5Gやマイナポイントも! 2020年の注目スケジュール

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

重要イベントのスケジュールを把握しておくことは、投資家としての心構えのキホン! そこで今回は、2020年の注目イベントを関連銘柄とともにご紹介します。重要イベントをチェックして2020年の株式投資に備えましょう!

2020年5大注目スケジュール
①【1月31日】イギリスのEU離脱期限
②【3月29日】羽田空港・国際線の発着枠が増加
③【春ごろ】通信大手3社が5G商用サービスを開始
④【7月24日】東京オリンピック開幕
⑤【9月ごろ】マイナンバーカードを活用した買い物用ポイント「マイナポイント」実施

【1月31日】イギリスのEU離脱期限

2016年6月23日の国民投票で決まったイギリスの「EU離脱」。最近では、2019年12月12日の総選挙で、ボリス・ジョンソン英首相率いる保守党が過半数を獲得しました。ジョンソン首相はEU離脱を実現させると公言していたため、2020年1月末に離脱が実現する見込みです。株式市場では、こうした動きを「悪材料出尽くし」ととらえて、ポンド高・株高で反応しました。

ただ、ここで終わりではありません。実は細かい貿易面での交渉や、 EU加盟国各国の議会承認などが必要なため、少なくとも2020年末までは「離脱中」の状況が続きます。その交渉が難航したり、各国議会での承認がまとまらなければ、経済の停滞を招く恐れもあり、再び株式マーケットでリスクとして意識される可能性があります。1月末のEU離脱時に、どのような方針・スケジュールが示されるのか注目が集まります。

【3月29日】羽田空港・国際線の発着枠が増加

増えるインバウンド旅行客や2020年東京オリンピックなどに対応するため、羽田空港・国際線の増便が予定されています。羽田からの国際線は今回の変更により、年6万便から年9.9万便へと65%も増える見込みとなっています。

海外便の供給が大きく増えることから、需給悪化で「 日本航空 」や「 ANAホールディングス 」などの株価はやや低迷しています。しかし、その供給に見合うように旅行客が増加していけば、次第にそのギャップも解消されることが見込まれます。今後のインバウンド旅行客の数次第では、業績が上向くかもしれませんね。

【春ごろ】通信大手3社が5G商用サービスを開始

通信速度がより早くなり、多くの通信機器との接続が可能になる次世代通信規格「5G」。すでに韓国や米国ではスタートしていますが、いよいよ国内でもサービスが開始されます。

5Gの主な特徴は、①高速・大容量、②低遅延、③多接続です。4Gと比べると、通信速度は20倍、遅延は10分の1、同時接続数は10倍と大きく機能アップとなります。こうした進化により、自動運転の実現や、VRを活用した臨場感のあるスポーツ観戦が可能となるなど、私たちの生活が大きく変わる可能性があります。

NTTドコモ 」や「 ソフトバンク 」、「 KDDI 」など大手通信会社はもちろん、通信用計測器の大手「 アンリツ 」や、5G基地局の設置などを行う「 NEC 」などさまざまな企業がこの5Gに関わっています。

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【7月24日】東京オリンピック開幕

2020年はなんといっても東京オリンピック・パラリンピックに日本中の注目が集まります! 約1000万人とも言われる開催中の来場者数。選手の活躍はもちろん、景気の活性化にも期待したいですよね。

オリンピック開催に合わせて注目が集まりそうな企業としては、自動運転関連とテレワーク関連があげられます。実は7月6日~12日にかけて、羽田空港周辺などで自動運転のデモンストレーションが行われます。「 トヨタ自動車 」や「 SUBARU 」など日本の自動車メーカーの自動運転技術を改めて世界に発信することができれば、関連企業への関心が高まるかもしれません。

また、開催期間中は公共交通機関の混乱を避けるために、自宅での勤務を可能とするテレワークを実施する企業があるようです。働き方改革にもつながるテレワークに再度注目が集まれば、「 NECネッツエスアイ 」や、「 ギグワークス 」、「 アマノ 」といった関連企業が恩恵を受けるかもしれませんね。

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【9月ごろ】マイナンバーカードを活用した買い物用ポイント「マイナポイント」実施

2万円までのキャッシュレス決済に対して、25%ポイントバックする「マイナポイント」も2020年注目のテーマです。これは、消費増税後の需要喚起と、東京オリンピック・パラリンピック大会後に見込まれる個人の消費鈍化を懸念した政府が消費下支えを狙って実施するものです。

このキャンペーンに参加するには、マイナンバーカードの発行と、マイキーIDの発行が必要となります。マイキーID発行には、スマホのアプリでマイナンバーカードを読み取るか、パソコンにICカードリーダをつなげて読み取ることが必要となります。

LINEペイやPayPayをてがける「 Zホールディングス 」といったキャッシュレス決済関連企業のほか、「 ソニー 」などICカードリーダを手掛けている企業にも注目が集まりそうですね。

スケジュール把握は投資家のキホン

株式市場は、常に数ヵ月から1年先の業績などを先読みして動く傾向があります。投資家の未来の心理を読み解くことができれば、上がるタイミングや下がるタイミングをつかみやすくなるかもしれません。また、身近なニュースをきっかけに、「期待」で上昇し、「事実」で売られるのも株式投資の特徴です。2020年のスケジュールをチェックして、来年の相場に備えましょう!

※Zホールディングス(4689)は記事執筆時点で、日本証券金融の注意喚起銘柄に指定されています。