【2019年IPO】上昇率トップはクラウド支援のサーバーワークス

IPOって儲かるのか会議/ 日興フロッギー編集部

バブル後の高値2万4270円に迫りつつある日経平均株価。米国と中国の貿易摩擦の行く末が不安視される中でも、株式市場は好調なようです。そんな中、2019年のIPO(新規公開株式)マーケットはどんな銘柄に注目が集まったのでしょうか。気になる初値勝率や今年の特徴などを読み解いて、2020年のIPO投資に備えましょう!

初値勝率は約9割と高水準をキープ

2019年に新規上場した銘柄は65社でした(12月第1週までの集計。REITやインフラファンドなどは除く。以下同様)。12月の上場予定分も含めると、2019年は合計86社が上場予定となっています。

すでに上場している分だけを見ると、公募価格で買って、初値で売った時の「初値勝率」は89%と例年通り高い勝率を記録しました。ただ、2019年の平均上昇率は67%と、過去5年で比較するとそこまで高くなかったことがうかがえます。

11月下旬から巻き返したIPO企業

初値を付けた後のIPO銘柄の株価はどうだったのでしょうか。春以降、世界的に景気が落ち込むのではないかという懸念などから、日経平均株価は緩やかな下落トレンドにありました。

直近1年間に上場した企業の株価パフォーマンスを表す指数「IPOインデックス」を見ると、新規上場企業の株価は日経平均に遅れて8月以降、株価が落ち込みました。さらに、日経平均が9月以降反発したときにも、IPOインデックスは遅れて11月以降に上昇しています。最近上場した企業は内需系企業が多いということもありますが、株式マーケットの中で投資マネーが大型株から小型株へ、外需株から内需株へと、循環している様子がうかがえます。

発行総額は2011年以来の少なさ

2019年の発行総額は2011年以来の少ない金額にとどまりそうです(12月第1週までで1979億円)。背景には、米中貿易摩擦や10月の消費増税によって、景気がこの先どうなってしまうのか不透明感が漂い、経営者の上場に対する意欲が冷え込んでしまっていた可能性があります。

また、発行総額が100億円未満の会社が95%を占め、大型の上場はありませんでした。100億円を超える上場となったのは、クラウド型名刺管理サービスを展開する「 Sansan 」と、ビジネスチャットツールを提供する「 Chatwork 」、誰でもデザイン性の高いオリジナルネットショップを作成できるサービスを展開する「 BASE 」の3社のみでした。

上昇率トップは+277%の「サーバーワークス」

2019年のIPOで初値上昇率が一番大きかったのは+277%の「 サーバーワークス 」です。同社はアマゾンのクラウドコンピューティングサービス「アマゾンウェブサービス(AWS)」の導入支援を主な業務としています。導入を計画する顧客に対して、クラウド戦略立案から設計、構築などの導入支援、運用代行までのサービスを一貫して提供しています。

また、2位にランクインした「 Welby 」も同じようにクラウドサービスを手がけています。同社は、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード、個人によって電子的に管理される自らの健康・医療情報)のプラットフォーム事業を展開。クラウドサービス「Welbyマイカルテ」では、生活習慣病患者、予備軍の自己管理をサポートしており、自分で健康を管理することを可能にしています。

そのほかにも、難関大の新卒学生向け就活サイト「外資就活ドットコム」を運営する「 ハウテレビジョン 」や、人の意識構造を分析し、独自開発の理論をベースにしたコンサルティング事業を営む「 識学 」などユニークな企業も多く上場しました。

「大型IPOがなかったから、今年はIPO銘柄にあまり注目しなかった」という人も、ぜひこれら上場したばかりの銘柄をチェックして、これから伸びそうなサービスや会社を探してみてはいかがでしょうか。日興フロッギーでは、ログインすれば最新の四季報も読めます。ぜひ併せて活用してみてください。

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*ご留意事項
本記事内の各種データについては、過去の一定期間における実績を基にSMBC日興証券が分析したものであり、将来の成果等を保証するものではありません。IPOのデータは、REITとインフラファンドを除いたものです。IPO投資に関する手数料・リスク等の情報はこちら