3月は、1年で最も株主優待が多く、その数なんと821銘柄! 優待のある企業のうち、実に半分以上が3月に優待を実施しています。そのため、自社商品の詰め合わせやカタログギフトから、外食や買い物に使える株主優待券、便利なQUOカードなどの金券類まで、ありとあらゆるジャンルの株主優待が揃っています。
そこで、今回と次回の2回にわたって選りすぐりの3月優待をたっぷりご紹介! 今回は、株主限定のトミカやリカちゃんが好評の「タカラトミー」やグルメなカタログギフトが人気の「オリックス」、自社商品詰め合わせがうれしい「マンダム」や「日本製紙」、買い物がお得にできる「ヤマダ電機」など、定番優待10銘柄をピックアップしました。
※日興フロッギーで購入して優待をもらう場合には、保有する株式が3月25日(水)までに単元株以上になるよう購入してください。
(注意)本記事は、一般口座、特定口座を前提に作成しております。NISA口座等は取り扱いが異なる場合があります。
優待だけのトミカ&リカちゃん!【タカラトミー】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:9万6400円(2/27終値964円×100株)
■配当金額(会社予想):30円
■予想配当利回り:3.11%
玩具メーカーの「トミー」と「タカラ」が合併して、2006年に誕生した「 タカラトミー 」。トミカやプラレール、リカちゃんなどは子供から大人まで、今も多くの人に愛されています。
2020年3月期は、人気のトレーディング・カード「デュエル・マスターズ」が軟調に推移し、世界展開も視野に入れた電子ペット「Rizmo」が苦戦するなど複数の要因から、2月12日に期初の業績予想を下方修正。残念ながら、通期の会社計画は減収かつ2ケタの減益を見込んでいます。
株主優待は、100株以上で自社通販サイトでの購入割引。1年未満の保有では10%割引ですが、長期保有優遇制度があり1年以上の継続保有で30%、3年以上なら40%まで割引率がアップします。子供や孫などにおもちゃを買う機会が多いなら、継続保有もよさそうです。また、3月のみ株主限定のオリジナルトミカやリカちゃんがもらえて、こちらも大人気。
株主限定商品は100株以上、1000株以上、2000株以上で内容が異なり、たとえば前期は100株保有ならトミカ2台セット、1000株でトミカ4台セット、2000株でトミカ4台セット+白いローブデコルテ姿のリカちゃんでした。
さば缶やかまぼこなどヘルシーな魚加工品【日本水産】
■権利月:3月
■最低投資金額:26万9000円(2/27終値538円×500株)
■配当金額(会社予想):8.5円
■予想配当利回り:1.57%
「ニッスイ」の愛称でおなじみの「 日本水産 」。漁業や養殖から加工、販売までを手がける水産事業と家庭用・業務用の冷凍食品、チルド食品などを扱う食品事業が2本柱で、他に青魚に多く含まれていて健康効果で話題の「EPA」関連の商品開発などを行うファインケミカル事業や物流事業、海洋関連事業なども展開しています。
2020年3月期は、チルド事業や国内の養殖事業で苦戦し、通期の会社計画は減収増益を見込んでいるものの、0.5円の増配も予定しています。
株主優待は、500株以上で3000円相当、1000株以上で5000円相当の自社商品詰め合わせです。気になる内容は、前回の500株保有の場合、さばの水煮缶やオイルサーディン、減塩50%のさけあらほぐし(瓶詰)に、EPA配合の清涼飲料「イマークS」、濃厚チーズかまぼこ、ひとくち豆乳クッキーなど魚加工品を中心に全11品。
優待内容は毎年変わるので、権利確定後の案内をお楽しみに! なお、株主優待を受け取るためには最低500株が必要なので、特に初心者の方は間違えないように注意しましょう。
男性用だけでなく女性用も充実のラインナップ【マンダム】
■権利月:3月
■最低投資金額:23万9700円(2/27終値2397円×100株)
■配当金額(会社予想):62円
■予想配当利回り:2.58%
「ルシード」や「ギャツビー」など、男性向け化粧品では日本国内でトップクラスのシェアを持つ「 マンダム 」。最近は「ルシードエル」「ビフェスタ」などの女性向け化粧品にも注力していて、また海外では特にインドネシアに強みを持っています。
2020年3月期は、夏の天候不順による「ギャツビー」ブランドの売り上げ不振やインバウンド需要の落ち込みなどが要因で、期初の業績予想を下方修正。通期の会社計画は、増収ながらも2ケタの減益を見込んでいます。ただし、配当は2円の増配の予定です。
株主優待は、100株以上で5000円相当の自社商品詰め合わせです。内容は毎回大きく変わりますが、前回は「ギャツビー」の洗顔料や制汗剤、「ルシード」の薬用スカルプデオシャンプーなど男性向け4品、「ルシードエル」のヘアオイルなど女性向け3品という合計7品の豪華ラインナップでした。
男性向けと女性向けの商品が両方入っているので、家族みんなで活用できそうですね。
牛めし、とんかつ、寿司にラーメンまで!【松屋フーズホールディングス】
■権利月:3月
■最低投資金額:40万6500円(2/27終値4065円×100株)
■配当金額(会社予想):24円
■予想配当利回り:0.59%
牛めしやカレーで人気の「松屋」、とんかつ専門店「松のや」を2本柱に、回転寿司店の「すし松」やラーメン店の「松軒中華食堂」など複数の外食業態を展開している「 松屋フーズホールディングス 」。直営・FCを合わせた全業態の店舗数は、国内1183店、海外14店です(2019年12月末時点)。
2020年3月期は、既存店の売上高、客数、客単価がいずれも前期を上回って推移するなど業績は堅調で、通期の会社計画は増収2ケタの増益を見込んでいます。
優待内容は、100株以上で株主食事優待券が一律10枚。「松屋」をはじめ、「松のや」「松乃家」「チキン亭」の国内各店舗で利用可能です。優待券に金額表記はなく、各店舗の利用可能メニューを1枚で1食、食べることができます。
たとえば、「松屋」の場合、ラージ定食・W定食以外であれば値段にかかわらず、すべてのメニューを注文できるのがうれしいですね。また、優待券10枚の返送で、牛めしの具やオリジナルカレーの具などの自社製品詰め合わせを選ぶこともできます。
消毒タイプのウェットティシューなど、生活必需品の詰め合わせ【日本製紙】
■権利月:3月
■最低投資金額:16万1000円(2/27終値1610円×100株)
■配当金額(会社予想):40円
■予想配当利回り:2.48%
製紙業界の再編を経て、2013年に東証1部に上場した現在の「 日本製紙 」。製紙業では売上高国内2位で、新聞用紙や印刷用紙を扱う紙・板紙事業やティシューなどの生活関連事業の他、エネルギー事業や木材・建材・土木建設関連事業を展開しています。
現在策定中の第6次中期経営計画では、ウエイトの大きい洋紙事業で生産体制の再構成に取り組むと共に、成長分野の事業拡大を目指しています。前期は新聞用紙事業やPCB(ポリ塩化ビフェニル)処理のため特別損失を計上しましたが、今期の会社計画は増収かつ黒字転換を見込んでいます。
株主優待は、100株以上で自社グループの家庭用品詰め合わせです。前回は、プレミアムティシューやトイレットペーパー、消毒タイプのウェットティシュー、キッチンタオルなど、「クリネックス」と「スコッティ」ブランドの全7アイテムがもらえました。
いずれも生活必需品でしかも安心のブランド品。誰にとっても使える、ありがたい優待と言ってよいでしょう。
日本各地のうまいもの&逸品がズラリ【オリックス】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:18万100円(2/27終値1801.0円×100株)
■配当金額(会社予想):76円
■予想配当利回り:4.21%
リース事業からスタートして、その後関連する専門分野を徐々に広げていった「 オリックス 」。現在では、法人金融やメンテナンスリース、不動産などの分野で事業を展開しています。
また近年は、空港や下水処理場といった公共施設の運営を行う「コンセッション」と呼ばれる事業にも力を入れるなど、新たな収益機会の獲得にも積極的です。
株主優待が非常に人気ですが、予想配当利回りが4.21%(2/27終値で計算)と配当面でも魅力の高い銘柄です。なお、2020年3月期の会社計画は減益を見込んでいます。
優待内容は、100株以上で自社取引先の取扱い商品を集めたカタログギフト「ふるさと優待」(3月のみ)と、株主カード(3月、9月)の2本立てです。「ふるさと優待」カタログには、各地の美味・美食や逸品が掲載されていて、多くの優待ファンから支持されています。
3年以上継続保有すれば、内容がグレードアップする特典付き。また、株主カードは提示することで、ホテルやレンタカーなど自社グループのさまざまなサービスを割引料金で利用できます。
家電の購入&買い替えの強い味方!【ヤマダ電機】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:5万4700円(2/27終値547円×100株)
■配当金額(会社予想):非開示
■予想配当利回り:ーー
「 ヤマダ電機 」は、直営・FCを合わせたグループ店舗数が1万2897店(2019年12月末時点)という家電量販店最大手です。最近では、家具やリフォームなどにも力を入れるなど、家電に留まらない生活インフラとしてのイメージを強く押し出していて、昨年12月には大塚家具を子会社化しました。
2020年3月期の会社計画は、2ケタ減益となった前期の反動もあり、増収かつ2ケタの増益を見込んでいます。現時点では今期の予想配当額は公表されていませんが、前期及び前々期の年間配当額は13円でした。
株主優待は、500円分の買物優待券で、100株以上は3月に2枚/9月に4枚、500株以上では3月に4枚/9月に6枚、1000株以上では10枚、1万株以上は一律50枚もらえます。ヤマダ電機各店に加えて、グループ企業のベスト電器各店(一部を除く)でも、税込1000円ごとに1枚を使うことができます。
また長期保有優遇制度もあり、3月末は1年以上の継続保有で3枚、2年以上で4枚、9月は1年以上の継続保有で1枚、買物優待券が追加されます。家電の購入や買い替えを検討中の人にはぴったりの優待と言えそうですね。
「180円スニーカー」をはじめ、財布の強い味方【ヒラキ】
■権利月:3月
■最低投資金額:9万3300円(2/27終値933円×100株)
■配当金額(会社予想):20円
■予想配当利回り:2.14%
「 ヒラキ 」は、自社で企画開発した靴や衣料品を兵庫、大阪の5店舗と通販で販売しているほか、大手小売店向けのOEM商品も手がけています。キッズ用の“180円スニーカー”のイメージが強い人も多いかもしれませんね。
2020年3月期は、店舗販売ではスニーカーの品揃えの拡充、通販では広告宣伝の強化、また卸販売専用の通販サイトの立ち上げなど、各事業でさまざまな施策に取り組んでいます。通期の会社計画は、わずかですが増収増益を見込んでいます。
優待内容は、100株以上で2000円分の買物券です。関西にある5つの店舗と通販で利用可能です。キッズ・レディース・メンズの靴だけでなく、衣料品や日用雑貨、キッチン雑貨などまで扱っています。
しかも、780円のスポーツシューズに480円のTシャツと、リーズナブルな商品が豊富で、買物券だけでもいろいろと楽しめそうです(価格は一例です)。
番組特製QUOカードが人気!【朝日放送グループホールディングス】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:7万円(2/27終値700円×100株)
■配当金額(会社予想):18円
■予想配当利回り:2.57%
2018年に持株会社に移行し、傘下に朝日放送テレビや朝日放送ラジオなどの事業会社を抱える「 朝日放送グループホールディングス 」。
中核となる朝日放送テレビでは関西ローカルだけでなく、「新婚さんいらっしゃい!」や「M-1グランプリ」など全国ネット番組も多数制作しています。また、ハウジング事業やゴルフ事業も手掛けています。
2020年3月期は、テレビスポットCMの市況が悪化していることなどから通期予想(売上高・営業利益・経常利益)を下方修正。通期の会社計画は、増収ながらも2ケタの減益見込みとなっています。
株主優待は、100株以上で500円分の番組特製QUOカードです。年2回なので年間1000円分と金額的にそれほど大きいわけではありませんが、毎回朝日放送テレビの番組のキービジュアルがデザインされているのがポイント。
たとえば、前回は人気の「ポツンと一軒家」、前々回は「そんなコト考えた事なかったクイズ! トリニクって何の肉!?」でした。次回のQUOカードの絵柄になる番組を予想するのも、楽しみの一つかもしれませんね。
ボウリングなど家族や仲間で遊び尽くそう【ラウンドワン】
■権利月:3月/9月(年2回)
■最低投資金額:8万3000円(2/27終値830円×100株)
■配当金額(会社予想):20円
■予想配当利回り:2.40%
ボウリングやカラオケ、時間制スポーツ施設のスポッチャなどで遊べる、屋内型の複合レジャー施設を運営している「 ラウンドワン 」。
北海道から沖縄まで国内に103店舗(2019年12月末時点)を展開するほか、中長期的な成長が期待できる米国で積極的に出店を続けています。2019年12月末時点の全米店舗数は39店で、さらに約20店の出店を計画中です。
2020年3月期の会社計画は増収営業増益の見込みですが、米国で一部資産に減損損失が生じることから最終利益については2ケタの減益を見込んでいます。
株主優待は、国内のラウンドワン各店で利用できる3種類のチケットです。具体的には、①会員入会券、②500円割引券、③初心者向けの健康ボウリング教室・ボウリングレッスン優待券で、100株以上で①1枚②5枚③1枚、500株以上で①1枚②10枚③1枚、1000株以上では①1枚②15枚③1枚がもらえます。
500円割引券は、ラウンドワンでの1000円以上の利用につき1人1日1枚利用が可能です。なお、会員入会券は保有株数によって会員ランクが異なります。
いかがでしたか? バラエティ豊かな優待が数多く揃っている3月。これまで優待投資は未経験という人も、気になる銘柄が見つかったらこの機会にぜひチャレンジしてみては?
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。