営業利益の伸びが著しい「グロース株」に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

経済再開の動きが世界中で見られ始めたことにより、株価は回復傾向にあります。そんな中で選ばれている銘柄として顕著なのが、これまで着実に利益を伸ばしてきた「グロース株(成長株)」です。そこで今回は、マーケットの注目を集めたグロース株に着目します。

営業増益を見込むのはごくわずか

2021年3月期に2ケタ営業増益を見込むのは、「 日本電産 」や「 NEC など少数で、「 トヨタ自動車 」は8割もの営業減益を見込んでいます(いずれも会社予想)。また、約6割の企業が新年度営業利益計画を未定としており、業績の水準感がつかみづらい状況にあります。しかし、株式市場は新型コロナウイルス収束後を見据え、成長が見込まれる企業に物色の矛先を向けています。

グロース株に資金が集まる

成長株(グロース株)と割安株(バリュー株)の動きをみると、米中通商問題への懸念が高まった2018年は両者ともに下落し、パフォーマンスに明確な差は生じませんでした。2019年は米中に歩み寄りの姿勢がみられたことなどで潮目が変わり、グロース株を選好する傾向が強まりました。

さらに、コロナショックによる急落からの回復局面(2020年3月以降)においては、グロース株の選考意欲が一層高まっています。ハイテクやネット関連の企業で構成されるNASDAQ総合指数は、既に昨年末の水準にまで回復しているほどです。

カエル先生の一言

一般的に、グロース株とは利益などが成長し続けている企業の株を指します。東証一部市場に上場している企業のうち、成長期待が高まっている企業は「TOPIXグロース」、逆に割安感がある状態の企業は「TOPIXバリュー」というグループに分けられます。最近はグロース株が相対的に買われているようです。

高い営業利益成長率を誇った企業をピックアップ

IT投資の増加や半導体需要の増加など、事業環境の変化をチャンスと捉え、成長株優位の展開は続きそうです。そこで今回は、資本の効率的活用などグローバルな投資基準に求められる諸要件を満たす銘柄で構成される「JPX日経400」の採用銘柄のうち、直近3年の年平均営業利益成長率が2ケタ以上の主な銘柄を取り上げました。これまで着実に高い成長を実現してきた銘柄として、引き続き注目されるかもしれませんね。


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