投資の大原則[第2版]人生を豊かにするためのヒント

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

投資本の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』の著者と『敗者のゲーム』の著者2人がタッグを組んだ証券投資本の決定版! 老後の資産形成を考える初心者も、インデックス・ファンドについてもっと知りたい人にも間違いのない一冊です。

投資の百戦錬磨たちが掲げる「インデックス・ファンド一択!」

投資経験合わせて100年以上! 2人の著者いわく、投資で失敗する最大の原因は「相場を見ながら売買すること」。長期保有を前提にすれば市場のリターンは「平均9.5%」、なのに平均的な投資家のリターンはこれより低い「7.5%」。

その差は何か?
「最高値で買い、最安値で売ってしまう」、人の性が働いてしまうから。

投資で資産を増やしたいのなら個別の株を買わず、アクティブ運用をせず、手数料の安い「インデックス・ファンドを持ち続けること」。この結論ありきの本書では、お勧めファンドはもちろん、年代や性格に合わせた資産配分計画にも言及。「投資のタイミング」や「銘柄選び」よりもさらに重要なのが「資産配分」であることは、肝に銘じたいポイントでもあります。

そうは言っても。

「インデックスなんてつまらない」と思う猛者もいることでしょう。実を言えば、本書の推薦文(※序文)には「著者らはホントのところ、個別銘柄にも肯定的みたい。いいのか、それで?」みたいな暴露話がいきなり出てきます。これをそのまま載せたのもスゴイのですが、本文には「株価を毎日チェックしてしまう会社がある」という著者の告白もあったり。

攻めたい欲を残しつつ「やっぱりインデックス!」と達観した人たちの本だけに、個別銘柄派でも得るものは多いはず。折りに触れ、読み返したくなるようなバイブル然とした本ですが、たまに見え隠れする人間味が読み物として魅力的です。

なお、本書には赤い表紙の初版もありますが、読むなら絶対、黒い表紙の第2版で。追加の章としてアフターコロナの参考になる「暴落期でもあてはまる大原則」があります。相場の変動は恐ろしいものですが「退職までに資産形成」が目標なら、むしろ変動こそがプラス要因になるそうですよ。