5G / IoT時代の恩恵を受ける2社が新たに追加 5月の日興ストラテジー・セレクション

ここが狙い目! 日興ストラテジー・セレクション/ 日興フロッギー編集部岡田 丈

社会の変化や新たなニーズに応えて業績拡大する企業など、旬な銘柄を毎月選定している「日興ストラテジー・セレクション」。5月号では、5GやIoT時代本格化のなかで活躍する、「信越化学工業」と「伊藤忠テクノソリューションズ」の2社が新規追加となりました。両社の投資ポイントをチェックして、銘柄選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

私たちの暮らしを支える素材で世界シェアNo.1の「信越化学工業」

新たなテクノロジーで暮らしを便利で快適にしてくれている会社と言えば、大手化学メーカーの「 信越化学工業 」もその1つです。暮らしのなかで直接目にすることはありませんが、同社の製品は様々な産業製品に素材として使われています。

その代表が、スマホやパソコン製造に欠かせない「半導体シリコン」や、建築・土木業界で用途の多い「塩化ビニル樹脂」です。同社はこれらの製品でいずれも世界シェアNo.1を誇ります。

高い技術で最先端を走り続けるリーディングカンパニー

特に注目したいのが、同社の主力商品「半導体シリコンウエハー」です。お菓子のウエハースのような名前のこの製品、実は半導体の基盤として使われる素材です。

半導体とは通信機器や家電製品、カード決済システムやATMなど、身の回りの様々な機器・製品に使用される小さな部品。半導体シリコンウエハーに回路パターンを焼き付け、加工を施したものです。最近よくみかけるようになった、声で操作できるスマート家電などにも実は高性能な半導体が欠かせません。基盤材料である半導体シリコンウエハーへは、大口径化や超平坦化といった技術に対するニーズも高まるばかりです。同社はその技術力で顧客の厳しいニーズにも対応し続けています。

第4次産業革命で世界中の半導体ニーズ拡大!


スマホに買い替えサイクルがあるように、「シリコンサイクル」という特有の景気循環で、昨年から成長に減速感がみられた半導体市場。そんななかでも同社は2019年3月期決算で9期連続増益達成。半導体シリコンにいたっては、売上高は前期比23.3%増、営業利益は同42%増と好調です。

IoTやAI、ビッグデータなど、社会は「第4次産業革命」といわれる時代に突入しています。半導体市場は年後半にも底入れの兆しで、これから5Gの普及でAI/IoT時代が本格化すると、世界中でますます半導体ニーズは増えるでしょう。風が吹けば桶屋が儲かる……ならぬ、「社会が進化すれば信越化学工業が儲かる」に期待したいですね。

IoT時代を支える縁の下の力持ち! 「伊藤忠テクノソリューションズ」

IoT時代の到来で波に乗る企業として、伊藤忠系列の「 伊藤忠テクノソリューションズ 」にも注目してみましょう。同社は大手SI(Systems Integrator)としてITシステムを構築する会社です。

たとえば、コンビニやスーパーに過不足なく商品が揃い、私たちが必要なものをいつでも買えるのも、生産から販売までのあらゆる工程の情報管理をしてくれるITシステムのおかげなのです。ほかにも公共機関で進められている行政サービスの電子化やマイナンバー制度への対応なども、ITシステムが不可欠です。また、災害対策や迅速性など、ビジネス特有の戦略や設計など求められるニーズは多岐にわたります。同社はこういったITシステムの戦略立案、設計、製品調達、ソフトウェア開発、構築、保守・運用、そしてITサービス全般を手掛けています。

売上の約3割が情報通信事業

通信ネットワークの構築を得意とし、通信業界向けのシステム構築に強い同社。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど大手通信業者を主要顧客にもち、売上高の3分の1を情報通信事業が占めています。

そんな同社に追い風となるのが2020年春から始まる5Gです。5Gとは、大容量のデータを瞬時に、大量の端末で送受信できる特徴を持つ、新しい通信技術です。「5G時代」となれば、通信ネットワークを流れる情報量は加速度的に増加する見込みです。円滑な情報通信を実現するためには情報が滞らないためのネットワークシステムが欠かせません。

ネットワークシステムの設計・構築でこれまで培ったノウハウを豊富に持つ伊藤忠テクノソリューションズ。複雑かつ大規模な5Gインフラ整備においても、ニーズの取り込みに期待が持てそうですね。

5Gの大型案件で業績好調


すでに通信キャリアからの5Gに関する大型案件が寄与し、業績は好調です。2019年3月期決算では営業利益358億円と前期比10%増の結果で、営業最高益を更新しました。2020年3月期には豊富な期初受注残というプラス要因もある同社。IoT時代の到来で、ビジネスチャンスがさらに広がり、ワクワクしますね。

情報社会の発展を担う2社に期待!

お掃除ロボット、自動車の自動運転、スマートハウスなど、身近な暮らしのなかでもAI/IoT化はすでに始まっています。今回紹介した2社は、AI/IoT化に向けた製品・システム作りに欠かせない素材やサービスを提供している企業です。5Gスタートで産業界からのニーズは加速度的に拡大することが予想され、2社の活躍にも拍車がかかることが期待できます。今後ますます存在感を発揮する2社を応援していきたいですね。

2019年5月号では、良品計画(7453)が除外となりました。
同社の「無印良品」ブランドへの評価は不変です。しかし、売上の伸び率低迷が続く中、人件費負担上昇への対応の遅れや、中国/東アジア事業の競争激化などから、利益成長が鈍化するリスクを考慮しました。
※本資料掲載時点で、パン・パシフィック・インターナショナルHDは証券金融会社の注意喚起銘柄に指定されています。
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