さて、今回も始まりました。仮面投資女子第2シーズン第2回目(通しでは、第10回目)。今回からなんと伝説の第1シーズンのメンバー助手が復活! チーフと助手の息のあった掛け合いに乞うご期待!
そして今回のゲストは、なんと投資暦20年以上の大ベテランさんが登場。儲けよりも「信頼できて共感できる企業かどうか」が大事。そう断言するTさんの投資ポリシーって!?
あんた、どこ放浪してたの?
助手
いや、普通に配置換えがあったじゃないですか。なんで知らないの。
チーフ
あ、半年前に隣の部署に異動して、また4月から戻ってきたのか。
助手
そうそう、色々経験して、ちょっぴり大人になって。
チーフ
……。半年で出戻り……。
助手
なんか言いたいことでも?
そんなはずないでしょう!!!
チーフ
まぁ、いいや。とりあえず令和もよろしくな。で、今日は投資暦なんと20年というベテランのTさんにお越しいただいてるよ。Tさん、今日はすべての個人情報をさらけ出してください。
Tさん(44歳)※写真中央
建設関系の事務職。1歳年上の旅行好きな夫と2人暮らし。家計は完全に別財布。20年間で投資額は計600万円に達し、保有金融商品額は1000万円以上なのだとか。
両親と友人に勧められるまま投資をスタート
Tさん
あ、ものすごい突然始まるんですね……! 今日はよろしくお願いします。
助手
言いたくないことは言わなくて大丈夫ですよ! 今44歳でいらっしゃって、20年以上前に投資を始めたとお伺いしてます。すぎょい。。
Tさん
そうなんですよ。懐かしい話になるんですけど、グローバル・ソブリン・オープンっていう投資信託を買ったのが20年前の24歳くらいのときかな。
Tさん
ソブリン債という債券などに投資するものです。
助手
サ、サ、サプリ―……。
Tさん
違います。サプリではなく、”ソブリ”ですね。
バブルがはじけて堅実な投資信託がちょっとメジャーになり始めたんです。で、そのグローバル・ソブリン・オープン(グロソブ)っていうのがすごい世の中でもてはやされ、すごい売れたらしいんですよ。私はそれ知らなかったんですけど、両親も買ってて。さらに、私の友人もたまたま買ってて。
助手
それはその、なんていうか国際的な何かですか?
チーフ
すっげえ、バカそうな質問。さすが助手。
Tさん
そうです、国際的な債券です。それを運用のプロが分散投資をしてくれる感じですね。ローリスク・ローリターンなんですが、銀行に預けるくらいなら絶対こっちがトクだろうと思って。
助手
Tさんがグロソブを始めた当時って、景気がものすごく悪い時期ですもんね。銀行の金利も低かったんですよね。
Tさん
そうなんですけど、いまは銀行の金利がさらに低くなっていますよ。定期預金の金利は約0.01%、普通預金はもっと低くて約0.001%らしいですよ(※)。
出た、投資女子が言いがちなセリフ。てめぇ銀行の金利を見てみろや、バカらしくてやってらんねぇっつーの。ってやつ。
助手
誰一人そんな言い方してない。
Tさん
でも、ほんとそんな感じ(笑)。当時、そのグロソブを両親がやってて結構儲かってたみたいなんですよね。それで旅行に行ったりしてました!
助手
ご両親、やり手!!! そんなに儲かる投信だったんですね!
チーフ
落ち着け、助手。旅行って言っても、行先によるでしょ。行先がハワイと熱海だと全然違う。
Tさん
まさに行先は熱海です。でも銀行に預けていても、利子で熱海に行けないですよ?
チーフ
銘柄を選ぶ基準は安定性や配当金の良さだけじゃない
Tさん
まぁ、そんなグロソブも2、3年目ぐらいに下火になったんですよ。で、プラマイゼロぐらいになっちゃったんですね。その時に何となくもう、これは右肩下がりだなっていうような空気だったので、マイナスにはなりたくなくてやめました。いい勉強になったし、やって良かったです。
チーフ
さよなら、グロソブ。ありがとう、グロソブ。
助手
それで、Tさんはそこから何の投資をされてるんですか?
Tさん
2005年くらいからネット証券がもてはやされるようになりまして。
助手
言い方気をつけて。
Tさん
そうですね(笑)。今まで証券会社に行かなくちゃ買えなかったのがネットで手軽に簡単に買える、っていう情報がわーっと入ってきて。で、やろうかなって興味を持ちました。
助手
買ったのは投資信託ですか?
Tさん
いや、日本株です。
チーフ
ほう、日本株。ずばり、どこの株?
Tさん
私結構、安全志向というか、知らないところは怖くて買えないので、よく知ってる会社の株ですね。そして、事業内容とか調べて将来的にきっと大丈夫だな、って思うところしか手を出さないタイプ。当時は結構、新興株とかすごい値上がり幅があって儲けられたんですけど、それはちょっとリスキーだと個人的に思いまして。
助手
新興株。グイグイ感ありますね。
Tさん
それこそ当時ヒルズ族と呼ばれた、ITセレブたちが立ち上げた会社とかですね。
チーフ
出た。ヒルズ族、懐かしい。ITバブル時代の寵児たち。あの人たちと合コンどうやったらできるんだろうってずっと考えてたなぁ。やっぱ女子アナってずるいよ、あいつらばっか。
Tさん
あはは。確かにあの時代のああいう企業の株を早くに買って売り逃げた人は儲かったんでしょうね。でも同時にリスクもありますけどね。
チーフ
そんなITバブルに沸く中、Tさんはどんな企業の株を?
チーフ
出たよ、世界のTOYOTA。
助手
つぶれそうにないところ。
チーフ
つぶれたら日本も一緒に沈むんでしょう? 日本ってトヨタのタイヤで海に浮かんでるらしいじゃん?
Tさん
それは言いすぎ(笑) 。それに、タイヤはトヨタが作ってないですよ。トヨタは履いてるだけですね。
助手
また出た、妬み・僻み・嫉み。Tさん気にしないでくださいね。他にはどんな日本株をお持ちなんですか。
助手
甲子園の決勝戦みたいなスタメンそろえてきましたね。
Tさん
花王に関しては、株主へ還元される配当金額が増え続けているんですよね、30年近くなるとか。それってすごいことなんですよ。
チーフ
やるな、花王。でも花王がいいなら、「 ライオン 」は? ってなりますよね。
Tさん
ライオンもきっといい会社だと思います。ただ、私は花王が好きなんですよね。なんかあの新しいことやっていこう! っていう姿勢が感じられるところが。クイックルワイパーを一番早く市場に出したり、最近もアタックの新しい商品を出したり。
チーフ
ライオンだって一昔前は小堺(一機)さんが「何が出るかな♪ 何が出るかな♪」ってやってましたけどね。
助手
それ、『ライオンのごきげんよう』ね。言いたいだけでしょ。
Tさん
私としては、印象が良い企業っていうのは結構大事だなと思っています。普段の生活の中で、CMを見たり、商品を使っていて、ちょっと共感できるというか。なんかそういうのって、たとえ株価が多少悪くなっても、見守れる理由にもなっている気がするんです。自分の為だけじゃなくて、ちゃんと納得した上でその企業の、頑張ってることを応援したいから選んでるんだって。
株主精神の真髄をいま見た。
Tさん
安定していればどこでもいいわけじゃなくて、やっぱりちょっとは繋がっていたいみたいな気持ちがあるんだと思います。
助手
なんだかJ-POPの歌詞みたいになってきた。
チーフ
もうちょっとしたら花王への愛を弾き語りそう。
定期預金の感覚でコツコツ増やす
Tさん
あと、もっと儲けようと思ってるんだったら、きっと選択肢は広がると思うんですけど、私の基準が定期預金の金利なんですよね(笑)。
チーフ
ご主人がいらっしゃいますよね。ご主人も投資とかされるんですか?
Tさん
しない、しない。お金に無頓着なんですよね。暇とお金さえあれば海外旅行に行くような人です。
助手
ご主人は、Tさんが投資してることは知ってるんですか?
Tさん
投資をしていること自体は知ってますが、無関心というか。完全に家計も別なので。干渉しないでほしいし、干渉させたくないっていうのもあるんです。私も意見は求めないから。
夫婦の家計管理についてアンケートしたところ、最も多かったのは「妻が管理している」42.0%であるものの、2番目に多かったのは「特に管理していない」26.5%という結果に。
なんと4人に1人は家計管理をしていないことが発覚しました! 必ず管理が必要という訳ではありませんが、Tさんのように投資で資産形成するなど、将来を見据えた計画は考えたほうがよいかも。
(2019年5月マイナビウーマン調べ│22歳~45歳の既婚女性が対象│有効回答数136件)
チーフ
えっと、今日、家出る前に大ゲンカしました?
Tさん
してない、してない(笑)。今年も一緒に海外旅行へ行きますし、仲はいいですよ。
助手
いいなあ。。。夫婦水入らずで海外旅行。あこがれる。
Tさん
助手さんはおいくつなの?
助手
今年で28歳になりますね。もう結婚ブームの真っ只中なんですよ。面白いくらい友人がバッタバタと嫁いでいく。
チーフ
助手は常に結婚ブームの台風の目の中にいるよね。つまり助手がその嵐に巻き込まれることはない。もうね、悲しいくらいの静かな晴天。
助手
そうそう、飛んでいくのご祝儀の諭吉くらいですね。
チーフ
いっつもピン札探してね。若い後輩に妖怪ピン札探しって言われてる。
それは許さない。
Tさん
ははは! 大丈夫、そんな焦らなくて平気ですよ。あと、ご祝儀代は定期預金から引き出すばっかりじゃなくて、投資で出た利益で賄ってみたりするのはどうですか?
助手
そんな賢かったら、とっくに結婚できてません?
チーフ
そうだよ、とりあえずもう助手の話は飽きた。Tさんは利益が何%ぐらいで売ろう! みたいな基準って、決めてたりするんですか?
Tさん
理想は10%です。でも、うれしくて5%で売っちゃった時期もあります(笑)。でも、理想は10%ですね。逆に10%損したら売ろうと思ってます。
チーフ
100万で買った株が110万になったら売るってことですね。
Tさん
そうそう。やっぱり定期預金なみに安心感があり、かつ定期預金よりも良いっていうのが一番大きなところです。短期的なデイトレードとかしたことないですし。私の投資のスタンスというのが、結構のんびりな考え方をしてまして。そんなガツガツしない。定期預金に預けてるよりはトクって考え方にすると、けっこう気楽ですよ。
チーフ
過度な欲を捨てたってことか。
急に情熱大陸みたいなノリになった!!
最強残念コンビがついに復活! 投資歴20年になるTさんが見つけた究極の答えは、欲をコントロールすること。銀行に預けるよりはリターンがきっとある、儲けを考える前にその企業を応援したいかを考える、利率が10%になったら潔く売る。
実にシンプルで芯の強さを感じる投資スタイルは、颯爽と生きるTさんの人柄そのものが表れているようでした。
・貯金の利率を見てから投資の利率を見ると悲しくなる
・本当に応援したいと感じられる企業に投資すると、イライラしたりヤキモキしない
・自分の感性に合う企業を探す、もはや恋人探しみたいなスタイルもある
・影で後輩につけられている私のあだ名は“妖怪ピン札探し”
・絶対に犯人を探し出す
・投資歴20年にもなれば“欲もコントロールできる”域に入ってくる。
・投資って、「人となり」が出るよね
・あと女子アナはずるい