焼肉のタレが好調!? コロナ禍こそ連想力でテンバガーをつかめ【8月中編】を読む
9月末(※)に持っていれば株主優待がもらえる9月優待銘柄。ウィズコロナ時代に億り人さんたちが狙うのはどんな銘柄なのでしょうか? 初心者向けの優待投資の始め方も教えてもらいました。これを読めば、今すぐ賢く優待投資が始められそうです!
※日興フロッギーで購入して優待をもらう場合には、保有する株式が9月24日(木)までに単元株以上になるよう購入してください。
発射台が低かったホームセンターは「まだ割安」
ウィズコロナ時代に優待を狙うなら、どんな銘柄がいいでしょうか?
今期の業績が極端に悪くないことが見えていて、指標的な割高さがないところですね。ホームセンターがまだいけるのではないかと思っています。PERはヒトケタ台の会社もありますし、月次売上も6月分はまだ伸びています。7月もいい数字が出れば、今後の業績がさらに上乗せされます。
ホームセンターはなぜそんなに割安なんですか?
私の分析では、日本の上場企業を80ほどの業種に分類すると、過去20年の成長率を見たときにホームセンターは下から4番目くらい。ずっと見放されていた業種なんです。
日本DIY・ホームセンター協会のHPを見ても、ホームセンターの売上は20年近くほとんど横ばいであることがわかります。
それはなぜなのでしょう?
スーパーやドラッグストアなどあらゆるところから侵食され、攻められる一方の業界だったことがあります。その超不人気業種に、コロナ禍で特需が来て噴いた。ところが、もともとの発射台がとても低いため、噴いてもまだ割安なんです。 「 コーナン 」はPER10倍(※取材時)、「 ナフコ 」は8倍ぐらいです。
ナフコは一段と低いのですね。
ホームセンターは業界トップのカインズ以外の上位10社はすべて上場しています。そのうち9社は東証1部ですが、ナフコだけがジャスダック。機関投資家が参入しにくいジャスダック市場の会社だから、ナフコのPERが割安なまま放置されているのかもしれません。世の中って変わるので、かつては負け組だったホームセンターも、コロナが長引くなら成長株になる可能性もあるかもしれません。
株価の割安度を測る指標として「ミックス係数」を紹介していました。割安度を見るのにはミックス係数が一番ですか?
「バリュー投資の父」とされるベンジャミン・グレアムが開発した指標ですし、PERとPBRを掛け算するだけなのでわかりやすいという点がいいですね。過去の検証からもよい結果が出ていますし、それだけロバスト(信頼性がある)な指標です。
ミックス係数=PER×PBR
グレアムはミックス指数が22.5以上であってはいけないと述べています。みきまるさんはその半分の11.25未満を主な選定基準としています。
ホームセンターではどんな会社を買ったんですか?
「弁護士法人破産」「テレワーク」からの連想銘柄
こないだ気になったニュースが、大手弁護士法人の破産。過払い金の返還請求を手掛けていた事務所です。そこが潰れたということは、過払い金請求が減ってきているのかもしれない――そう連想して買ったのが、「 アイフル 」や「 アコム 」です。両社とも過払い金請求が懸念されずっと売られていた銘柄です。貸出残高などは伸びており、過払い金の懸念がなくなれば復配(※)され株価は値上がりするのではないか、と。
以前は配当が出ていて、その後一時的に無配の状態に陥っていた企業が、業績改善などを理由に配当を復活させることを「復配」といいます。復配を発表した企業は有望企業として注目され、その企業の株式が買われる傾向にあります。
貸出残高は伸びているんですね……!
コロナに絡めていえば、学習塾ですね。休校が続いたので我が子の学力低下を心配し、夏休みに学習塾へ通わせる親が増えそうです。学力レベルが中位の子向けの塾はいいのではないかと、「 スプリックス 」を買いました。「こんな株、買えるか」というチャートですが、そんな銘柄の逆張りが好きなんです。
あとはコロナが終わったらよさそうな銘柄も買っています。新車・中古車販売を主力とする「 ウイルプラスHD 」も同じようなチャートです。ここがメインに手掛けるのがBMWなどの高級車。私などはお金をかけたくないので、クルマのメンテナンスが必要になれば安価なお店へ行ってしまいます。でも高級車を買うような富裕層は、購入したお店に任せる傾向があります。しかも保険もそのお店で入ることが多いそうです。このため利益率の高いサービス部門の割合が高い。コロナ禍が終われば、という前提付きですが、時価総額の小さな銘柄ですから、5年から10年くらいで2倍、3倍も期待できるのではと見ています。
アフターコロナを見越して小型株を買っておくのもアリなんですね。www9945さんはいかがですか?
先ほどのみきまるさんの連想と同じですが、トランクルームの会社で「 パルマ 」に注目しています。売上はきれいに伸びていて、「なぜだろう?」と調べてみたら、狭い部屋でテレワークする人が不用品をトランクルームに詰め込んでいるようなんです。トランクルームは一度契約すると1年、2年と継続して利用されやすいですから、今後も期待できるのではと。
「9月優待」で注目の銘柄はコレ!
パルマは9月末に優待の権利確定する銘柄ですね! 他にも9月優待銘柄ですと、皆さんはどんな企業に注目しているのでしょうか?
業績がいい優待株がいいですね。増益だった 「 日本管財 」やwww9945さんが話されていた「 TOKAIホールディングス 」ですね。日本管財は清掃事業、TOKAIはガス事業が主で、ともにコロナの影響を受けにくい。
TOKAIは、前編でwww9945さんが「買い増した」とおっしゃっていましたね。
比較的高配当でもありますからね。あと、18年連続増配している「 KDDI 」も買い増ししました。これも9月優待銘柄としてもよいと思います。政府の規制の動きは心配ですが。
日本管財は100株で2000円相当のカタログギフト、TOKAIホールディングスは100株で500円分のQUOカードや水などから1点を選べます。KDDIは株数に応じてカタログギフトがもらえます。
KDDIと並ぶ大型優待銘柄の「 オリックス 」も9月優待です。
カタログギフトがもらえるオリックスは、優待投資家の定番ですね!
「 ヤマダ電機 」は100株が5万円以下(※取材時)で買えて、年2回、合計3000円分の優待券がもらえるので、少額の人にいいですね。あとはシロアリ駆除の「 アサンテ 」。株価は下がっていますが、将来的には有望だと思っていますし、1000円分のギフトカードがもらえます。
優待バリューなら「 岩塚製菓 」ですね。資産バリュー株としても有名で、台湾の大手企業の株を持っています。
100株で1000円相当の自社製品がもらえるんですね。みきまるさんの「優待バリュー株」の選定基準は何でしょうか?
優待を除いたときの指標的な割安さが一番ですね。優待がついてなくても買える株に、それにたまたま優待がついているというのが一番いいですから。
指標の判断には先ほどのミックス係数が使えますね!
あとは「 トーメンデバイス 」「 東急不動産 」「 トスネット 」「 ユニマット リタイアメント・コミュニティ 」 「 オートバックスセブン 」も優待バリューだと思いますね。東急不動産では500株では優待券などのほか東急ハンズでも使える5%割引カードがもらえ(※3月のみ)、5000株だと割引率が10%に上がる。こないだ5000株に増やしちゃいました。やりすぎですね(笑)。
いろんな銘柄があるんですね!
地方スーパーの注目企業としてお話したアルビスも9月優待です。変わり種だと、FX専業の「 ヒロセ通商 」。月次も好調なんですが、レトルト食品などが巨大なダンボールで届きます。ボリュームがあるので楽しい。
株主優待が「入金力」を高めてくれる
9月には楽しそうな優待銘柄がたくさんありますね。これから株を始める人の入り口として、優待投資はふさわしいですか?
優待投資は本質的に有利。最低単元を買うことで株主優待分の上乗せがあります。投資信託だと、逆に手数料を3%取られることもある。私はこのような点からも、優待投資ほど有利な投資法はないと考えています。
多少株価が下がっても優待品で補える、ということですね。
優待投資なら必然的に銘柄を多く分散することになるので、決算や株主総会などのお知らせが多く届きます。勉強する機会が増えて、経験を積みやすいのもメリットです。
優待投資は分かりやすいという点も、最初の一歩としてとてもいいですね。優待品の価値を価格に換算して、株価で割れば数字で把握できる。割安投資や成長株投資は割安性や成長性のモノサシがマチマチですが、優待投資は上級者も初心者も同じ数字で評価できるのも利点だと思います。
優待株の利点は「入金力」を高められることにもあります。給料30万円として生活費が25万円なら、投資に回せるお金は5万円。しかし、優待銘柄を持っていれば生活費を節約でき、その分、投資に回せるお金が増やせます。
かんちさんは優待でどれくらい食費が浮いていますか?
計算したことないですが、少なく見積もっても年間60万円以上は浮いていますね。
優待おそるべし……!
初心者の方は、決算発表時期や優待権利日、どのタイミングで配当が振り込まれるかなど全くわからないと思います。そこを優待投資を通して、少しずつ学んでいけたらいいですよね。
優待品をもらいながらだと、楽しく学べそうです!
せっかく株を買ったなら勉強しないともったいないですからね。優待をもらうだけでなく、株主総会の仕組みや決算の良し悪しなどを見ていけば上達にもつながる。
株式投資した企業から郵送物が届いたら、ちゃんと中を見て勉強することが大切なんですね。
たとえば最初は10銘柄へ均等に投資するとします。でもそうやって勉強していけば、有望な銘柄へは資金を増やして弱い銘柄は減らすというように、強弱をつけて投資できるようになります。優待をもらうだけの投資を山頂への1合目としたら、そこから先の2合目、3合目へと到達しやすいのが優待投資のメリットです。
初心者に優待投資がおすすめの理由
①優待がもらえる分有利
②必然的に多くの銘柄に分散投資することになるので分散効果も期待できる
③たくさんの銘柄を保有するので多くの銘柄について学べる
④優待株の利回りは計算が簡単で、上級者も初級者も同じ数字で評価できる
⑤生活費をカットして入金力をアップできる
ウィズコロナ時代だからこその優待投資との付き合い方がありそうですね! 銘柄の分散や注目の業種、皆さんのお話を聞いてから優待投資を始めれば、大怪我することはなさそうです。今日はお忙しいところありがとうございました! ぜひまたお話を聞かせてください!
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