ダブルインカムの砂東家は、ご夫婦のお財布は別。ゆるふわな家計管理でしたが、息子さんが生まれて、将来の教育資金も気になってきました。そこで、家計再生コンサルタントの横山光昭さんの元へ家計診断へ。いの一番に横山さんに指摘されたのは、「支出が大きくて、お金が貯まりにくい、“もったいない家計”」だということ――。脱ゆるふわを目指す砂東家、まずは、「家計状況」シートを作成して、支出の中身を明らかにすることから始めます!
我が家の家計はとってもゆるふわ!
ある日、FROGGY編集部さんからこんなメールが届きました。
お金のプロに、砂東さんの家の家計を診断してもらいませんか?
うちの、家計を、プロが診断――!
はじめまして。わたくし、会社員の傍ら文筆業を営んでおります、砂東真実と申します。
昨年行われた「#お金ライター 投稿コンテスト」に応募し、なんと大賞を受賞させていただきました。皆さま、今の一文を読んでこう思いませんでしたか。
「大賞を受賞するなんて、この人、さぞお金にくわしいんだろうなあ」って。
砂東
いいえ。
大事なことなので、もう一度言います。
砂東
いいえ。
そう、実は私、まったくお金にくわしくないんです!!
そもそも砂東家は昨年まで、私(32)と同い年の夫の気楽な二人暮らしでした。
学生時代に出会い、3年前に夫婦となりましたが、感覚的には学生カップルのまま。最低限の家計ルールや家計簿は存在するものの、共働きなこともあり、予算を決めたり一定額を貯金するなど、きちんとした家計管理ができていないのです。
しかし、もうそんなことは言っていられません。なぜなら昨年末、我が家には新キャラが加わりました。そう、息子(6ヵ月)という新キャラが……!
さっそく夫に相談してみると、彼は無言で遠い目をした後、うなずきました。
夫:
今のお金の使い方は、たぶんダメだと思う。プロにズバッと言ってもらえるならそれに越したことはないよ。これから教育費もかかるし。
砂東
そうだよね。息子もこれから医学部に入ったり、スケートを始めたりするかもしれないんだから、先立つものは必要だよね!
夫:
期待しすぎじゃない?
というわけで、一昔前のキャ〇キャンOL並みにゆるっ、ふわっとしていた我が家の家計を、なんと敏腕FP・横山光昭さん(我が家にもったいないくらいの有名人!)に診断していただくことになったのです!
面談当日! プロから見た砂東家は……?
FPさんの事務所って、銀行の応接室みたいな感じかしら……とドキドキしながら伺うと、あら、明るくてアットホームな事務所!
横山さん
今日はよろしくお願いします。
と現れた横山さんも、とてもフランクな雰囲気でホッとしました。
初めに、我が家の1ヵ月の収支状況(具体的な数字を出します)をお話しし、「家計状況」シートを作成してもらいます。
さっそくデータに目を通した横山さん。我が家の家計を見た感想は……?
家族構成:妻(32)、夫(32)、息子(0)の3人家族
職業:夫婦ともに会社員。妻は不定期でライティングや編集の副業も行う。現在本業は育休中
主な資産:独身時代からそれぞれが貯めている預貯金と、不動産(宅地4件分の土地、マンション1室)
世帯年収:夫婦の給与所得の他に、相続で得た不動産から、1人分の収入に等しいくらいの収入あり
横山さん
うん、支出が大きいです。お金が貯まりにくい、もったいない家計ですね!
ドーーーン!(※心の効果音です)
し、支出が大きい! お金が貯まりにくい!
なんとなくわかっていたけれど、プロの方に指摘されるとショックだな……。
実際に、我が家の支出と、我が家と同じ家族構成(夫婦、子ども1人)の家庭における支出平均を比較したものがこちらです。
家計の大部分が平均をオーバーしているということがおわかりいただけるはず。
横山さん
住居費は、利便性の問題もありますから、そのままで。交際費は、ご両親へのプレゼントなども含んでますよね? そこもケチらなくて大丈夫ですよ。電気代は、今は赤ちゃんがいますから、環境を整えるための必要経費ですね。
「多い=悪いわけではない」と横山さん。
大事なのは、家庭における「優先順位」をはっきりさせること。かけるべき場所にお金をかけ、それ以外の場所で節約を考えていけばいいのです。
横山さん
食費と生活日用品費が多いですね……まとめ買いをするタイプですか?
砂東
はい(夫が)!!
横山さん
我が家でも実験したんですが、ストックが多いほど、油断してたくさん使う傾向があるんですよ。
砂東
その通りです(夫が)!!
そんな小ネタもはさみつつ、横山さんの目がある項目に留まりました。
横山さん
砂東さん。FPじゃなくても、ここを削減するべきだなとわかる項目があります。
砂東
え。
横山さん
お小遣いです。
結婚しても独身気分? 共働きが陥りやすいワナ
先ほどお見せした図。そもそも、比較する項目が極端に少ないことにお気づきでしょうか。被服費や医療費、電話代などは一体どこに?
答えは「お小遣いの中」。
そう、砂東家は「夫婦別財布制」を採用しているのです……!
夫婦別財布制とは、互いの収入を「家庭の収入」として合算せずに、毎月一定額を「生活費」として出し合ったり、夫婦それぞれが決まった項目についてのみ支払いを行ったりする家計管理法のこと。
砂東家では、結婚と同時に作った共有の口座に、各々が毎月「生活費」として決まった金額を入れるルールとなっています。
残りはすべて「お小遣い」。服や化粧品はもちろん、携帯料金や風邪をひいたときの医療費なども、そこからまかなうことにしていました。
横山さん
夫婦別財布制は、収入の大部分を自由に使えるので、独身時代とほぼ変わらない生活を送れます。ですが「互いの支出がブラックボックス化し、削減しにくい」「自分が負担している項目以外の出費に興味がなくなる」といったデメリットもあります。
横山さん
砂東家の場合、小遣いを含む支出と、2人の月の収入の合計がトントン。個々のお小遣いをきちんと決め、被服費や通信費などを家計に組み込めば、もっと貯蓄に回せますよ。
砂東
ちなみにお小遣いの平均額っていくらくらいなんですか?
横山さん
収入の1割くらいですね。月収30万円なら、3万円といったところでしょうか。
砂東
なるほど……。
横山さん
ただ、砂東家の場合、このままでもある程度の貯蓄はできます。『不労所得』がありますから。その現状で良しとするかどうかです。
ギクッ。
痛いところを突かれました。
使っているのに貯まってる、そのわけは……
実は我が家には「不労所得」が存在します。今は亡き祖母や父から相続した不動産収入です。その額は、1人分の月の収入に等しいくらい。
こちらは生活費とは異なる口座にまるっと貯金し、手を付けないようにしていますが、正直言って、夫婦ともども「これがあるから、いざという時も安心!」と、甘えている感は否めません……。
横山さん
まずは方向性を定めましょう。
② 支出を削減し、より多くのお金を貯蓄に回す
横山さん
そのうえで、将来に向けての資産形成を考えていってはいかがでしょうか。
うう、そりゃ年金不安が盛んに叫ばれているこの時代、資産はあるに越したことがない!
とりあえず小遣い削減を夫に提案してみようかなあ……。