第4投・初めてのお給料は何に使いましたか?
初めてのお給料となると、それはプロになって?
イチロー
そうです。
イチロー
見ました。それは見ましたよ。銀行に行きました。
イチロー
寿司を食いに行きました。
イチロー
はい。安い寿司屋なんですよ。だけど、18歳のガキでもカウンターで食べられるようなすごくカジュアルな、回転寿司ではないんですけれど。
イチロー
お昼時に行って、一人で噛み締めていたら、まあ子供ですから。何人か握り手さんが、職人さんがいたんですけれど、そのうちの若めのお兄さんがちょっとサービスしてくれるんですよね、周りを見つつ。
イチロー
ああ、優しいなあ、と思って。だから、多分学生だと思われたと思うんですよね。それで、頑張ってお寿司を食べにきて「お前頑張れよ」っていう、思いの詰まったそのアワビが、最高に美味しかった記憶が。それが最初の給料の思い出ですね。
バイトしてみたいと思ったことはありますか?
イチロー
ないですね。
イチロー
ないです。できればやりたくないです。ただ今思うのは、無駄なことの中にも大事なことはたくさんあるので、体験していないうちから引くことは危険だな、とある時に感じたことがあって。だからバイトしないという考え方はダメです。ダメです!
第5投・作文は嫌いでしたか?
「何か一個論文書け」と言われたら何をテーマにしますか?
イチロー
なんだろう? 心理? ですかね。人の心の動きなどを、見るのが大好きなので。それは色々な人を見てきたし、色々な選手・色々な国の選手達がいましたから、人の心のその……。
イチロー
アスリート以外でも、人の心に興味がありますね。
イチロー
作文は大嫌いでした。読書感想文が夏の課題にあるじゃないですか。大嫌いで、とにかく埋めていく作業が。
イチロー
感想ではなくて埋める作業なので、僕にとっては強調するために、例えば「ずっと」と書くところを「ずーーーーーっと」と、埋めていってシバかれるっていう、そういう子供だったんですよ。
第6投・家事は苦手ですか?
イチロー
プロの寮生活は一人暮らしといいますかね? じゃあそこですね、18のときですね。
イチロー
いやいや高校の寮からですから、ホテルみたいなものですよ。天国ですよ、プロの寮なんて。
イチロー
洗濯機が何台か置いてあって、それを。
イチロー
自分でします。
イチロー
大好きですよ。
「好き」じゃないですよ、「大好き」です。
イチロー
朝食を自分で用意するんですけれど、冷凍してある食パンをまず切ってから解凍してトーストするんですけれど。それまでにスープを温めるために鍋にお湯を入れて温めるーー全部順番があるんですね。これが一個狂うと、ものすごくイライラします。
イチロー
1枚目と2枚目はやっぱり余熱があるので、見ておかないと焦げてしまうとかあって。最後、焼き目がついていく瞬間を見ているのがすごく好きなんですよね。