持ち続ければ、大きく育つ!【長期保有優遇制度のある優待】10選

優待ライター厳選! 今月の株主優待/ 日興フロッギー編集部吉本ユータヌキ

株主優待の中には、1年、2年と持ち続けていると優待内容がグレードアップする、「継続保有特典付き」のものがあります。たとえば、1000円相当の自社商品詰め合わせが3年経つと2000円相当になったり、500円分のQUOカードが1年後には4倍の2000円分になったり! 今回は、長期保有優遇制度のある優待銘柄の中から、各地のグルメなどが選べて人気の「オリックス」や自社製品詰め合わせがもらえる「日新製糖」、カタログギフトの「ヒューリック」、「ビックカメラ商品券」が優待品の「日本BS放送」、QUOカードの株主優待がグレードアップする「近鉄エクスプレス」や「メディアスホールディングス」など、10銘柄をピックアップしてご紹介します!

ココがポイント!長期保有優遇制度のある優待銘柄の選び方

長く持ち続けると優待内容がグレードアップすることは、「長期保有優遇制度」や「継続保有特典」などと呼ばれています。継続保有の特典を期待して優待銘柄を選ぶときは、いつも以上に「業績」に注目することが大切です。

なぜなら、優待のグレードアップを楽しみに長く持ち続けていても、業績が悪化すると途中で優待が改悪・廃止されるリスクがあるからです。逆に業績が好調の銘柄なら、長期保有している間に株主優待がグレードアップするだけでなく、株価が上がったり配当が増えたりといったことも期待できるかもしれません。

また、もう一つ重要なのが「継続保有」の判定条件です。企業によって細かい規定がありますが、たとえば「1年間の継続保有が条件」というときは、多くの場合、半期ごとの確認日に株主名簿に同一株主番号で名前が載っていることが条件となります。なお、途中で株式を売却してしまうと株主番号が変わってしまい、次の権利付取引最終日までに株式を買い直しても、継続保有とは認められなくなるので注意しましょう。

備蓄品にもなるパンの缶詰が、1缶プラス!【サンセイランディック】

■銘柄名(コード):サンセイランディック(東1:3277)
■権利月:6月
■最低投資金額:7万3300円(8/9終値733円×100株)
■配当金額(会社予想):23円
■予想配当利回り:3.13%

サンセイランディック 」は、権利関係が複雑な底地や居抜き物件などの買取りや販売、管理などを行う「不動産権利調整ビジネス」を事業の中心としています。足元の業績は堅調で、2019年12月期の会社計画は増収増益の見込みで、6期連続の増配も見込んでいます。

株主優待は、事業内容とは直接関係のない、パン・アキモトの「パンの缶詰」で、自社キャラクターの「底地くん」イラストが描かれたオリジナルセットです。詳しい内容は、「パンの缶詰」オリジナルセットを100株以上で2缶、200株以上で3缶、500株以上で4缶

1年以上継続保有すると、それぞれの保有区分でもらえる缶詰が1缶追加となります。このパンの缶詰は約3年の間、美味しく食べられるのが特徴で、非常用の備蓄食品にぴったりの商品です。公式サイトには、栃木県那須塩原市にあるパン・アキモトが、取り組んでいる国際貢献活動に共感し、この商品を株主優待に選んだことも記載されています。

ビックカメラ商品券が1年保有で1.5倍に【日本BS放送】

■銘柄名(コード):日本BS放送(東1:9414)
■権利月:2月/8月
■最低投資金額:10万7500円(8/9終値1075円×100株)
■配当金額(会社予想):20円
■予想配当利回り:1.86%

BS11チャンネルとして、『Anison Days』や『世界の国境を歩いてみたら…』といった自社制作番組をはじめ、韓流ドラマやアニメなど多彩な番組を放送している「 日本BS放送 」。親会社は60%以上の株式を保有しているビックカメラで、株主優待もビックカメラの商品券です。2019年8月期の会社計画は増収ながらも2ケタの減益を見込んでいますが、配当に関しては2014年の上場以来、増配が続いていて今期も増配を予定しています。

詳しい優待内容は、100株以上で一律1000円分のビックカメラ商品券。ビックカメラのほか、コジマやソフマップでも利用が可能で、有効期限がないのもうれしいポイントです。

1年以上の継続保有で、8月末の株主に商品券が1枚追加されます。なお、2月と8月の株主名簿に連続して3回以上名前が記載されて、かつ8月末に株主であることが条件のため、2月に初取得した場合は2月末⇒8月末⇒2月末⇒8月末と4回続けて株主名簿に載る必要があります。間違えないように気を付けましょう!

1年保有でQUO額面が最大4倍に!【近鉄エクスプレス】

■銘柄名(コード):近鉄エクスプレス(東1:9375)
■権利月:3月/9月
■最低投資金額:13万8500円(8/9終値1385円×100株)
■配当金額(会社予想):30円
■予想配当利回り:2.16%

近鉄エクスプレス 」は、顧客から集荷した貨物を目的地ごとにまとめて航空会社に運送を委託する「国際航空貨物輸送」の大手企業。ほかに、国際海上貨物輸送やロジスティクスなどの事業も手がけています。2020年3月期の会社計画は、当初増収増益の見込みでしたが、連結子会社の収益悪化や米中貿易摩擦などの影響による収益の落ち込み懸念から業績予想を下方修正。一転、減収減益の予想となっています。なお、配当については現状では据え置きの予定です。

株主優待は、100株以上で500円分、500株以上で1000円分、1000株以上で2000円分、5000株以上で5000円分のQUOカードです。

1年以上の継続保有で、それぞれの区分で1500円分が追加されて、100株以上は2000円分、500株以上は2500円分、1000株以上は3500円分、5000株以上は6500円分になります。つまり、100株保有の場合は、500円分⇒2000円分となんと4倍にアップ! 長期保有優遇制度の導入からすでに10年以上経過していて、実績があるので安心感もあります。

料理にコーヒーに大活躍の、あま~い詰め合わせ!【日新製糖】

■銘柄名(コード):日新製糖(東1:2117)
■権利月:3月
■最低投資金額:19万1800円(8/9終値1918円×100株)
■配当金額(会社予想):70円
■予想配当利回り:3.64%

日新製糖 」は「カップ印」で知られる製糖メーカーです。白砂糖やスティックタイプの「カップシュガー」など砂糖製品の製造・販売が主力事業ですが、そのほかにフィットネスクラブの「ドゥ・スポーツプラザ」などの健康産業、さらに倉庫事業も展開しています。

株主優待は自社の砂糖製品の詰め合わせです。実は、配当利回りが3.64%(8/9終値で計算)あるのも魅力で、優待と配当どちらも楽しみな銘柄です。詳しい優待内容は、100株以上で1000円相当の自社製品です。3年以上の継続保有で、優待金額が2倍の2000円相当にアップします。

ちなみに2019年3月期は、3年未満では白砂糖(400g)ときび砂糖(750g)、液体シロップの「オリゴの王様」(250g)の3点がもらえました。3年以上の場合は、これらに加えて「カップシュガー」や氷砂糖、顆粒状の「フロストシュガー」など合計7点という内容に。料理やコーヒー、菓子作りなどいろいろ使える砂糖製品の優待が、2倍に増えるなんて助かりますね!

カジュアルもガーリーも! オシャレがもっと楽しめる【アダストリア】

■銘柄名(コード):アダストリア(東1:2685)
■権利月:2月
■最低投資金額:21万5800円(8/9終値2158円×100株)
■配当金額(会社予想):50円
■予想配当利回り:2.31%

「ニコアンド」や「ローリーズファーム」「グローバルワーク」など、さまざまな世代に向けたカジュアル衣料ブランドをショッピングセンターやファッションビルで多数展開している「 アダストリア 」。2019年7月末時点の実店舗数は1213店舗、さらにWEBストアも57店舗あります。

株主優待は、自社店舗で使える優待券です。主要ブランドが好調に推移していることなどから、2020年2月期の会社計画は増収増益を見込んでいます。詳しい優待内容は、100株以上で3000円分、1000株以上で1万円分、1万株以上で2万円分の株主優待券。WEBストアを除く国内の各店舗で利用可能です。

また、2年以上継続保有した場合には、それぞれの保有区分で2000円分の優待券が追加されます。たとえば、100株以上の場合は3000円分+2000円分で5000円分がもらえて、おトク度が大きくアップ! なお、株主優待自体は10年以上の歴史がありますが、長期保有優遇制度は次回(2020年2月)が初めての実施となります。

QUOカードが1年で2倍、3年で3倍に【メディアスホールディングス】

■銘柄名(コード):メディアスホールディングス(東1:3154)
■権利月:6月
■最低投資金額:6万9000円(8/9終値690円×100株)
■配当金額(会社予想):14円
■予想配当利回り:2.02%

メディアスホールディングス 」は、傘下に複数の医療機器関連企業などを抱える持株会社です。国内のメーカーや商社などから仕入れた医療関連の備品や消耗品を販売しているほか、医療機器の修理やメンテナンス、介護福祉機器の販売とレンタルも手掛けています。すでに終了した2019年6月期の最終損益は、残念ながら赤字の見込みです。ただし、この原因ははっきりしていて、2018年に子会社化した2社の「のれん代」を一括償却したためとなっています。

株主優待は、100株以上で1000円分のQUOカードです。さらに、1年以上持ち続けるともらえるQUOカードの金額が2000円分、3年以上では3000円分に増額します。

3年は長いという人でも、1年で2倍なら持ち続けられるのでは? もちろん、長期保有派なら3年で3倍を狙うのがおトクと言えそうです。ちなみに、株主優待制度は2017年に導入し、当初から長期保有優遇制度がありましたが、2018年に制度を拡充して今の制度になっています。

3年以上保有で、選べるグルメが倍に!【ヒューリック】

■銘柄名(コード):ヒューリック(東1:3003)
■権利月:12月
■最低投資金額:28万9500円(8/9終値965円×300株)
■配当金額(会社予想):28.5円
■予想配当利回り:2.95%

東京23区内を中心に、オフィスビルや商業施設の不動産賃貸業を手掛ける「 ヒューリック 」。また、中規模オフィスや商業施設の新規開発や「3K(高齢者・健康、観光、環境)ビジネス」への進出にも力を入れています。今年9月には、資本業務提携先の日本ビューホテルの完全子会社化も予定しています。足元の業績は好調で、2019年12月期第2四半期は2ケタの増収増益を達成。通期の会社計画も増益を見込んでいて、増配も予定しています。

株主優待は、300株以上で3000円相当のグルメカタログギフトです。優待獲得には3単元(300株)以上が必要なので、その点はくれぐれも間違えないように注意しましょう。

カタログは約200ページもあって、肉や魚、スイーツ、フルーツ、総菜、酒・ワインなどなど多彩な商品が満載です。「たくさんあって欲しいものを一つに絞り込めない」というときにうれしいのが長期保有優遇制度で、3年以上の継続保有でカタログの中から2点を選べるようになります。

「もっと歌いたい」人にピッタリ♪【コシダカホールディングス】

■銘柄名(コード):コシダカホールディングス(東1:2157)
■権利月:8月
■最低投資金額:15万9400円(8/9終値1594円×100株)
■配当金額(会社予想):12円
■予想配当利回り:0.75%

「カラオケ まねきねこ」やひとりカラオケ専門店の「ワンカラ」などのカラオケ店を、全国に515店舗(5月末現在)展開している「 コシダカホールディングス 」。女性向けフィットネスの「カーブス」事業にも力を入れていて、直営・FC合わせた店舗数は1965店舗(5月末現在)です。2019年8月期は、カラオケ事業の好調により期初予想を上方修正。会社計画は増収2ケタ増益を見込んでいます。

優待内容は、100株以上で2000円分、400株以上で5000円分の株主優待券。また、400株以上なら株主優待券とカタログギフトの2本立てになって、400株以上で3000円相当、4000株以上で5000円相当のカタログギフトももらえます。

優待券は、国内の「カラオケまねきねこ」と「ワンカラ」、「まねきの湯」などの温浴施設で利用可能です。株主優待券については長期保有優遇制度があり、3年以上の継続保有でもらえる金額がそれぞれ2倍に。カラオケ好きなら必見の優待ですね!

1年保有でもらえる額が100株なら倍、200株なら4倍に!【ファーストブラザーズ】

■銘柄名(コード):ファーストブラザーズ(東1:3454)
■権利月:11月
■最低投資金額:9万8700円(8/9終値987円×100株)
■配当金額(会社予想):21円
■予想配当利回り:2.12%

安定した収益が見込める賃貸不動産への投資と、不動産を投資対象とした私募ファンドの組成・運用を行っている「 ファーストブラザーズ 」。今年4月には、東北エリアが地盤の東日本不動産をグループ会社化し、賃貸不動産の規模を拡大させています。なお、2019年11月期は賃貸不動産の売却を控えめに計画していることから、会社計画は減収2ケタの減益の見込みです。

株主優待は2017年に新設していて、今年11月が3回目の実施となります。優待内容は、100株以上で1000円分のオリジナルQUOカード。保有している株数によって、継続保有時の特典が異なるのがユニークです。

具体的には、1年以上保有し続けると、100株以上の場合はQUOカードの金額が2000円分に、200株以上なら4000円分になります。主要コンビニなどで使えて便利なQUOカード、2000円分あるいは4000円分になるとかなり使いでがありそうですね。

全国各地の美味しいものや名産品がグレードUP!【オリックス】

■銘柄名(コード):オリックス(東1:8591)
■権利月:3月/9月
■最低投資金額:14万9850円(8/9終値1498.5円×100株)
■配当金額(会社予想):ー(現時点では第2四半期分のみ公表35円)
■予想配当利回り:5
.07%(前期配当と同額で計算した場合)

法人向けの金融サービスやメンテナンスリース、不動産、事業投資など6つの分野で事業を展開している「 オリックス 」。カードローンや生命保険、レンタカーなど子会社で展開しているサービスについては私たちにとっても、馴染み深いものも多いのではないでしょうか。現時点では2020年3月期の期末配当は未定としていますが、仮に年間の合計配当額が前期と同様(76円)の場合、予想配当利回りは5.07%(8/9終値で計算)で、配当の魅力も大きい銘柄と言えるでしょう。

優待内容は、100株以上で自社取引先の取扱い商品を集めたカタログギフト「ふるさと優待」(3月のみ)と、提示することでさまざまなサービスが受けられる株主カード(3月、9月)です。「ふるさと優待」カタログには、各地の美味しいものや、とっておきの品々が多数掲載されていて、内容は毎年更新されます。

また3年以上継続保有すると、カタログの商品内容がグレードアップ。優待品の金額は公表されていませんが、前回のカタログは公式サイトで見られるので、まずは3年未満・3年以上でどんな品々が選べるのかチェックしてみるとよさそうです。

いかがでしたか? 同じ株数を保有し続けるだけで、もらえる内容がグレードアップする「長期保有優遇制度」のある優待。一つの優待銘柄をじっくり保有したいという人にはぴったりです。これまで優待投資は未経験という方も、この機会に一度検討してみては?

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優待の内容は2019年8月9日現在の情報を記載しております。本コンテンツ作成後に変更されている場合がありますので、最新の情報については、皆様ご自身でのご確認をお願いいたします。
また、優待の内容は代表的な事例をもとに記事を構成しております。詳しくはそれぞれの企業のHP等でご確認ください。