「国策に売りなし」という格言があります。政府が進める政策に関連した企業は積極的に買っていけ、という意味です。政策にもさまざまありますが、子育て支援に着目してみるのはいかがでしょうか? 安倍内閣が掲げる「新三本の矢」のひとつは「夢をつむぐ子育て支援」ですし、お子さんを持つ家庭なら子育て支援を積極的に支援する会社は共感しやすいはず。そして、子育てに理解のある会社には優秀な人材が集まって、将来も有望かもしれません!
厚労省が太鼓判「イクメン企業アワード」の初代グランプリ企業 【花王】
育児経験者ならば、「メリーズ」の紙おむつを一度は手にしたことがあるのではないでしょうか。近年では、中国人観光客がメリーズの紙おむつを爆買いすることでも話題になりました。そんなメリーズを作っているのが「
花王
」です。
1940年創業と長い社歴を誇る花王ですが、「イクメン企業アワード」の初代グランプリ企業でもあります。はじめて耳にする方も多いと思いますが、厚生労働省が2013年から始めた表彰制度で、男性社員が仕事と育児を両立できるよう積極的に取り組んでいる会社を表彰するものです。「この会社、イクメンに優しいですよ!」という政府からのお墨付きとも言えそうです。
花王の育児休職取得率は、女性はほぼ100%で、男性も約40%と、高い割合を維持しています。小さな子どもを持つ父親でも安心して働ける会社ですから、社員たちも持ち前の能力を十二分に発揮してくれそうです。
働き方も主力製品も、時代に合わせて柔軟に変化する会社はココ! 【ブラザー工業】
育児に携わるのは、もちろん父親だけではありません。イクメン企業アワードだけでなく、子育て支援全般に積極的に取り組んでいる会社への表彰制度もご紹介しましょう。それが「均等・両立推進企業表彰」です。この「ファミリー・フレンドリー企業部門」で厚生労働大臣優良賞を受賞したのが「
ブラザー工業
」です。
気になるのは、その取り組みの内容ですよね。育児休職制度や、育児や介護のための短時間勤務制度をはじめ、働く母親が情報交換のために発足した社内グループ「Brother Mothers’(マザーズ活動)」や、休職中でも社内の情報を閲覧できるパソコンの貸与といった制度があるそうです。
時代に合わせて働き方を柔軟に変化させているブラザー工業。ミシンの印象が強い会社ですが、2015年度売上の64%を占めるのはFAXやプリンタといったデジタル機器です。主力商品も時代に合わせて変化させる会社だと言えそうです。
家事代行サービスが身近になる可能性! 【ダスキン】
何かと手のかかる育児。両親が近くに住んでいればまだしも、ときには家事まで手が回らないこともあります。勤務先の育児支援がいくら充実していても、自分のかわりに掃除や洗濯までしてくれるわけではありません。
そんな需要を見込んで、モップやマットのレンタルで知られる「
ダスキン
」では、子育て家庭向けの家事代行サービスを展開しています。働く女性の増加とともに、家事代行サービスへのニーズが高まりそう! ……と言いたいのですが、普及の障壁になるのはやはり費用でしょう。現在のところ、月に数回程度の依頼でも数万円の支出になるので、日々の家事をすべてお任せするのは難しいかもしれません。
そこで注目したいのが、安倍内閣が進める規制緩和です。2016年、ダスキンなどが外国人による家事代行サービスを試験的に開始します。外国人の受け入れが順調に進めば、家事代行を今より手軽に利用できるようになりそう。そのときはダスキンの業績にも好影響を与える可能性があるかもしれませんね。
子どもの逆上がり習得をお手伝いする会社 【幼児活動研究会】
休日の公園、鉄棒の前で逆上がりの練習に励む親子の光景を見かけることがあります。逆上がりは幼少期の子どもにとって、一度はぶつかる壁です。だからこそ「できた!」の時の喜びは格別なものとなるのでしょう。
逆上がりを始め、縄跳びや跳び箱といった基礎的な運動を指導してくれる幼稚園や保育園があります。しかし教えてくれるのは職員ではなく、スポーツ専任の先生かもしれません。というのも、全国の幼稚園や保育園へ体育指導の講師を派遣する会社があるのです。「
幼児活動研究会
」です。耳慣れない会社名かもしれませんが、設立は1972年と古い会社です。
子どもの運動能力向上を手伝ってくれる幼児活動研究会。東京オリンピックも控え、スポーツへの関心も高まりそうですから、注目したい会社のひとつです。イクメンお父さんが「逆上がり、オレが教えたかったのに……!」なんて歯ぎしりする機会、増えるかもしれませんね。
写真館、11月に売上が増える理由は? 【スタジオアリス】
子育て世代であれば、百日祝い・お食い初めや七五三、入学・卒業など折りに触れ、我が子の成長を写真に残していることでしょう。せっかくの晴れ着を身につけた我が子の姿、「プロのカメラマンに撮ってもらいたい!」なんて願うのは、決してあなただけではありません。
その証拠に子ども写真館の最大手である「
スタジオアリス
」は2015年度に、これまでの営業利益が過去最高益を記録しました。同社の月次の売り上げを見ていくと、面白い傾向があります。11月に売上が伸びやすいのです。なぜでしょうか? その理由は七五三です。11月の七五三参りにあわせ、スタジオアリスで記念撮影する家族が多いようです。
女性人材の活用に積極的な上場企業が選定される「なでしこ銘柄」にも2015年度に選ばれているスタジオアリス。私たちの笑顔を写真に残してくれるだけでなく、働いている人たちも笑顔になれる会社のようです。
いかがでしたか? さまざまな会社が、サービスや制度で子育てを応援していることを知っていただけたかと思います。子どもたちの未来を応援するという意味でも、そういった会社に着目してみるのも面白いかもしれませんね。
今回のテーマで取り上げた上場企業
花王
ブラザー工業
ダスキン
幼児活動研究会
スタジオアリス