患者のニーズ高まるオンライン診療に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

新型コロナウイルスの影響により、自宅から医療サービスを受けられる「オンライン診療」がにわかに注目を集めています。そこで今回はニーズが高まるオンライン診療について見ていきます。

ハードルが下がった「オンライン診療」

スマートフォンなど情報通信機器を介して、診察や服薬指導を行うオンライン診療。従来、患者が慢性疾患を抱え、3ヵ月間、同一医師の対面診療を受けているなどの条件を満たさなければ保険適用が認められませんでした。しかし、4月10日に新型肺炎の感染拡大が収束するまでの時限措置として、初診患者でも認められるなど条件が緩和されました。

普及を妨げる厳しい条件や低報酬

こうした中、内閣府の規制改革推進会議は、新型肺炎の感染拡大を機にオンライン診療の重要性を再認識したとし、欧米諸国や中国と比べ整備が遅れている点を指摘しています。新型肺炎の感染拡大収束後も恒久的な措置としてオンライン診療の規制緩和が必要、とのスタンスのようです。

オンライン診療は2018年度の診療報酬改定で保険適用が認められ、以来、オンライン診療の施設基準を満たす医療機関は増えています。ただし、厳しい条件を満たさなければ診療が認められないことや、対面診療と比べて低報酬であることなどがネックとなり、オンライン診療科を併設する医療機関数はそれほど伸びていません。

患者の満足度は高い!?

一方、需要者側である患者の視点で考えると、医療機関に出向かずに医療サービスを受けることができるオンライン診療は相応のニーズがあると推測されます。実際、オンライン診療を実施している医師へのアンケート調査によると、オンライン診療により患者の満足度が向上していると感じる医師は多いとのこと。

今回ほど、オンライン診療が耳目を集めたことはありません。日本の普及状況を変える契機となるかもしれませんね。規制緩和とともに、様々なオンライン診療サービスを展開する企業の動向に注目です。

※MRT(6034)は記事執筆時点で、日本証券金融の注意喚起銘柄に指定されています。

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