「老後2000万円問題」などを受けて、注目され始めている少額投資。現在では、最低100円からスタートできる商品もあることから、元手が少ない方をはじめ、まずは手軽に投資してみたい初心者にも取り組みやすいと言えます。
潤沢な貯金がなくてもすぐに始められるなど、メリットが多いですが、デメリットもあります。この記事では、少額投資が注目されている背景を解説し、さらにおすすめの少額投資商品を紹介します。
少額投資とは?
少額投資とは、その名前の通り比較的少ない金額で始められる投資のことです。投資経験がなく投資に対して不安がある方や、元手になる資金が少ない方でも始めやすいことが一番の特徴です。
なぜ少額投資が注目されているか
現在、銀行の普通預金にお金を入れていても利子がほとんど付かないことや、「老後2000万円問題」が注目されたことでも顕著になったように、将来の年金制度に不安を持つ人が増えています。
また、政府も貯金から投資へという流れを後押ししていて、「NISA(少額投資非課税制度)」という少額投資に対する税の優遇制度を設けたり、また金融庁自らが国民に、資産形成のために投資が必要であることを説明しています。
メリット:少ない元手で、投資のセンスを養える
少額投資のメリットは、少ない元手ですぐに始められることです。投資を長期的に成功させるには、ある程度の経験が不可欠です。少額投資はそうした経験を養うのに適していると言えます。
しかし、たとえ少額であっても投資であるため、元本割れのリスクが伴います。未経験者にとってはこの「リスクがある」という事実があるために、投資すること自体ををためらってしまう大きな障壁となっていますが、少額投資であれば、たとえ元本割れになる事態に見舞われたとしても、損失は少額で済みます。
また、投資商品の多くは、積立をすることができるならば複利で運用することが可能です。複利とは、一番はじめに決めた掛け金に対して利子が付く(=単利)のではなく、元本と毎回の利子を足した金額に対して利子が付く仕組みです。そのため、長期的に投資すればするほど、金銭的なメリットが出ます。
複利に関する詳しい説明はこちらをご参照ください。
「あまり知られていない複利の威力」を読む
デメリット:お金の増え方がゆっくり
少額投資のデメリットをあえてあげるとするならば、元本が少ない分リターンが発生しても額が小さいことです。投資先の価格が急騰した場合でも、資産が大きく増えたという実感は得にくいかもしれません。
少額投資におすすめの4商品
少額投資にはさまざまな商品(種類)がありますが、ここではSMBC日興証券で取り扱っているおすすめの4商品をご紹介します。
日興フロッギー(キンカブ)
100円から金額を指定して株を買えるのが日興フロッギーです。しかも100万円以下の買いなら手数料が無料です。ちなみにフロッギーで株を買える仕組みをキンカブ(金額・株数指定取引)と呼びます。
日興フロッギーの特徴を読む
株式は通常、株ごとに決められた単位(「単元」と言います)で売買されます。例えば1株6000円の銘柄の単元株数が100株だった場合、通常の株式取引でこの株を買うには最低60万円が必要となります(手数料・消費税は考慮していません)。しかし、フロッギーであれば単元株数に縛られることなく、売買することが可能です。
投信つみたてプラン
投資信託で少額投資を始めるなら、投信つみたてプランがおすすめです。
投信つみたてプランは、自分の証券口座や銀行口座から毎月一定額を自動的に引き落として、投資信託を買い付けていくサービスです。
1つの投資信託につき1000円以上、1000円単位で買い付けることができます。ボーナス時の積み増しもできるので、例えば、「毎月2万円分、6月と12月だけ5万円買い付ける」といった設定も可能です。しかも、バンク&トレードをお申し込みのダイレクトコースのお客様は、引落金額が10万円までの場合、申込手数料が無料となります!
株式ミニ投資
株式ミニ投資は、キンカブと同様に通常より少ない資金で株式投資を行える商品です。
株式ミニ投資なら1単元の10分の1の単位で購入・売却することができます。つまり、1株3500円、1単元100株の銘柄でも、3万5000円(手数料・消費税は考慮していません)から投資をすることができます。
なお、投資した株式の名義人は取扱証券会社となります。しかし、配当金などのリターンは、通常の株式投資と同じように得ることができます。
株式るいとう(株式累積投資)
「株式るいとう」は毎月定額で株式を購入する投資方法です。
例えば株式るいとうで買付を月1万円に設定すると、株価の変動に関係なく、毎月1万円ずつ株式を買い付けていくことになります。
購入金額は1万円以上かつ1000円単位で設定することができます。
株式ミニ投資と同様に、株式の名義人は取扱証券会社となりますが、配当金などの投資果実は再投資されます。そして購入者の持分が単元株式数に達した際に、その単元株が取扱証券会社から自分の名義に変更となります。
まとめ
住宅購入用の資金や老後資金など、将来に漠然と不安を持ってはいても、その解決手段として投資の必要性を感じている人は、実はそう多くはありません。しかし、将来のお金に関して不安を感じている方こそ、必要なお金を確保するために、今から自分が無理なくできる範囲での投資を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
投資未経験者ほど投資を敬遠するのは、投資元本割れリスクへの懸念が強いためでしょう。知人の噂や報道など、極端な例を見聞きすることで、投資全般に対して「大損するのではないか」という気持ちが働き、投資をする際のブレーキになっていると考えられます。
しかし、投資全てが危険なものということは決してありません。リスクをコントロールすることは可能です。投資が怖いけれども、将来に対する不安を持っている方でも始めやすいのが、少額投資です。まずは少額で実際に投資を始めてみることで、少しずつ投資に対する心理的なハードルを下げることができ、同時に投資の実体験も得ることができるはずです。