【イチロー人生すごろく】初任給で食べた寿司が最高に美味しかった【20代編】

人生100年 イチロー人生すごろく/ イチロー

前回は、10代のころの時間やお金の使い方、そしてやってみたいことを話してくれたイチローさん。今回のステージは20代について。イチローさんの人生すごろく、20代編スタートです。

第4投・初めてのお給料は何に使いましたか?

−−「バイトを始める、お給料をもらう」に止まりました。
初めてのお給料となると、それはプロになって?

イチロー

そうです。

−−見ました? やっぱり。

イチロー

見ました。それは見ましたよ。銀行に行きました。

−−何に使ったんですか?

イチロー

寿司を食いに行きました。

−−お一人で?

イチロー

はい。安い寿司屋なんですよ。だけど、18歳のガキでもカウンターで食べられるようなすごくカジュアルな、回転寿司ではないんですけれど。

イチロー

お昼時に行って、一人で噛み締めていたら、まあ子供ですから。何人か握り手さんが、職人さんがいたんですけれど、そのうちの若めのお兄さんがちょっとサービスしてくれるんですよね、周りを見つつ。

イチロー

ああ、優しいなあ、と思って。だから、多分学生だと思われたと思うんですよね。それで、頑張ってお寿司を食べにきて「お前頑張れよ」っていう、思いの詰まったそのアワビが、最高に美味しかった記憶が。それが最初の給料の思い出ですね。

−−バイトは当然したことないと思うんですけれど。
バイトしてみたいと思ったことはありますか?

イチロー

ないですね。

−−そうですよね、 バイトしてみたいという……。

イチロー

ないです。できればやりたくないです。ただ今思うのは、無駄なことの中にも大事なことはたくさんあるので、体験していないうちから引くことは危険だな、とある時に感じたことがあって。だからバイトしないという考え方はダメです。ダメです!

第4投の結論:イチローはバイトはしない。

第5投・作文は嫌いでしたか?

−−「ゼミでの卒業論文が表彰される」に止まりました。
「何か一個論文書け」と言われたら何をテーマにしますか?

イチロー

なんだろう? 心理? ですかね。人の心の動きなどを、見るのが大好きなので。それは色々な人を見てきたし、色々な選手・色々な国の選手達がいましたから、人の心のその……。

−−それはアスリート心理ですか? それともアスリート以外でも。

イチロー

アスリート以外でも、人の心に興味がありますね。

イチロー

作文は大嫌いでした。読書感想文が夏の課題にあるじゃないですか。大嫌いで、とにかく埋めていく作業が。

イチロー

感想ではなくて埋める作業なので、僕にとっては強調するために、例えば「ずっと」と書くところを「ずーーーーーっと」と、埋めていってシバかれるっていう、そういう子供だったんですよ。

第5投の結論:イチローは「ずーーーーーーーーーーーーーーーっと」で文章を埋める。

第6投・家事は苦手ですか?

−−「一人暮らしを始める」に止まりました。

イチロー

プロの寮生活は一人暮らしといいますかね? じゃあそこですね、18のときですね。

−−さみしかったですか?

イチロー

いやいや高校の寮からですから、ホテルみたいなものですよ。天国ですよ、プロの寮なんて。

−−洗濯とかどうするんですか、プロの方は寮で。

イチロー

洗濯機が何台か置いてあって、それを。

−−自分で洗濯するんですか?

イチロー

自分でします。

−−そういうのものすごく苦手そうですけれど、洗濯とか掃除とか。

イチロー

大好きですよ。
「好き」じゃないですよ、「大好き」です。

イチロー

朝食を自分で用意するんですけれど、冷凍してある食パンをまず切ってから解凍してトーストするんですけれど。それまでにスープを温めるために鍋にお湯を入れて温めるーー全部順番があるんですね。これが一個狂うと、ものすごくイライラします。

イチロー

1枚目と2枚目はやっぱり余熱があるので、見ておかないと焦げてしまうとかあって。最後、焼き目がついていく瞬間を見ているのがすごく好きなんですよね。

第6投の結論:イチローは家事が大好き。