GoogleとYouTube出身者コンビによる時間管理の本。自分が本当にやりたいことのための時間を増やすテクニックをお教えします。「やることリスト」が大嫌いな人にこそ!
デフォルトを変えれば、あなたの時間は必ず増える
冒頭で読者はこう宣告されます。
「あなたの時間の9割はデフォルトで決まっている」と。
たとえば、仕事の打ち合わせ。「30分、または1時間」となんとなく決めてしまってはいませんか? 本当は立ち話で済むものであったとしても?
あるいは、あなたのスマホ。SNSやニュースアプリをすぐにチェックできるよう、ホーム画面の見やすい位置に並べていたりはしませんか?
「そんなデフォルトを変え、時間を生み出す」のが本書の目的。気の散らないiPhoneの作り方(!)や即レス文化を拒絶する方法、運動や睡眠や飲食(コーヒーを飲む時間帯は何時がベストか?)に至るまで、効率化のワザが網羅されています。
類書と異なる点が2つ。「やることリスト=他人の仕事のためのリスト」だと公言する著者だけに、目的は人のためではなく、あくまで自分のための時間を作り出すこと。
もう1点は著者が2人いる点を活かし、相反するテクニックを紹介していること。1人が「集中力を高めるための断食法」を挙げれば、もう1人は「断食はムリ!」と言わんばかりに「集中力を高めるための間食法」を挙げていたり。
アメコミタッチの挿絵同様、語り口はユーモアに溢れています。読者によるアレンジ大歓迎のスタンスであり、「こうすべき」といった“べき論”もなし。仲間とワイワイ喋っているうちに、自分にとってのスゴ技を発見できるような感覚に近いです。その意味で、読み手が余白を埋めていく本でもあります。
なお、個人的には「その日のハイライト(一番やりたいこと)」を決めて1日に臨む方法が気に入りました。ハイライトは仕事に限らず、「休暇の行き先のリサーチ」等でもOK。集中点を意識するだけで1日が濃くなった気が! この方法、特に「(多忙過ぎて)何をやっていたのか思い出せない」現象に陥りがちな人におススメらしいです。