成田空港へのアクセス拡充で好調な京成電鉄が追加に! 7月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

世界的に高まる日本人気で波に乗る企業など、今の社会動向や投資環境をもとに旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。7月号の新規採用銘柄は、スカイライナーでおなじみの「京成電鉄」です!  京成電鉄の投資ポイントをチェックして、これからの銘柄選びの参考にしてはいかがでしょうか。

世界と日本の出合いと夢のつなぎ役!「京成電鉄」

千葉県北西部、東京都東部を地盤とする大手私鉄の「 京成電鉄 」。東京ディズニーリゾートを運営する「 オリエンタルランド 」(OLC)の生みの親でもあることはご存じでしょうか。

1960年、京成電鉄の当時社長であった川﨑千春氏は「米国ディズニーランドの”夢の世界”を日本の子ども達に届けたい」という想いを抱いていました。そして東洋一のレジャー施設を創ることを目的に、京成電鉄社内の片隅に机を3つだけ並べたOLCを設置したのが始まり。こうして1983年に、米国以外で初めてのディズニーランドが千葉県浦安市に誕生しました。

OLCの成長とともに地域経済のみならず、日本経済の発展にも貢献してきた同社。いまではOLC株を約22%所有する筆頭株主となっています(2019年3月末現在)。

成田空港利用者増で高まるビジネスチャンス

もちろん同社の本業での活躍にも注目です。
海外から日本へのインバウンド旅行者が増えているのはすでに広く知られていますが、加えて国内を含めたLCC利用者の増加などもあり、2018年における成田空港利用の航空旅客数は4260万人と、この4年間で19.7%増加しています。

成田空港と都心を結ぶアクセスとして、スカイライナー、アクセス特急、快速特急などを運行している同社では、この追い風を受け成田空港発着の旅客運輸収入が好調です。19年3月期には15年3月期比で44.2%増と空港利用旅客数を上回る伸張ぶりです。

「時短」をキーワードとする現代社会において、空港までのアクセスも時短ニーズが高まっています。上野から成田空港まで最短44分と、同社の他路線や競合他社に比べて短時間でアクセスできる有料特急「スカイライナー」。その利便性が評価され、特急運賃収入の増加につながり、好業績へ寄与しています。

沿線人口の拡大で定期旅客収入もアップ

鉄道会社にとって収入の柱とも言える定期旅客収入も増加しています。2019年3月期における、関東の他私鉄5社(東武、東急、小田急、京王、西武HD)の平均が前期比0.9%増であるのに対し、同社の定期旅客収入は前期比2.0%増と高い伸び率になっています。

少子高齢化などで人口減が叫ばれる日本ですが、同社沿線の人口は拡大傾向にあります。日本の人口動態統計によると、さまざまな機能が集約している都心への人口流入が続いていることがわかります。このことからも、都心に近い同社沿線では今後も定期旅客収入の増加が期待できそうです。

着実な利益成長と、OLCの成長期待で業績拡大!

これらの追い風を受けながら着実に利益を伸ばしている同社。22%保有しているOLC株の時価総額も順調に上昇しており、持分法利益の増加を通じて経常利益の押し上げ要因となっています。

19年3月期決算は営業収益(前期比2.6%)、営業利益(同5.1%)、経常利益(同7.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益(同11%)ともに過去最高となりました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは成田空港利用者のさらなる増加を見込み、20年3月期営業利益は323億円(2.2%増)と最高益更新の会社予想になっています。

OLCに関しても、22年3月期は東京ディズニーシーの20周年記念、23年3月期は東京ディズニーシーのエリア拡張、24年3月期は東京ディズニーランドの40周年記念とイベントが目白押し。OLCの業績拡大が同社にもたらす利益成長にも期待したいですね。

成田空港&OLC効果で収益アップを期待

邦人・訪日外国人ともに成田空港利用ニーズはますます拡大傾向です。この恩恵や沿線の活況で、同社の柱である鉄道事業は好調の波に乗っています。OLCの恩恵も合わせて、同社の収益増加にこれからも注目が集まりそうですね。

2019年7月号では、三和HDが除外となりました。
2020年3月期は3期連続で過去最高益を更新する見込みですが、需要の上振れが一巡したことに加えて、物流費や工事費などのコストアップが顕在化したことから、利益成長が鈍化するリスクを考慮しました。
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