一挙公開! 配当利回り・営業増益率ランキング 11月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

国内外の社会の動きや投資環境をもとにホットな銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。11月号に新しく採用された銘柄はありません。そこで今回は、配当利回りや今期増益率、10月に年初来高値を更新した銘柄など、さまざまな投資指標で日興ストラテジー・セレクションをご紹介します!

予想配当利回りランキング

予想配当利回り=予想1株あたり配当金÷株価

配当利回りの高い銘柄は低い銘柄に比べて、投資金額に対してもらえる配当金が多くなります。ただ、配当利回りが高くなっている理由として、業績が今後伸びないと予想され、株価が大きく下落しているケースもあるので、注意が必要です。

日興ストラテジーセレクションの中で予想配当利回り(会社予想)がもっとも高いのは2.86%の「 大林組 」です。2019年3月期に最高益を更新したものの、今期や来期の業績が横ばい圏にとどまるとの予想(東洋経済予想)などから、投資家が慎重にみているものと考えられます。

また、3位にランクインしたのは時間貸し駐車場でシェアNo.1の「 パーク24 」です。同社も今後さらなる利益の上積みが見込みづらいとみられていることから、2018年10月以降株価は下落しています。ただ、消費増税を機に10月から順次、駐車場料金を値上げしていることや、「タイムズカーシェア」は順調に会員数を伸ばしていることなどから、大きな業績の落ち込みは想定しづらい状況です。

悪材料が出尽くしたことを確認できてから、配当利回りに着目した投資を検討してもよいかもしれませんね。

予想PER格差ランキング

予想PER=株価÷予想1株あたり純利益
予想PER格差=予想PER-予想業種平均PER

一般的には10倍、15倍というように倍率で表され、倍率が高くなれば割高、低くなれば割安と判断されるPER。ここではさらに、業種平均と比較することで、業種の中での割安・割高を考えました。

予想PERの業種とのかい離が大きいトップ銘柄は「 ソニー 」でした。柱のゲーム事業が減速していることや、米中貿易摩擦の影響から、2018年秋以降の株価は下落傾向にあります。そのためPERも業種平均より割安感が出ていると考えられますが、半導体市況の回復などから株価は持ち直しつつあり、高値更新も間近に迫っています。割安感に着目した買い注文がこれから増えるかもしれませんね。

一方、予想PERが18.7倍と高水準ながらも2位にランクインしたのは、ホテル「ドーミーイン」などを運営する「 共立メンテナンス 」です。2019年の春以降は、日韓関係の悪化などから、訪日客のホテル利用が減少するのではないかという懸念が浮上。そのため、予想PERもやや下落トレンドにありました。ただ、足元では底打ちしつつあり、PER格差は解消に向かう可能性があるのではないでしょうか。

低PBRランキング

PBR=株価÷1株当たり純資産

PBRは企業の解散価値(編集部註:企業が倒産した際に、株主資本がいくら残るのかを算出したもの)を表すとされ、一般的に1倍を割れると割安と判断されます。日興ストラテジーセレクションの中では、唯一「 カネカ 」だけが0.7倍と1倍を割れています。

同社は海洋プラスチック問題など環境にやさしい素材「カネカ生分解性ポリマーPHBH®」の開発などに強みをもっていますが、足元では米中貿易摩擦などの影響で自動車向けやエレクトロニクス産業向けの素材の採算が悪化。株価はようやく底打ちの兆しをみせていますが、割安な水準でまだ放置されているともいえます。

また、3位にランクインしたのは首都圏の再開発などの恩恵を受けている「 住友不動産 」です。2020年3月期には再び最高純益を更新する予想(東洋経済予想)となっているものの、米中貿易摩擦の影響で国内景気に対する先行き不透明感があることなどが株価の重しになっている模様です。今後の国内景気の行方とオフィス市況に要注目です。

予想営業増益率ランキング

本業の儲けを表す営業利益。その伸び率が今後どうなっていくのかを把握することは、PERや株価の先行きを見通すうえで非常に重要です。

そんな今期予想営業増益率が高かったのは、EC(電子商取引)向けクレジットカード決済の代行を行う「 GMOペイメントゲートウェイ 」です。最近ではオンライン決済に加えて、対面取引におけるキャッシュレス化需要も追い風となり、業績は好調なようです。ただ、すでに予想PERは100倍を超えているため、今後の業績進捗次第では、利益確定売りの動きも出る可能性がある点には注意が必要です。

一方、3位にランクインしたのは「ITでオフィスを元気にする」「 大塚商会 」です。2020年1月のWindows7サポート終了に伴う更新需要が追い風になっているほか、足元ではサイバー攻撃に対応する顧客IT支援「たよれーる」が好調とのこと。今期は最高益更新も予想(東洋経済予想)されており、見通しは良好のようです。

10月年初来高値更新銘柄

チャートから銘柄の売買タイミングを探る方法は複数ありますが、その中でも特に簡単かつ効果的に企業の変化を捉えられる可能性が高いのが「高値更新銘柄」のチェックです。高値を更新するということは、業績が上向く可能性が高いと判断している人が増え、売りの圧力が減っていることを表します。

2019年10月に年初来高値を更新した日興ストラテジーセレクション銘柄は6銘柄ありました。中でも年初以降、株価の上昇が続いているのが、半導体シリコンウエハーで世界シェアトップを誇る「 信越化学工業 」です。次世代通信規格5Gの導入や、AI、IoTの普及などにより、半導体に対するニーズは高まっており、スマートフォン関連需要の頭打ちを克服しつつあります。

また、自動車向け塗料で国内トップの「 関西ペイント 」も年初来高値を更新しています。新興国の景気不透明感などから2018年初以降、株価は下落しました。ただ、今年に入ってインド市場の回復などが徐々に見え始めており、 売りが一巡した模様。これからの海外事業の本格回復に期待したいところです。

今回は日興ストラテジーセレクションを投資指標などによる様々なランキング形式でご紹介しました。この中から、ぜひ自分のスタイルや好みにあった銘柄を探して投資を検討してみてはいかがでしょうか。

綜合警備保障
ニチレイ
花王
テルモ
ペプチドリーム
伊藤忠テクノソリューションズ
ダイキン工業
日本電産
キーエンス
パン・パシフィック・インターナショナルHD
ヤマハ
リログループ
京成電鉄

2019年11月号では、SGホールディングス(9143)が除外となりました。
宅配便市場の成長は継続しているものの、設備投資コストの増加や、低コスト配送事業者の攻勢などが想定され、業績の停滞感を懸念しました。
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