コロナで受けた大打撃を一気にV字回復させた優待戦略とは?【8月前編】を読む
コロナ禍で相場に不安を覚えていませんか? でも実は億り人さんによると「今年はチャンスあふれる年」だそうです! 一体どういうことなのでしょうか? 飲食業が苦戦を強いられる中での意外な投資戦略も必見です。
あえて倒産しそうな飲食株を10銘柄買う
外出自粛が終わり、私もやっと街角ウォッチができるようになりました。ところが街へ出ても目立つのはシャッターが下りたままの店舗。第2波襲来で、秋口に向けて閉店するお店が増えるのかもしれません。
月次売上も財務も良くないですし、飲食セクターの上場企業は2、3社潰れるかもしれないですね。そうすると「あの会社も潰れるんじゃないか」と疑心暗鬼が広がり、セクター全体が投げ売りされるかもしれません。そうなったら「2、3社潰れてもいい」という気持ちで10社くらいまとめて投資するといい。そのうち2年、3年経てば5倍くらいになる銘柄も出てくるかもしれません。
避けるのではなく、むしろ潰れるかもしれない会社に投資するのですか……!?
株式市場にはリスクがあります。倒産や優待廃止のようなことも当然あります。そしてそういうリスクがあるからこそ、危険に見える銘柄は安くなる。だからこそ復活したら5倍、10倍があるわけです。リスクを極端に恐れるべきではない。かんちさんが言ったように、分散をかけて10社まとめて買えばいいんです。「2、3社潰れてもいい。生き残った子がどうせ上がるから」というおおらかな投資法です。むしろそういうマインドセットがあれば長い目で見れば負けません。もちろん、どこを買ってもいいというわけではなく、ある程度財務がいい会社でがんばれそうな会社を持っていればいいと思います。
そんな発想もあるんですね。面白いです!
私は「優待ボロ株投資」と名付けています。15年ほど前にこの投資法のうま味に気づきました。会社の存続が危ぶまれる優待株をまとめて買うという手法を長年とっています。利益以外にも効用があって、1つ目は、株式市場のギャンブル性やサスペンス性を体験できるということです。人間はギャンブル性があるものに惹かれる習性があります。それを無理に抑え込もうとするのではなく、資産全体の数%だけを投じてギャンブル性のある株で楽しむのも投資の醍醐味。そうすることで主力の部分はクールヘッドを保っていられます。
主力の部分にも好影響があるのですね。
2つ目は、倒産しそうな株を知ることで健全な株を深く知ることができるということ。私は最近だと大幅赤字に転落したクリエイト・レストランツを買いました。そんな会社を持っていると、自己資本比率が80%で借金ゼロの会社が500円のQUOカードをくれると、生存の喜びを感じます(笑)。
コロナ禍とクリーニング店の意外な関係
「 JAL 」やANAは個人投資家の関心が強いですが、どのように見ていますか?
ドル箱の国際線が「96%減便」なんていうニュースを聞くと、公的資金の注入が必要になるかもしれない。
ANAは2012年に1700億円規模の増資を行なっているんですが、もう一度「おかわり」するかもしれない。数字を見ても、回復の兆しが見えません。私のポートフォリオではずっと主力級の銘柄でしたから、腕をもがれるような思いでしたが、どう考えても当分はムリ。身を切る思いで売却しました。
電鉄もそうですね。「 JR東海 」も「 JR東日本 」もチャートからは買っていいと思えるレベルですが、コロナが終わったからといって、旅客量がコロナ以前の数へ簡単に戻るとは思えない。なので買っていないです。百貨店業界もひどくて10年来安値をつけている銘柄が多いです。
僕は「あ! コロナで業績がそんなに変わるんだ」と思う会社が数社ありました。最初にハッとなったのは「 きょくとう 」。福岡地盤のクリーニング店です。3−5月期が57%もの減益だったので、「なぜクリーニング店がコロナの影響を?」と疑問でした。
なぜなのでしょう?
在宅勤務が増えてワイシャツをクリーニングに出さなくなったんです。言われてみれば、そうだなと。
たしかに……!
意外な銘柄が良くなったり、全然思ってもいない銘柄がめちゃくちゃ悪いとかあるんだなと思いました。
意外と好影響を受けた会社もあるんですか?
最近びっくりしたのは、「 エバラ食品工業 」の伸びでした。なんと2020年4−6月の経常利益が前年同期比+126%でした。つまり2倍以上です。
焼肉のタレの会社ですね!
外食から内食へとシフトしたことで、「黄金の味 焼肉のたれ」や「プチッと鍋」がよく売れて業績が拡大したんです。
「今年の相場はチャンスにあふれている!」
エバラと似た感じだったのが「 ブルドックソース 」。みんなが自宅でお好み焼きや焼きそばを食べるようになり、経常利益が3割超伸びています。株主優待はソース4本です。一人暮らしには多すぎる(笑)。
コロナ禍でブルドックソースが買われるなんて連想できないですよね。今年の相場はチャンスにあふれていると思います。意外なところから風がふっと出てくるので。しかも、環境の急激な変化に投資家は対応できない。「エバラがそんな急に良くなるわけないだろ」と思っちゃうわけです。だから逆にいえば、決算の数字が出てから追随買いしても間に合うのが今年の相場。本当にチャンスにあふれています! 個人的には最高の1年だなと思っています。
心強い言葉です! テンバガーをぜひ見つけたいです!
内食関連は今後も急激に業績が良くなる会社がありそうです。さらに連想すれば、たとえば「 クックパッド 」。「CookpadTV」という動画サービスも展開しているのですが、ここの広告売上も伸びているんじゃないかと連想できます。スポンサーになりえるエバラやブルドックソースなども資金がありそうですし。
「連想力」が大事ですね……!
QUOカードは年収分、お米券は3トン分
コロナ禍では外出自粛でしたから、株主優待でもらった優待券の消費に困ることもあったのではないですか? 期限切れになったりとか……。
緊急事態宣言が出ていたころは優待を使いたくても使えませんでしたね。でも大体の優待券は期限が延長されました。ただ、使い切れないうちに次の優待が来る。過去最高に「優待在庫」を抱えています(笑)。
急いで使わないといけないですね。
ですから最近は毎日、妻を連れて外食して優待券を消化しています(笑)。
「 ワタミ 」でもらった優待券も有効期限が延長されたんですが、去年もらった優待券と今年もらった優待券が同時に使える期間があった。お得感がありました。
「 エディオン 」でも似たようなことがあって、古いのも新しいのも使える時期がありました。10万円給付金ももらったので、75インチのテレビとサウンドバーを15万円で買えました。
皆さん、優待在庫を抱えてお忙しそうですね。
私はQUOカードが溜まってきました。以前は「 すかいらーく 」のお店で消費していたのですが、使えなくなってしまった。コンビニではSuicaでピッとやってしまったほうが楽なので、使う場面がなくなってしまったんです。
正確に計算してないですが、QUOカードは社会人の年収分くらい溜まっていますね。貸し金庫にも入りきらなくなってしまいました。
ね、年収分!? 使わないんですか?
期限があるものから使うのですが、それだけで生活費が補えるので期限のないQUOカードなどは溜まっていくんですよ。あとは、投資家の習性なんですかね、困ったときの生活の足しになればと金目のものは溜めておきたくなるんです。今のようなモノの価格が下がっていくデフレでは、QUOカードや図書カードなど金券の価値は時間の経過で毀損しないどころか、上がっていきますから。
お米券もかなりの量があるんじゃないですか?
2トン分か、3トン分か……クルマみたいなの重量になっています。
年収ほどのQUOカードだなんて夢があるお話ですね。私も買ってみたくなりました! 次回は億り人さんが連想力で見つめた銘柄や9月優待銘柄を教えてください!
億り人さんについてもっと知りたい方はこちら。
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