人材多様化で生産性UP! ダイバーシティ関連に注目

データから見つかる! 困ったときの投資アイデア/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

女性の社会進出支援や外国人労働者の受け入れは、少子高齢化の中で人材を確保し、日本経済を持続的に成長させるには必要不可欠です。人材の多様化は生産性向上につながると指摘されていて、業績に成果が表れている銘柄は株式市場での評価が高まる可能性もあります。そんな「ダイバーシティ経営」に積極的な企業を今回はチェックしてみましょう。

人材の多様化で生産性アップ

少子高齢化、人手不足が進む中で、多様な人材に就労の機会が広がっています。女性の就業者は6 月に初めて3000 万人を突破(労働力調査、1953年以降)。また、66歳以降も働きたい人は4割近くを占めるようになりました(内閣府「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」)。19年4 月から改正出入国管理法が施行され、外国人就労の受け入れ体制が拡大するなど、まさに人材多様化の波が押し寄せています

こうした中、7月23日に内閣府が公表した年次経済財政報告(経済財政白書)によると、人材の多様化は生産性の向上につながると指摘されています。しかも、多様性に関する取り組みをしない場合、生産性はむしろ低下するという結果まであります。幅広い年齢や性別、多様な人種に対してのサポート体制が整う環境下では、おのおのが積極的に議論することができます。そうすることで、新しい発想が生まれたり、また職場の活性化につながり、結果的に生産性の向上に貢献すると推察することができます。

投資家が満足する実例が必要

株式市場の観点からは、こうした「ダイバーシティ」の取り組みはESG(環境・社会・企業統治)のうちの「S」に含まれます。ESG投資に対するマーケットの注目度が集まる一方、投資家はESG投融資について中長期的なリターンも併せて重視しているようです。株式市場で継続的にダイバーシティ経営そのものが評価されるには、企業価値の向上につながる実例を示す必要があるのかもしれません。

業績好調な「ダイバーシティ推進企業」たち

経済産業省ではダイバーシティの推進を経営成果に結び付けている企業を表彰し、その取り組みを紹介しています。直近5年の表彰企業を対象に、今来期営業増益かつ営業利益率上昇が見込まれる主な銘柄をまとめました。業績が好調なダイバーシティ関連銘柄として評価されるかもしれませんね。

ダイキン工業
エフピコ
日本ユニシス
丸井グループ
日立物流
SCSK

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