株式市場で5G(第5世代移動通信システム)への注目度が改めて高まってきています。19年3月期第3四半期決算発表では、通信計測器大手のアンリツが5G導入による恩恵で、通期計画を上方修正しました。また、情報サービス大手の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、通信キャリア3社から5G関連で大きな受注があったとしています。
世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社であるCiscoによると、世界の接続デバイス数は今後も増加が見込まれています。成長が著しいのは、ホームセキュリティ、家電、コネクテッドカーなどのM2M(Machine To Machine、機器間の通信)で、スマートフォンがそれに続きます。接続デバイスの増加に伴い通信量の増加も見込まれ、これからの社会を5Gが構築していくと言えます。
2020年にはいよいよサービス本格化へ!
5Gは「通信速度」を追い求めるだけでなく、「高信頼・超低遅延」「多数同時接続」「低コスト」なども実現できることに特徴があります。アンリツの業績概要によると、各国オペレータ(通信事業者)は国際的な移動通信システムの標準化機構である3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格化された高速大容量通信サービスを提供するとのこと。通信関連各社は開発を進めており、5Gの特徴を活かした本格的な商用サービスは2020年以降に開始される見込みです。
新ビジネスの創出も期待大
5Gが活躍するIoT社会では、あらゆるモノを接続することから、基地局や通信インフラ需要だけでなく、自動運転、ロボット、セキュリティ、ゲーム、それらを支える半導体、電子部品など幅広い業種で新たなビジネス機会の創出が期待されます。
主な関連銘柄は、上述のアンリツ、CTCをはじめ、5G通信に起因するデジタルデータ爆発の波に乗ろうとする日本電産。通信インフラを手掛け、顔認証に代表される認証技術やAI(人工知能)に強みがあるNEC。開発力の高さに定評がありアクション、ゾンビ系ゲームを得意とするカプコンなどが挙げられます。
5G関連銘柄
コムシスホールディングス
デジタルアーツ
伊藤忠テクノソリューションズ
サイバーエージェント
日本電産
NEC
アンリツ
村田製作所
トヨタ自動車
カプコン