仕事を続ける現役シニアが増えています。消費面で若い世代よりも多くの資金を趣味や自己研鑽に投入する傾向があり、「シニアマーケット」は拡大傾向にあります。そこで今回は、そんなシニア世代に人気のサプリメントやフィットネスに関連する企業をご紹介します。
仕事を続けるよ、何歳までも
シニア世代の常用労働者がこの10年で大きく増えています。政府は生涯現役社会の実現に向けて、企業に「定年制の廃止」や「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置を義務付けています。また、仕事が好きで続けたい、生活水準を向上させたいといった意欲を持つシニアは少なくありません。常用労働者の増加の背景にはこうした政策と潜在的なニーズの合致があるものと考えられます。
「旅行」や「健康」にはお金を惜しまず使う
消費動向に目を転じると、シニアのお金の使い方に特徴がみられます。世代を問わず代表的な趣味の一つに旅行が挙げられますが、60代と70歳以上の旅行費は他の世代より高く、支出に占める割合も高い傾向にあります。30代は幼児関連費、40代及び50代は教育関係費がかさみますが、60歳を超えると子育てがひと段落し、趣味に投じる意欲が高まると見られます。
また、サプリメントなどの健康保持用摂取品や、スポーツクラブ使用料の支出金額、支出割合についてもシニア層の占める割合が高い傾向にあります。人生100年時代を迎え、いつまでも若々しく、健康でいたいと願う人は少なくないのではないでしょうか。2017年にはシワ改善効果のある化粧品が大きな話題となり、最近では「筋肉は裏切らない」と筋トレに熱中する中高年も増えているようです。
シニア関連市場は拡大へ
当面、シニア人口は増加の一途をたどる見込みで、活発なシニア層の厚みは増すと考えられます。旅行、美容、健康に留まらず、カラオケ、ゴルフ、買い物などシニアライフを満喫させる市場は有望な投資テーマの1つと言えるのではないでしょうか。
すでに関連企業には追い風が吹いています。たとえば、ファンケルは60代以上を想定したスキンケア商品「ビューティブーケ」が通販チャネルを中心に好調で、同商品の2020年3月期売上は前期比20%増を計画しています。また、ルネサンスのフィットネス会員における60歳以上の比率は2007年3月期の20%から2019年3月期は34%に高まっています。シニアの毎日を彩る銘柄を中長期的な投資テーマとして、これからも注目したいですね。