新型コロナウイルスは生活のさまざまな場面に影響を与えています。そうした変化にうまく対応している会社はどうすれば見つけられるの? 6月1日(月)、3人の億り人さんにZoomで集まっていただき、緊急座談会を実施しました。今回はその後編。有望銘柄の数々を一挙公開します!
3億のマイナスを取り返せ! 億り人がコロナショック後に託した株とは?【6月前編】を読む
座席の稼働率から銘柄を見極める!
www9945さんは「街角ウォッチ」から銘柄を発掘してますよね。自粛要請が緩和されつつある今の街角はどう映りますか?
街は徐々に動き出してきましたが、店内を覗いてみると、店舗によって様子が違うんです。きつそうなのがコーヒーチェーン。ソーシャル・ディスタンスを確保するため、席の稼働率が50%くらいしかありません。
席が半分しかないのでは、たとえ満席になっても今までどおりの売上は見込めないですね。
そんな中、攻めてる店舗もあります。「 王将フードサービス 」が展開する「餃子の王将」は、僕が見た店舗では8割、9割くらいの座席を稼働させていました。すごかったのは「 アークランドサービスHD 」の「かつや」。全座席をそのまま稼働させていたんです(笑)。
かつや、僕も行ったんですが、コロナ以前そのまんまでした。
王将フードサービスとアークランドサービスHDは座席数から考えて強いだろうと思ってポートフォリオに加えました。あとは「 日本KFCホールディングス 」もテイクアウトが非常に強かったですね。4月の既存店売上高が前年同月比で33.1%増ですからね。
KFCは僕も買いたかった! 下がる場面もあったのですが、「往って来い」ですぐに戻ってしまい、買えなかった。うちのかみさんが大好きで、じつは今日も食べたばかりです(笑)。
そうやって日常生活の変化から銘柄を発掘するのは、ピーター・リンチ的なアプローチですよね。
ピーター・リンチさん。アメリカの伝説的なファンド・マネジャーですね!
僕も毎日、ライフ(「 ライフコーポレーション 」)で買い物しているのに、株は買えなかった。頭ではわかっているのに実践できない。悔しいですね~。
見向きもされない百貨店こそ注目!
僕は今、セクター的に考えると百貨店だと思っています。
主要な百貨店ではほとんどの売り場がずっと休業していたので、業績への影響も大きそうですが……!?
だから逆に注目している人がほとんどいないし、株価もかなり安くなっているんです。今回のコロナ騒動でいちばんダメージを受けていないのは誰だと思います?
会社員は勤務先が大なり小なり影響を受けているでしょうし、子どもたちも学校が休校でしたし……。うーん。
高齢者なんです。コロナだろうが年金の受給額は減らないし、その上、10万円の特別給付金まで入ってくる。なおかつ高齢者は金融資産もたくさん持っているし、時間も自由な人が多い。ただ今は旅行へ満足に行けない。そうするとデパートの外商やカタログ販売に頼るんです。デパートは物産展などを通じて各地域の名店とのパイプがあるし、コロナ騒動で高齢者にも宅配や取り寄せの文化が根づいてきました。
百貨店といってもいろいろありますが、具体的には?
「 J.フロント リテイリング 」と「 高島屋 」ですね。2社とも本業に加えて、不動産収入が厚いですから。
通販は大事ですよね。私が注目しているのも、通販向けが健闘していた「 新日本製薬 」。化粧品「パーフェクトワン」の会社です。リピーターの利用者が多く、インバウンドや店頭販売の割合が低いため、コロナの影響が小さいかなと思って買いました。
「ウイルスとの共生」を可能にする建築
私が考えているのは、「アフターコロナ」はなかなか来ないのではということです。これからはウイルス、感染症との共存が当たり前になってくる。エイズだって毎年、世界中で100万人近くが亡くなっていますが、治療できない病気では無くなりつつあるのでワイドショーで取り上げられることはないですよね。コロナも一気に収束するのではなく、ワクチン等の感染防止や治療法が徐々に確立していくのではないかなと。
「ウィズコロナ」を前提に銘柄を選んでいく、ということですね!
学校や公共施設などで、「三密」にならないよう施設の構造を見直す必要がありそうです。例えば、更衣室が密になるのでプールでの授業ができない小学校が沢山あります。学校に限らず「コロナに感染しにくい施設にリフォームしよう」と考えた場合、各市町村が予算を効率的に執行するために「建設コンストラクション」と呼ばれる業種の需要が益々高まるでしょう。このニーズに応えるのが「 明豊ファシリティワークス 」を始めとした建築コンサル系の会社で、利用者が確実に増加するのではないでしょうか。
建築関係は需要ありそうですよね。前編でもちらっとお話ししましたが、僕が買ったのが「 ダイセキ 」。産業廃棄物処理の大手です。ここは今期の予想もちゃんと出していて1ケタの伸びではあるものの増収増益予想です。医療廃棄物の処理も行っていて、新型コロナの影響で廃棄物も増えていて数量も数十倍に増えているそうです。
あとはテレワーク化も進みますよね。「在宅でも仕事できるじゃないか」とある程度、認知されました。週3日出勤みたいな会社も増えてくるでしょう。そのとき、問題となるのは給与計算や出張精算など、オフィスでないとやりにくい仕事です。そうした仕事はアウトソーシングすればテレワークへ移行しやすくなる。
どんな会社があるんですか?
「 ベネフィット・ワン 」は福利厚生の会社として認知されていますが、給与計算などのアウトソーシングも請け負っています。さらに健診代行もやっているところもいいかなと思います。在宅で健康リスクも高まるかもしれませんから。
不利な発表も躊躇しなかった三菱地所
今は社会構造の変革期。コロナという外的要因によって日本の旧弊が壊されようとしています。変革期には、発想の転換ができる会社/できない会社の差がハッキリしてくる。セクター内の優劣もよりハッキリしてくるし、今まで以上に銘柄選択が問われる時代になりそうです。今、避けるべきは、変化に対応できない会社を「安いから」という理由で買ってしまうことだと思います。
変化に対応できない会社は、どうやって見分ければいいでしょうか?
いろんな切り口があると思うんですが、信用できないのは、いいことばかりいう会社。逆に、株主に厳しいことも批判を受ける覚悟で発表する会社は信用できると思うんです。たとえば「 三菱地所 」は来期配当の減配(33→25円)を発表しました。今、無理に配当を出すより、新規投資に資金を回した方がいいと会社側が判断したことになり、こういった明確な姿勢は評価できます。株価は大きく下がりましたが、私は逆に合理的な判断として追加で買い増ししました。購入して1ヵ月も経ってませんが株価は15%以上(※原稿作成時点)上昇しています。
誠実な会社というのは大事ですよね。私も投資する上で大事にしています。
100円でも「まずはやってみる」のが大事!
今は投資を始めるのにいい時期なのでしょうか?
そもそも投資には「始め時」ってないと思っています。安いときに始めると、一時的に儲けやすいかもしれませんが、「おれは天才だ!」と勘違いしてしまいますしね。
なるほど……。
いずれにせよ、一番良くないのは資金を一気につぎ込むこと。例えば、100万円を運用するなら最初は10~20万円にとどめ、少しずつ投資してほしいと思います。
それはすごい大事なことです。僕はよく期待値を考えます。サイコロを転がして偶数なら300円もらえて、奇数なら100円支払うとします。期待値はプラスですが、一度の勝負に全財産をかければ期待値はプラスでも破産する確率は50%です。でも、一度に勝負せず分けて勝負していけば、破産するリスクはより小さくなります。www9945さんも立川一さんも僕も、常に勝つことはできません。だからこそ、一度に全財産をなくすようなリスクを取らない事が大切だと思うのです。
www9945さんは信用取引も積極的に活用しますし、かぶ1000さんはバリュー投資、立川一さんは配当狙いと皆さん投資スタイルは違います。でも、「破産のリスクを避ける」という点では同じなんですね!
自分に合ったタイプを見極めることも大事だと思います。立川一さんが言うように小さく始めて、自分が短距離型なのか長距離型なのか、はたまたそもそもちがう競技が得意なのか、試行錯誤しながらタイプを見極めていくんです。
僕も最初はバリュー株投資で資産が2倍になったりしましたが、その後は何をやってもうまくいかなくなってきた。4年間、いろいろやりながら「自分には配当狙いが向いているな」とわかってきた。
とにかく始めないとわからない。まずはやってみないと。
本当にそうだと思います。株価の上下が自分にどんな影響を与えるかもやってみないとわからないですし。
今はフロッギーのように100円から投資することもできますしね。
僕も最初はミニ株をやっていました。
そうなると、今回の給付金では株を買ったほうがいいですね!
ただ、初心者ほどスタートが大切だと思うんです。子どもが初めて将棋を指すとき、相手が本気を出してコテンパンにしたら子どもはもうやる気をなくしていまいますよね。なので、できれば最初は儲かるほうが理想的ですね。
たしかにそうですね。もしくは、損をしても嫌にならない程度の金額だけ投資をするか、ですかね。
でも、本当にいい会社だと思ったら、いつ買ってもいいんです! 失敗からスタートしても繰り返し学んでいくことが大事なので。
心底いい会社だと思ったら、いつ買ってもいいんですね。買わずに上がってしまったら悔しいですし、100円でも買っておけば、そんな後悔もないですよね。コロナ禍でも伸びそうな会社がたくさんあることがわかりました。今日は貴重なお話をありがとうございました!
4人の億り人さんついてもっと知りたい方はこちら。
中学生で資金40万円で投資デビュー!割安な株へじっくり投資し累積利益4億円のかぶ1000さん
30代で本格的に投資デビュー!配当重視の投資でサラリーマン投資家ながら配当収入400万円超の立川一さん
鋭い「街角ウォッチ」で銘柄を見つける。配当収入1500万円超のwww9945さん