カエル先生のマーケットハイライト(2019年7月編)

カエル先生の株式相場プレイバック/ 日興フロッギー編集部平松 慶

マーケットの「温度感」がわかる連載「カエル先生のマーケットハイライト」。6月に引き続き、米国株が最高値圏で推移するなど好調を維持している一方で、出遅れている日本株。これからも上がる見込みはないの? 8月の注目業種は? そんな疑問にカエル先生がお答えします!

カエル先生の一言

7月は、前月に引き続き底堅い推移が続いたものの、円高の進行などから日経平均の上値が重い状況が続いています。ただ、半導体株など市況が底入れしつつある銘柄を中心に、年初来高値をうかがう企業も散見されるようになってきました。目先は、こうした半導体関連や電子部品関連に注目が集まるかもしれません。

7月は輸出関連企業の上値重く

7月31日の日経平均株価は2万1521円となり、前月末比245円高でした。
米国をはじめ、世界的に金融緩和ムードが高まったことなどが追い風となり、株価は底堅く推移しました。ただ、4〜6月期決算発表が進む中、米中貿易摩擦による影響が懸念される輸出関連企業に対しては、依然として厳しい投資家の見方もあり、株価の上値を抑えた形となりました。

半導体関連株に一筋の光

輸出関連企業全般には、依然として業績の先行き不透明感がありますが、一方で、明るさが見え始めた分野もあります。2018年の年初以降、世界的に半導体の販売額に落ち込みが見られましたが、それが徐々に底打ちの気配がみられているのです。

半導体はここ数年、スマートフォンの普及や、IoTなどの広がりから需要が高まる傾向にあります。そんな中、供給過剰感や米中貿易摩擦などの影響により、一時的に販売が落ち込んだ時期がありました。現在もまだその影響は残っていますが、市況が徐々に回復しており、国内の半導体関連株の中には年初来高値を更新している銘柄も散見され始めました。日経平均株価が4月25日の年初来高値とは距離がある中で、先んじて上昇し始めていることが読み取れます。

8月は半導体株と電子部品関連に注目!?

こうした中、8月は引き続き底打ち感が強まる半導体関連と、半導体と関連性の強い電子部品関連銘柄に注目が集まる可能性があります。米国株が高値圏で推移する中、日本株は円高の影響などから輸出関連株を中心に買われづらい状況が続いていました。ただ、世界的に金融緩和の方向へ向かう中、世界景気回復の現実味が増せば、日本株の見直し買いが起こる可能性があります。すでに株価が動き始めている半導体株や電子部品関連株の動向にマーケットの注目が集まるかもしれませんね。


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