カエル先生のマーケットハイライト(2019年8月編)

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。またしてもトランプ大統領による発言で大きく崩れた日本株式市場。しばらく上がる見込みはないの? 下値のメドは? そんな疑問にカエル先生がお答えします!

カエル先生の一言

8月は、米中貿易摩擦の再燃で世界景気に対する不透明感が高まり、株価は大きく下落しました。ただ、日経平均のPBRは1.02倍と、2013年以降でほぼ最低水準になりつつあります。9月は悪材料出尽くしなどから、株価反転の起点となる月になるかもしれませんね。

8月は米中貿易摩擦の再燃で株価急落

8月30日の日経平均株価は2万704円となり、前月末比817円安でした。
8月1日にトランプ米大統領が中国に対する関税第4弾の発動を表明。さらに、これまで実施してきた追加関税の税率引き上げなども公表し、米中貿易摩擦の再燃によって、日経平均株価は大きく下落しました。

当面の下値メドは「PBR1倍」水準

米中貿易摩擦の再燃に伴う世界景気の減速懸念により、8月上旬から大きく値を下げた日経平均株価。しかし、下旬にかけては下げ渋る場面も見られ、下値は限定的になりつつあります。こうした中で日経平均の水準を考える上で1つの参考となるのが、株価を純資産で割って計算される指標「PBR」です。

PBR=株価÷1株あたり純資産
(もしくは、時価総額÷純資産)

通常は個別企業ごとの割安・割高感を測る投資指標ですが、これを日経平均株価で求めたのが「日経平均のPBR」です。一般的にPBRは1倍を割ったら割安と判断されます。

2019年8月29日時点の日経平均PBRは1.02倍です。2013年以降でPBR1倍割れとなったのは、2016年2月12日と2018年12月25日の2回だけですので、いまの株価水準はPBRを通して見れば、割安感があります。PBRが1倍を割れた過去の局面では、その後しばらくして株価は反発していました。こうしたことから、「PBR1倍」というのは日経平均株価の1つの下値メドと言えそうです。

9月は景況感底打ちを確認する時間帯か

9月1日から始まる米国の対中関税第4弾。その影響が実体経済に影響がでるのは下旬ごろと想定されます。また、10月には国内で消費増税も予定されており、引き続き様子見ムードが高まりやすい環境にあります。

ただ、米国では追加緩和(利下げ)が実施されることが見込まれているほか、先ほど見たように相当程度割安な水準まで株価が下がっていることなどから、徐々に上値を切り上げる場面があると考えられます。いわゆる”悪材料出尽くし”で、株価反発の起点となる月になるかもしれませんね。

なお、FROGGYで買うことができる日経平均に連動するETFは以下の通りです。

ダイワ上場投信-日経225(1320)
日経225連動型上場投資信託(1321)
iシェアーズ・コア日経225ETF(1329)
上場インデックスファンド225(1330)
MAXIS 日経225上場投信(1346)