【小説版】まんがでわかる7つの習慣

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

コロナ禍により、世界はいま過渡期にあります。そんないまだから、ちょっとお金のことは横に置いて、この先の仕事や経済的な自立を見直してみてはいかがでしょうか。普遍的な哲学を学び直す良い機会でもあります。生き方を見つめることで、自分にとってのお金の価値も見えてくるーー。今回取り上げるのは、全世界で3000万部超えのベストセラー『7つの習慣』のエッセンスを伝える小説です。

成功哲学の世界的スタンダードを小説でわかりやすく

タイトルが紛らわしいのですが、本書はまんがではありません。

『7つの習慣』をコミック化した人気シリーズ『まんがでわかる7つの習慣』を新たにノベライズしたものとなります。まんがシリーズでお馴染みのバーテンダー・中田歩は登場するものの、悩み多き4人家族の設定は小説版オリジナル。ビジネスコミックを小説化するのは非常にまれということで、『7つの習慣』ブランドの強さを改めて感じます。

さて、小説としてはライトノベルタッチながら、『7つの習慣』の要点は本家よりもハラに落ちやすいかもしれません。このあたり、まんがシリーズで繰り返し語ってきただけはあるというのか、日本の読者が実践しやすいポイントがうまく加味されている気がします。

例えば、『7つの習慣』には重要な価値観として、「主体的であれ。周囲への反応を選択するのは自分」と謳われていますが、小説版ではバーテンダー・中田歩がそのコツを披露します。「(誰かにイヤなことをされたら)、この人にはこの人なりの歴史や背景があり、それに基づく景色が見えていると思うようにする」のだと。

また、「最優先事項とは、緊急ではないが重要なこと」という価値観については次のように補足します。「締め切りがないから誰も『やれ』とは言わないけど、その積み重ねが先の未来で効いてくる。だからこそ、自分の意志で選ぶべき」だと

文章は平易で読み終えるのにそう時間もかかりません。ですが、ハッとするセリフも多い。すでに『7つの習慣』を読んだ人には効率的な学び直しになりますし、そうでない人は本家に戻ってそのエッセンスを十分に味わいたくなるような作りにもなっています。