無視できない世界のトレンド、ESG投資に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

いま、世界で「ESG投資」という考え方の投資がトレンドになりつつあります。しかし、日本のESG投資比率は海外と比べると低い状況にあります。このため、銘柄選別をするうえでESGが重視される余地は大きいと考えられます。ESG投資ってそもそも何? という疑問から、ESGに関連する企業などまでご紹介します。

ESG=環境+社会+ガバナンス

「ESG」とはEnvironment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス、の頭文字を合わせたもので、「ESG投資」とは増益率やROEなどのような財務情報に加え、非財務情報であるESGへの取り組み状況を考慮して投資することを指します。

地球温暖化や人権問題などを背景に、グローバルでESG投資の注目度が高まっており、世界のESG投資残高は、2016年:22兆8380億ドル→2018年:30兆6830億ドル(16年比+34%)へと急速に増加しています(Global Sustainable Investment Reviewより)。

日本でもESG投資の潮流が鮮明に

2018年のESG投資残高を国・地域別でみると、欧州と米国では8割以上を占める一方で、日本は全体の1割に満たない水準にあります。しかし、運用資産全体に占めるESG投資の割合が、2016年の3.4%から2018年に18.3%に拡大するなど、ようやく日本でもESG投資の潮流が鮮明になってきました。

日本では、2015年に世界最大の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、ESG投資を提唱する責任投資原則(PRI)に署名したことをきっかけに、ESGへの関心が高まりました。GPIFはESG投資を推進しており、また企業側でもESGの観点を企業価値向上の策として取り入れる動きがみられます。

現状では、海外と比べて日本のESG投資比率はまだ低水準にあります。このため、今後銘柄選別する際にESGが重視される余地が大きいと言えるのではないでしょうか。

社会の課題を解決する企業の選び方

GPIFは日本株のESG指数として、以下の3本を選定しています。

・FTSE Blossom Japan Index
・MSCIジャパンESG セレクト・リーダーズ指数
・MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)

GPIF自体がこれらの指数に投資をするだけでなく、ほかの投資家もこの指数を参考にすることが予想されます。ですから、まずはこれら指数に採用されている企業に着目してみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、上記3指数全てに採用されている銘柄を一部ご紹介します。


大林組
ニチレイ
花王
リクルートHD
ダイキン工業
ソニー
ヤマハ
NTTドコモ
SCSK