まんがでわかるLIFE SHIFT

今日からお金賢者になれる「1分書評」/ 日興フロッギー編集部

長寿化により人生のゴールは100年に! 真っ先に心配になるのは老後資金のことですが、そのために生き方をどうシフトチェンジするか。マンガの主人公とともに、自分のお金や仕事、人生について棚卸ししたくなる本です。

「平均寿命100歳時代」をどう生きるか? どう生き直すか?

日本の若者の平均寿命は100歳を超えるかもしれない!? 驚くべきデータが提示され、「人生100年時代」の新しい生き方を提唱した『LIFE SHIFT』。名著ではありますが400ページ強とやや長い。それに対してこのマンガ版なら通勤電車の中でもサクッと読み切れそうなボリューム。全編ストーリー仕立てになっているのでキモがつかみやすいかもしれません。

登場人物は主に日本人。就職に悩む女子大生が主人公で、大企業を辞めて転職活動に奔走するその兄、役職定年を控えた父親と、世代や境遇の異なる人物の人生の岐路を描きます。

彼らの道先案内人となるのが、原作の著者らを投影したと思われるイギリス人留学生。「100歳までなんて生きたくない」とぼやく主人公に「想像より20年も長く生きられるなんてワクワクするじゃない!」とまっすぐに語るような人物です。

20年も人生が長くなると、親世代がたどった「教育→現役時代→老後」の人生設計は通用しません。働き方はもちろん、結婚や出産のタイミングも変わる。何より、老後の生活が長く大きく変わります。

「私たちは80代まで働くことが求められる世代」「2つ、3つのキャリアを持ち、生涯通じて選択肢を広げながら生きていく世代」だと留学生は言います。そのためのキーワードは「自分らしく生きること」だと。

今さら「自分探し」と言われても……そう思う方もいるでしょう。劇中の人物も同じことを言っていました。けれど、中盤の「無形資産の作り方」あたりまで読むと青臭く思えるフレーズがすとんとハラに落ちてくる。長寿化を厄災ではなく、恩恵にするためにはどんな人生を築くべきなのか?

主体性がなかったり、古くさく頑固だったり、読んでいてヤキモキするキャラ達が後半でどう変わっていくかという点も読みどころのひとつです。