マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。今回はまさにいまピークを迎えつつある4−6月期の決算動向についてです。途中経過や今後のスケジュールをチェックして今後の投資プランに活用してみましょう。
7月は月末にかけて株価が下落しました。国内外で新型コロナ感染拡大が続いていることや、足元の決算内容が芳しくないことなどが背景にあるようです。実際に4−6月期決算がどうだったのか、マーケットの事前予想と比較しながら見ていきましょう。
7月はボックス圏も、月末にかけて下落
7月31日の日経平均株価は2万1710円となり、前月末比578円安でした。
中旬までは国内外における新型コロナウイルス感染者の増加と経済対策の報道などにより株価はボックス圏の動きとなりました。しかし、下旬以降は米中の総領事館閉鎖のニュースや国内での感染拡大が進んだことなどを受けて株価が下落。8月の相場に向けて影を落とす形となりました。
市場予想を上回った企業は多いが……
7月30日までに4−6月期の決算を発表した企業は121社ありました(3月期決算で6月末時点で市場予想がある企業)。その内訳は、営業利益が市場予想を下回った企業が40社だったのに対して、上回った企業が81社でした。すでにマーケットでは業績悪化が予想されていた様子がうかがえます。
ただ、市場予想を上回った企業でもその後の株価の動きは明暗が分かれました。
たとえば「 日本電産 」は、コスト削減が進み4−6月期の営業利益が事前予想を大きく上回りました。そのため決算発表のあった7月21日の翌日以降、株価は大きく上昇しました。
一方で、営業利益が事前予想を上回るも、依然として売上の本格回復が見通しづらい「 オリエンタルランド 」や、「 JR東日本 」などは決算発表後に株価が大きく下落しています。
決算発表は8月7日がピークに
4−6月期の決算発表は8月7日(金)にピークを迎えます。国内の感染者数拡大などを受けて投資家心理が悪化する中、事前予想を上回る決算内容だったとしても、よほど業績の回復が見通せる内容でないと、株価は下落しやすい状況にあるようです。
事前予想との比較とこれからの見通しに注目
今日以降、ソフトバンクやホンダ、トヨタ自動車など注目の決算が相次ぎます。決算を見るときは、売上高や営業利益が事前予想と比べてどうかということに加え、コスト削減の有無や今後の売上回復ストーリーなどにも注目してみましょう。
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