幼稚園から売上チェック、中学生で株デビュー!〜かぶ1000さん【第2話】

人生変えたきゃ投資人生/ かぶ1000川口真目

お小遣いは「親にねだるもの」じゃない。「自分で稼ぐもの」だ

恥ずかしながらうち、貧乏だったんですよ。あと、両親とも自営業だったので、僕は5歳の時からお店の売上帳を付けていました。「去年の夏祭りより今年は売上が良かった」とかね。だから僕は子ども時代からお金に触れ合う機会が多かったですし、それが楽しかったですね。お年玉やお小遣いは当時金利が高かった郵便局に預金していました。子ども会では廃品回収の担当で、夏休みになると、友だちとリアカーを引いて廃品を回収するんですけど、中には古本屋で高く売れる本が混ざってる場合もあったんです。売れそうな本があったら貰って古本屋に売りに行ってました。

古本屋さんに通うことでお店によって価格が違うことも分かってきたので、安値で売られているマンガ本を買って、別の古本屋で高く売ったりする、なんてこともしていました。親にお小遣いをねだるのではなくて、自分でお金を稼ぐ方法を考えるのが面白かったんですよね。

子どものころの夢は自分のお城を建てることでした(笑)。具体的にどれぐらいのお金が必要とかは厳密には考えてなかったんですけど、お城を建てるなら数十億円、いや、数百億円レベルですよね(笑)。

「男なら株を買ってみろ!」中2で株デビュー

学校の勉強は正直あまり好きじゃなかったですね。短絡的ですけど、「あんなこと勉強しても社会で絶対に役立たんわ」って思ってました。だから当然、成績も最悪でした(苦笑)。高校の時は赤点だらけでしたし、英語のテストに至っては○X問題もすべて間違えて200点満点中なんと9点でした(苦笑)。先生から言われました「逆にスゲーぞ」って(笑)。

僕が株式投資を始めたのは中学2年の時です。中学2年になると公民で経済の事を習うんですが、その時初めて学校で習ったことが役に立つかも!? と直感しました。昔からお金に敏感だった事もあるとは思いますが、当時母方のおじいちゃんが喫茶店を経営していたので、たくさんの新聞や雑誌がお店にありました。それを見る機会も多かったんです。

ちょうどそのころ郵便局の定期預金が満期になったんです。もう一度預け直そうとしたら金利がぐんと下がっていて1.68%になってました。小学生のころから複利の力を知っていたので、これでは増えないなと思いました。で、たまたま父方のおじいちゃんが株をやっていたんですよね。その時「男なら株を買ってみろ!」と言われて、株を買ってみようと思ったのが僕の投資家人生の始まりです。

株を始めてすぐに「株式投資は天職や!」って実感しました。中学の卒業文集には、将来の夢として「 任天堂 の大株主になる」って書いたほどです(笑)。

それからはもう株式投資に夢中でしたね。もともとやりたくないことはやりたくない。でも、やりたいことは一晩中でも集中できる――そんな性分だったんですよ。

ちなみに、小学生のころの夢は物理学者になることでした。そのころから自分が興味があることを突き詰めていくことが好きだったんです。当時、つくば万博の時放送された、宇宙誕生の秘密を解説した「宇宙・200億年の旅」という番組が大好きで200回、300回と見ましたね。

もし株式投資に出会わなかったら別の人生があったかなと思う時もあります。でも自分が好きな事を仕事にして、かつそれでお金が儲かる仕事ってなかなか稀だと思うんですよね。その点、株式投資の場合は、僕にとってすべてが合理的で、かつ自分が働けなくなった時でも(配当などで)株が自分を助けてくれるって思ったんです。

ジャージ姿で証券会社に入りびたる、名物中学生

株式投資と出会ってからは学校帰りに中学のジャージのまま証券会社に通ってましたね。勉強のために、古くなった株の雑誌やチャートブックなどを頼んで貰ったりもしてました。ただ、毎回お願いするのも他のお客さんの事もあるので、なかなか難しくなってきたんですよ。

そんなある日の中学校からの帰り道に、豪邸の軒先に会社四季報が廃品として出ていました。「あの古本もらえませんか?」といって手に入れたのが最新の会社四季報。白い表紙だったから書店で買ったのではなく、証券会社からもらったものだったんでしょうね。あれはうれしかった。

僕は人よりも能力があるは思ってはいませんが、早くからお金の事だけは人一倍敏感でしたし、生活に密着してました。株式投資と早く出会えたこともこうした生活習慣から自然に導かれていったんだと思います。

複利のパワーは豊臣秀吉に教わった

投資は「複利効果」から考えても早く始めたほうがいいですからね。僕が複利の力を知ったのは、小学生のときの歴史クイズからでした。豊臣秀吉が家臣(曽呂利新左衛門)に褒美をねだられた話があるんですけど――。

「1日目は将棋のマス目に米を1粒、2日目は2倍の2粒、3日目はその2倍の4粒――そうやって81マス目が埋まるまで褒美をください」と言われて慌てて断ったエピソードです。最初はたった1粒でも、毎日2倍にしていくと81マス目が埋まるころにはとんでもない数になる。

カエル先生の一言

ちなみに、合計2,417,851,639,229,258,349,412,351粒になります。
(2秭4178垓5163京9229兆2583億4941万2351粒)

これが複利効果です。

資産運用もこれと同じ。年2倍はさすがに難しいですけど、年5%でも複利で回していけば10年後、20年後には大きな金額になるんです。もちろん単年度で見ると減ることもありますが、根拠のあることをやっていけばパフォーマンスは必ず出るはずです。

ところが資産が少ない人ほど種銭が小さいうちに、車や家など大きな買い物をしてしまう……。僕からしたら収入や貯蓄額が小さいのに大きな買い物をして負債を背負うなんて最悪の選択です。逆にお金がある程度まで増えてしまえば減る方が難しいぐらいになります。種銭が小さい時ほどお金にはもっと敏感になったほうがいいと思います。