセグメントの成長も加速!

同社の先見力として、特に注目したいのが「環境エネルギーセグメント」です。同社は1995年に風力発電へ出資したのを機に、再生可能エネルギー(再エネ)事業に進出。以来、再エネ時代到来を見据えて投資を進め、2021年3月期第2四半期決算では、同セグメントの税引前純利益は141億円(前年同期比65.7%増)を実現しています

そんな同社に追い風が吹いています。昨年末、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする実行計画をまとめました。そのなかで、2050年の発電量に占める再エネの割合を50~60%に引き上げることを参考値として盛り込んでいます。

米国でもバイデン大統領が就任後すぐに、地球温暖化の抑制に向けた国際的な枠組みである「パリ協定」復帰のための文書に署名しましたが、世界の約200ヵ国で温室効果ガスの排出削減に向けた対策が行われています。

その代表的な対策が、化石燃料から再エネへのエネルギー政策転換です。パリ協定の目標を達成するためには、2050年時点の世界の発電量に占める再エネ比率を86%へ高める必要があります。2016年の再エネ比率が24%であったことを見ると、エネルギー政策転換の流れは加速度を増していくことが予想されます。同社の環境エネルギーセグメントも成長に加速がかかりそうです。

国内における太陽光発電のトップリーダー

ひとくちに再エネといっても、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどさまざまな発電があります。このうち、同社が国内で稼働している太陽光発電は総出力規模920MW(20年9月末)と、国内トップの規模を誇っています!

加えて太陽光以外の分野も積極的な取り込みも検討しています。世界で有力な再エネ企業への投資を加速するとともに、風力、地熱、バイオマスなど、新規プロジェクトを実施・検討している同社。海に囲まれ、火山活動帯の上にある日本の環境を活かし、洋上風力、地熱発電は特に成長が期待されます。投資完了後には、再エネ設備容量は約3000MWと国内上場企業で最大規模になると同社は見込んでいます。

コロナ禍を乗り越え、2022年3月期は2期ぶりの増益へ

金融からサービス関連まで、幅広い事業を手がけている同社。収益の面でも多様化による強さがうかがえます。2021年3月期第2四半期決算では、環境エネルギー分野で前年同期比65.7%の増益を実現したほか、ネット取引を中心とする保険分野(同33.9%増)や銀行・クレジット分野(同29.1%増)で順調に利益を伸ばしています。

一方、コロナ禍で人々の移動が制限されたことで、航空機リースや船舶関連投融資などの輸送機器(同72.0%減)、ホテルや関西国際空港を運営する事業投資・コンセッション(同79.3%減)などの利益は大幅に減少。この影響で、事業全体の税引前純利益は1342億円(前年同期比41.3%減)となりました。

それでも経済活動の復調に伴い各セグメントの盛り返しや、勢いのある環境エネルギー分野の牽引が期待され、2022年3月期は3609億円(26.3%増)と2期ぶりの増益が予想されています(QUICKコンセンサスベース)。同社のさらなる業績の上昇に注目していきたいですね。

環境保護ニーズに対応し、成長を加速へ

リース業で培った目利き力や価値創造力を原点に、常に新領域を開拓し、持続的成長を実現してきた「オリックス」。この先見力で取り組んできた再エネ事業は、世界中のニーズの高まりで強い追い風となっています。これからの世界になくてはならない再エネ企業として羽ばたく同社を、これからも応援していきたいですね。

本サイトは、原則として原稿作成時点における情報に基づいて作成しております。また、記載された価格、数値等は、過去の実績値、概算値あるいは将来の予測値であり、実際とは異なる場合があります。投資に関する最終決定はお客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。